2020年12月27日日曜日

2020年ご挨拶と福袋のお知らせ

2020年は、歴史に残る年となりました。

未来の歴史教科書に載るのかな?

現在も様々な分野で多くの弊害を生んでいますが、

なんとか乗り切れている今、お客様をはじめ、

スタッフや仕事仲間への感謝しかありません。




















4月上旬、緊急事態宣言により一時閉店を決めた際も、

およそ一か月もの間、通信販売やブログを通し、

お洋服の魅力を伝え続けました。

ここでたくさんの写真を撮りました。



















そんな状況の中、たくさんの苦悩はありながらも、

家族と過ごす時間が圧倒的に増えたことが良い収穫でした。


ヨーロッパへ出張していた頃、イタリアやフランスでは、

夜6時か7時には一般の商店は店を閉めて夜の集いを楽しんだり、

家へ帰って家族との時間を楽しんだりしていました。

展示会では、夕方になったら皆さんワインを飲み始めます。

2週間ほどそういった生活をして、日本に帰ってくると、

「働き過ぎじゃないか?」っていつも感じていましたが、

1週間も経つと、日本人の仕事のペースに戻ります。

今回の緊急事態宣言後の営業自粛期間で、今まで下げられずにいた

ギアを落とさざるを得ない状況になり、落としても

走れることに気が付いた人もたくさんいたように見受けます。

ギアを落とすと今まで見過ごしてきたことに気が付いたりもします。

それは今年の大きな収穫ではなかったかと感じています。


















そんなことを考えながら、今年も恒例の福袋をゆっくりと

時間をかけて作りました。

ここで白状しますと、今年は例年より数が少なめです。

昨年の通常営業の成績が良かったのか?

いざ福袋を作り始めると、コートが1着しかありませんでした。

もちろん、悪いことではないのですが、今回の福袋は、

コートが1着しかございません。

ただ、合計金額はいつも通りか、むしろ平均で7万5000円前後は

あり、高いものですと8万円以上入っているものもありますので、

金額はいつも以上かもしれません。

コートやセーターが少ない分、年間着ていただけるものや、

春に活躍しそうな組み合わせで、買っていただいたお客様が

満足してくださるような内容でお作りしました。

「ちょっと定価では買わないかも。。」と思えるような

お値段のセーターや、ムートンの手袋など、単価の高い

シンプルなものの多い福袋となりました。


お値段は、昨年の22000円(代引き送料込み)から、

今年は20000円(代引き送料込み)と2000円お値引きしています。

サイズにつきましては従来通り、Sサイズ・Mサイズの2つを

ご用意しています。

ブランドによりサイズの表記が異なりますので、記載された

表記よりも、実際に販売してきた感覚や実寸を評価した

内容となっております。


例)NO CONNTROL AIRのサイズ展開は、XS、S、Mが多く、
ユニセックス展開です。身長170cmの男性の私がたいていSを
着ていますので、XSが女性対応サイズの中心となります。
大き目なデザインも鑑みて、商品によってはXSの表記でもMサイズに
入れている場合がございます。ここでいうMサイズとは、
身長が165cm前後の女性を想定しています。

例)evem evaのサイズ展開は、2種類ございます。1・2の場合、
1がS、2がMです。もう一つは、Mのみのワンサイズ展開の商品です。
これはMとは記載されていますが、ワンサイズの商品ですので、
実質はフリーザイズです。このような場合、小さめだと判断したら
Sにしか入れていませんし、ゆったりした商品であれば、どちらにも
入っている可能性はございます。



上記以外にも、ブランドにより、サイズ感やサイズの

表記方法が異なりますが、annabelleの福袋は、

今までお店で販売したものを使ってお作りしています。

実際の接客を通した感覚を考慮した内容となっておりますので、

サイズ表記だけを見ると驚かれる場合もございますが、

その点はあらかじめご了承ください。


販売は、1月3日(日)の11:00~今回は通信販売のみで行います。

時節柄、ご理解いただけますと幸いです。

また、本日これより、福袋の通信販売ページが開示されますが、

ご購入はできません。サイズのことなど詳細が記載されておりますので、

来年の販売時までどうぞご参照ください。


それでは、皆様良いお年をお迎えください!

