2019年11月7日木曜日

その視点で何を見て、何を作るのか。

「NO CONTROL AIR の魅力は?」って聞かれたら、

一番に頭をよぎるのは「天邪鬼」という言葉。

「みんながそっちに行くなら自分はこっち。」

という歌舞伎物の発想で、ファッション業界でも

一種独特の居場所を自ら切り開いてきたデザイナーだと感じます。

そして何より、個性的なスタイリングバランスに惹かれます。

その中心にあるのは、極端なシルエットやフォルムをみせる、

ボトムスの面白さにあるように感じます。





















NO CONTROL AIR
裾ギャザーパンツ ¥22,500+tax

今回は、3年前に自身で購入したお気に入りの素材が

リバイバルしたこともあって、嬉しい年になりました。

また色違いを購入済みでございます。















メランジ調のミックスポリエステルの生地は、

その見た目、厚み、張感、どれをとってもちょうどいい。

今の季節から履き始めたとして、私は例年このパンツを

4月か5月あたりまで履いている。

履いていても誰も秋物だって気が付かない。

何なら本人がそんなこと忘れて履いている。

とても長期的に活躍する素材感で、このパンツにぴったりだと感じます。















裾口にゴムが入り、シャーリングがかかるシンプルなデザイン。















やや太めのウェスト帯のゴムシャーリング。

ギャザーもあってとてもふんわりとして見える。















内側は靴紐で結わく仕様。





















色は左から、ライトグレー、チャコール、ブラウンの3色。















ライトグレー















チャコール















ブラウン















迷わせるための3色展開なのか。。

ブラウンは、やや光沢があってかっこいい新色です。





















サイズ展開は、XS、Sの2サイズ展開で扱っています。

メーカーではMまで展開がございますが、ユニセックスモデルですので、

アナベルではSまでのお取り扱いにしています。

妻はXSで着用しています。
















NO CONTROL AIRは、その名で活動し始めたのは2000年ですが、

その3年ほど前から、建築の道から洋服屋へと転身を図る動きを見せていた。

自分たちでデザインしたプリントTシャツを全国のセレクトショップを

行脚して売り歩いたそうだ。

その時代に、「オリジナリティ」の大切さや、ものつくりをしていく上での

重要な哲学を身に着けていくことになる。















2000年からNO CONTROL AIRとして活動を始めるも、、

とにかく暇な日々を送っていたという。

そんなとき、突破口を求めて参加した新人ブランドが集う

合同展示会に参加した際、人生においても、洋服屋としても

大先輩だと慕う、ゴーシュのお二人に出会ったそう。

「面白い服つくってるね。」って声をかけてくれたのが

嬉しかったことを覚えていて、ゴーシュの泉さんも初めて

声をかけた時のことは鮮明に覚えているという。





















当時は、お互いに暇で暇で、、

ブランドを入れ替えて、交換販売をして楽しんでいたそうだ。

ゴーシュが東京でNO CONTROL AIRを販売して、

NO CONTROL AIRが大阪でゴーシュを販売する。

「意外と売れましたよ。」ってゴーシュさんも懐かし気に振り返っていた。





















お互いに売れない苦しい時代をなんとかしのぎ、

5年ほど経ったころ、なんとなくお互いに忙しくなってきて、

その交換販売は終わったという。

そのころ、ユニセックスファッションや天然素材のナチュラル服が

世間では大流行していたのだが、天邪鬼な彼は(何度もこの話は

いたしますが)、化繊、合繊の世界に飛び込んだのだそう。

それが当時は斬新で、もともと持っているセンスも相まって、

誰でもない彼らのオリジナリティを確立することになる。















この、裾に向かって極端にすぼまったボトムススタイルは、

彼らのスタイルに欠かせない存在と言っていい。





















まだ世の男性のファッションはややきれいなアメカジスタイルが

主流であった頃に、中性的ともいえる男性ファッションのスタイルを

作り、さらにそのスタイルをユニセックスで女性にも落とし込むという、

当時のユニセックススタイルとはまったくタッチの異なるものとして

提案していたことになる。




























超情報化社会になった今、新しいものを生み出すのは

そうとうに困難だと思える中、相変わらず変わった視点で

洋服をとらえ、その挑戦の手を緩めることはない。















長い着丈から少し見える裾ギャザーも素敵です。




























ワンピースを冬に温かく着る方法。




























足元の存在感をいい具合に消してくれるので、

レイヤーを作りやすい。

FACTORY のヤクのカーディガンを羽織って、この上から

コートを着たら、真冬でも寒くない。















このスタイリングでこのパンツが入ることの重要さ。















世の空気に靄(もや)がかかればかかるほど、

彼らのような発想の持ち主には好機なのかもしれません。

だからこそ、目が離せないし、何か期待値は上がるのです。

ファッションにルールはないのですから。