また来年もよろしくお願い申し上げます。



annabelleより





2020年12月25日金曜日

オーセンティック

コートをこんな風に持ったことがありますか?

これを見た時、「やってみたい!」と思って、

メンズも一緒に自分用に発注しちゃいました。











バカでっかいリュックみたい。。
















コートのウェストベルトを衿吊りを通してこのように

2点留めすることで背負ったり、肩に掛けたりできるように

なっています。


















その昔、まだ馬に跨っていた時代、熱くなってコートを

脱いだ男たちは、両手を空けたまま馬上でコートを持つために、

こんな仕様のコートをハンティングなどの際にも着ていたそうです。

古着を熟知していないと、トラディショナルなお洋服は作れませんね。

さすが、ASEEDONCLOUD玉井さん。

















正面から見ると、ボタンが見えないですし、

衿の返りがないので、トレンチコートのようには見えませんが、

作りはトレンチコートでしょうか。
















内掛けボタンをこのようにして、、。

















フロントボタンは比翼仕立てで見えないデザインです。

Wブレストですが、ボタンが見えないことでステンカラーコート

のようにも見えてきます。


















一般的なトレンチコートを上まできっちり閉めた時の

装いをスタンダードにデザインしたコートです。

ガンフラップの下にあるボタンも留めて、着てください。
















袖付けは非常にオーセンティックなラグランスリーブ。

すっきりとした印象ですが、運動分量はしっかりとあり、

下にもざっくりとしたセーターなど着ていただけるコートです。

















袖口もレールステッチの美しいタブがきっちりと。
















背面はちゃんとした雨蓋仕様のデザインです。

ふらして、上蓋のほうがわずかに大きく、

雨をしのぐ屋根のような役割を果たすもの。

簡易的に作られたものも多い雨蓋もしっかり作っております。
















こちらも非常にオーセンティックなデザインです。

動きやすさ、防寒性、美しさ。

大きなインボックスプリーツは、

かっこいい大人の女性に相応しい。
















帯には金具など付けず、クラシカルな結わくデザイン。
















ベルトはこのようにシンプルに前で

結わいて着てもいいですし、、
















後ろに結わいて垂らしておいてもいい。

そして、、
















裏に取り付けて、、

















背負ってもいい。

背負いたい。

















首元が寒いときは、襟を立ててタブで留める。
















衿を寝かせる通常時は、このように収納できる。

細部に至るまでしっかりと本格的。
















極めつけはこの貫通マガジンポケットです。

昔の本格派のトレンチやステンカラーコートは、

バーバリィもアクアスキュータムも、みんなこの仕様でした。

コートをしっかりベルトまでして着た場合、ロングコートを

着た状態で、インナーのジャケットやパンツのポケットから

モノが取り出せるように。
















貫通しています。

モノは落ちないのか?

落ちません。

大き目のパッチポケットで

口を受け留めているので、大丈夫。

















ラフに全部開けてきてもかっこいい。

















こちらも一重のコートと同じく、わずかに重心が低め。

日本の着物に近いベルト位置ではないでしょうか。
















インナーに着ていたセーターも、ASEEDONCLOUDのもの。

こちらも地層のようなデザインで、ガンジーセーターを

ベースにして、オリジナルの編み柄が素敵です。


























とてもスタンダードなサイズ感のセーターです。

下にシャツなどを着てもいいでしょう。
















ミックス調のブラウンは、ツイードの王道をいく色調です。
















ジーンズに革靴、赤いソックスでそれに応えます。
















現在のゆるいサイズ感のファッションは、一時的な

トレンドではなく、80年代初頭からハイファッションで

展開されてきた提案の集大成のような状況だと感じます。

おそらく廃れることなく、個々のマインドに今の世代の

代表的なスタイルとして今後も残っていくと思っています。

では、それをどうアレンジしてお洋服を着たらまた新鮮に

今のお洋服が着られるだろうか?

そんなことを1年半ほど前から考え始め、まずは

オーセンティックなデザインが気になったところです。

ゆるいファッションの独特なバランス感を持って、

トラディショナルウェアーを取り入れたら?

ASEEDONCLOUDのデザインは、そんな今の気分と

一致して、2020年春夏からお取り扱いをしています。

これからもっと、力を注いでいきたいブランドです。




























 

2020年12月24日木曜日

小さな幸せ

あらゆるジャンルのデザイナーがお手本にするもの、

それは「自然界」ではないでしょうか。

テキスタイルの開発デザインでは、撥水性を高めた生地を

開発するのに魚や鳥の羽を研究したり、空気抵抗のないフォルムの

車両デザインに、ハヤブサやチーターの線形を取り入れたり。

多くのカメラマンが自然にレンズを向けるのは、

そこに何かを期待しているからだと思います。

今回ご紹介するワンピースの生地は、アイスランドの地表を

イメージしてオリジナルで作り上げた生地だそうです。














ASEEDONCLOUD
Elves dress ¥42,000+tax

スカートにベストを合わせたかのようなデザインは、

一見取り入れるのが難しいようにも感じてしまいますが、

ベスト好きの私としては、「なんて便利なものを!」というくらい

感激してしまったお洋服です。












フロント部分に使用されたストライプが、オリジナルの

ファブリックです。デザイナーがアイスランドの地層を実際に

目にした際に、とんでもない感動を味わったそうで、

その地層の形を生地に表現したそうです。

















織柄を工夫することで表現しています。

ボタンは木を使用していることから、より自然を感じます。

きっとたくさんボタンを触ることで、木の色も変化を遂げ、

素敵な飴色になることでしょう。


















こちらは本来隠すことの多いポケット布ですが、

布地の重なりを感じていただきたく、デザイン的に

わざとポケット布を見せています。
















背面部分はスカート部分と同じ布を使用しています。

このワンピースがすごいと思ったのは、実は、

今までに見てこなかった、年間着られるお洋服であることです。

おそらくデザイナーもそれは意識して、ベスト部分も

スカート部分もコットン100%で作っている。

















スカートはジップとボタンで開く仕様。

ポケットも付いています。

下に着るものは、デザイン上必ずスカートにタックインを

することになりますので、あまり分厚いものは着れません。

春には薄手のブラウスやシャツを着て、夏にはTシャツを着て、

秋にはそこから羽織って、冬には薄手のセーターを。

















今回は、FACTORYのリブ編みのハイネックを着ています。

おそらく、これがタックインできるギリギリの厚みかと思います。





















真冬はインナーパンツやタイツで温かくして、

トップスはFACTORYのセーターにベストを重ねた

状態ですから、この上にコートを着たら大丈夫。


















今回は上にこちらのコートを着ていました。

GASA*のWOOLのコートです。

















背面も可愛らしい。


















今回のテーマにある炭鉱で働くおじいさん達は、

実はコツコツと発掘される昔の炭鉱夫の洋服を集めては

直し、もとに戻していく作業に勤しんでいる。

それは、事故で無くなった炭鉱仲間の男と入れ替わるように

生まれてきて、息子のようにみんなで可愛がっていた実は娘の

女の子が望んだことなのでした。


この地層のベストは、ベストだけ発掘されて、

炭鉱現場で息子のようにかわいがられていた女の子に

着てもらうために、おじいさん達がワンピースに仕立てたのかな?

デザイナーの玉井さんは、いつも小さな幸せを発見させるような

物語をテーマに据えています。

着る人が、小さな幸せを感じられることを願うように。





















 

2020年12月22日火曜日

お布団コート

すっかり冷え込み、妻にいい加減リビングのカーテンを

何とかしろとつつかれています。

妻に任せると近所の「〇トリ」に行って買ってくるので、

ちょっと待てと言って早2か月。なかなかいいものが見つからない。

これいいな、、と思ってお値段を聞いてびっくりすることばかり。

窓際のベンチでは、ブランケットが手放せなくなっています。

今日は、見て触った時の印象が、「こんな布団で寝たいな。」と

思わせてくれるほど、フカフカであったかそうなコートです。

どうやら着心地も極上のお布団のようみたいですよ。














maison de soil
silkキルティングコート
gold beige ¥48,000+tax

定番の共布キルティングに、真冬も温かいように

中綿を入れたタイプのコートです。

正直に申し上げて、見ても触っても、、

「本当にあったかいのかな?」と疑問に感じる軽やかさ。

ですが、スタッフも妻も、間違いなくあったかいと

言ってくれるコートです。











表地は贅沢にシルク100%。

上品な光沢感が良い雰囲気です。
















裏地はコットン100%でインナーはポリエステルの

中綿が敷き詰められています。

ダウンのようなボリュームはありませんが、

まさに上質なお布団のよう。

写真のボタンはベントをおさえるボタンです。

中に着るお洋服のボリュームや季節によって、

ボタンを外しても良いと思います。

















袖は全体に細身で、キュッとした感じで着ていただくサイズ感ですが、

アナベルでお取り扱いしているセーターは全部着れましたので、

よほど厚手のセーターでない限り、問題なく着ていただけます。

















身頃両脇にポケットがございます。

















フロントのボタンは、すべて比翼仕立てで、

留めるとボタンは見えないデザインです。

















色はブラックとゴールドベージュの2色展開。

どちらも扱いやすい色味ですよ。

















「あのね、信じられないかもしれないけど、、

ゴーシュのダウンの次にあったかいコートは?って

言われたら、ちょっと悩むけど、、これかな。」

そんな風に言っておりました。

















「うそでしょ?」って言いましたが、

いずれのコートも結構寒い中で撮影していますので、

感覚は平等だと思います。WOOLのコートが多くある中で、

「そんなにか?」というのが着れない僕の反応ですが、

どうやらあったかいことに間違いはないようです。

















どんな感じのあったかさかを聞いてみると、、

「FACTORYのセーターと合わせたら、真冬もいける。」

「薄手のモノと合わせたら、秋や春に着ても暑くない。」

それはまさにSILKのおかげかもしれません。

とりわけ、WOOLのセーターと合わせて、キュッとなった感じが、

最高に心地よく、温かいそうです。
















前はVカットで開いているので、真冬はしっかりとした

ストールをセットでどうぞ。

こちらのストールも本日ご紹介する、

Brun De Vian-Tiran(ブランデ ヴィアン ティラン)のもの。

フランスで200年以上続く老舗で、本来は寝具メーカーでした。

医療施設などを中心にブランケットや毛布を供給していたこともある。

ベビーラマ100%のストールは、身に着けた瞬間から温かい。

モヘアほど毛足は長くありませんが、似た温かさを感じます。

濃色のコートには、はじめのうち多少毛が付きますが、

気になるレベルではありません。

















羽織って着ていると、ますます温かいのか不安になるくらい

軽い羽織のような印象ですが、あったかいそうです。

あ、開けてたら寒いですよ。

ノーカラーですので、キュッとしてストールをしてください。



















コンパクトなわけではありませんが、

袖も細身で、全体にはすっきりとした印象です。

















こちらもストールを。

これは完売したFACTORYのヤクの原毛のストールです。



















お布団のようなほんわかと温かいSILKのキルティングコート。

お仕事帰りの電車の中で、つい寝てしまいそうです。

ストールや手袋をお供に、真冬のコートとしていかがでしょう。