2016年8月29日月曜日

まだ本気出してなかっただけ

NO CONTROL AIR は、最近みなさん

ようやく、名前で呼んでくれる。

横文字は3歩ほど歩くと忘れる妻も、

ちゃんと言えるようになってきた。

今年1月に、国内では一番早い秋冬の展示会に

妻も同行した。

出迎えてくれたのは、NO CONTROL AIR のお二人。

妻は、てっきりNO CONTROL AIR の展示会だと思っている。

ひょっとしたら、まだそう思っているかもしれない。

その展示会で、着るものすべて、「欲しい」を連呼していた妻。

先日、その展示会で見た商品が入荷し始めて、

再度、私の分があるかを確認していた。

たぶん、ブランド名が「FIRMUM」(フィルマム)だとは、

全く気が付いていないし、彼女にはどうでもいいことのようだ。





















FIRMUM

ワイドギャザーキュロット

ウォルナット ¥20,500 + tax

アメリカ原産の超長綿、「スーピマコットン」を

原料とした、高密度でしなやかで、

何よりとっても軽いのが特徴のウェザークロス。





















色違いで、オリーブ。

NO CONTROL AIR では、やりきれなかった、

本来大好きな、天然素材を中心にした、

ちょっとひねくれた、大人のカジュアル服。





















ブラック

シャカシャカしているのに、、

とても女性らしく、美しい。





















シンプルにTRAVAIL MANUEL の

ボートネックTee をあわせて、足元はR.U.。















着用すると、持った時のシャカシャカした、

ちょっとした硬さや、カジュアルさがどっかへ行ってしまう。















スーピマコットンを使っているだけあって、

目ズラもよく、品がいい。





















オリーブは、シャルパンティエのボーダーTeeと

合わせて、ちょっとミリタリーテイストに。















コンパクトなトップスと合わせても、

ボリュームバランスは気にならない。















レディースでは、なかなか見ない素材感と

デザインの組み合わせがとてもいい感じ。





















ブラックは、Honnete のブラウスをタックイン。

今の季節にちょうどいい。















太めのゴムギャザーウェストは、

タックインのスタイリングもこなせて便利。















色褪せずらい、高密度な先染めの生地は、

キレイ目にも、カジュアルにも使いやすい。


そして、同素材でもう一つ。




















FIRMUM

テーパーギャザーワイドパンツ

ウォルナット ¥22,000 + tax

これでもか!

というほど太めのテーパーパンツ。




















オリーブ

白いボタンがかわいらしい。




















実は、後ろがすごい。

おびただしい分量のギャザー。




















着用すると、いい具合にふくらみが出ます。

そして、かなり好みの分かれるところ。

我々は、気に入って、気に入って。

実は夫婦で購入しました。




















ブラック

大胆にロールアップしてもかっこいいのです。




















コンパクトなトップスでシンプルに。

裾は一折だけしていますが、

155cmの妻でXSが10分丈です。















太いうえに、少しウェストにのっけて履くタイプ。

まるで、ユーズドのパンツをはいているかのような感覚です。















とりわけ、ウェスト周りのボリュームがすばらしい。

よくここまで、分量をとってくれたものだと、

それは、それは、、少し感心するほどに大胆です。





















オリーブはビッグシルエットの

Honnete のブラウスにコーディネート。















バランスをとるために、少し多めにロールアップ。















やはり、横からのシルエットは、とりわけ普通じゃない。

展示会で、米永さんは言っていた。

「普通に収まらないデザインに挑戦していきたい。」

「ビッグシルエットの可能性を探りたい。」















一見無理がありそうなビッグシルエットも、

バランスに工夫をもたらすことで、

よりオリジナリティーのあるブランドに見える。















彼の作る洋服は、NO CONTROL AIR もそうだが、

とにかく、バランスのとり方が面白い。

おそらく、たくさんの対象となる人を排除しながら、

突き詰めてきたバランスなのだろう。

ゴーシュなどと同じく、熱狂的なファンが多いのもうなずける。


前シーズンは、あの人気だったトルファンコットンのTシャツだけで

終わった、FIRMUM の紹介だったが、、

今シーズンはまだ続く。

そう、、「まだ本気出してなかっただけ」なのだ。


2016年8月28日日曜日

暮らしとおしゃれの編集室















暮らしとおしゃれの編集室」、連載ブログも

いよいよ秋に突入です。

早いもので、第14回目。

ぜひ、ご覧ください。



2016年8月27日土曜日

筋金入り

メンズのメーカーで働いていた我々が、

突然レディースの小売業を初めて、5年目に入る。

ようやく、小売業にもレディースにも馴染んできた気がする。

当初から、「普遍性」というキーワードが常に念頭にある。

お洋服単体での普遍性は、着るものとしてとらえたときには、

「着心地が良いこと」

それに尽きる。

着た人がそう感じるということは、

生地も良いし、仕立ても良いのだろうから。

ファッションとしてとらえたときには、どうなるか?

「気分があがる」

それに尽きるのではなかろうか。

試着して、鏡で見て、、とにかく自分のものにしたいと思うお洋服。

そして、その二つの尺度からの普遍性には、

どちらも個人差がある。

より良い生地に触れてきた人は、かなり良質なものにしか

着心地が良いと感じないはずだ。

ファッション感度の高い人ほど、洋服単体で見たときに、

ワクワクする回数は減ってゆく。

では、我々の役目はどこにあるのか?

そんなことが少しだけわかってきた5年目の秋。

彼らの洋服は、我々の知る限りでも、

かなりたくさんの人をワクワクさせている。




















ゴーシュ

ペーパー天竺ワイドブラウス

ベージュ ¥19,000 + tax















左から、ホワイト、ベージュ、グレーイッシュブルー。

こういったデザインになったとき、

ポケットがなく、すっきりしたものが多い気がするが、

いつものように、メンズのようなシャツポケットが

付いているのを見ると、

ゴーシュのお二人の顔が浮かび、少し笑みが漏れる。















素材も面白い。

触ってみると、しっとりしながらも少しドライタッチで、

わずかに、カサカサした感触がある。

少し厚手の手すきの和紙を触っているような。

手にもって引っ張ってみると、、少し伸びる。

そう、、この生地は編み物なのだ。

だから、名前が「ペーパー天竺」。















コットンだけでは少しダレル気がするのだが、

こちらは、ポリエステルが半分入っているので大丈夫。

それによって、少し魅惑的なタッチと、

製品で染めたときにポリエステルが染まりきらないことで、

生じるメランジ調が面白い。















ゴーシュの裾ゴムテーパーパンツにベージュ。















ゴーシュらしいニュアンスのある生成ベージュは、

ベージュ系にはもちろん、白のボトムスと合わせても

ワントーンコーデが可能になる。

スタイリングの幅が広がりそうだ。















白は、同じベージュのカツラギキュロットに。

カジュアルな印象のあるボトムスでも、

このブラウスと靴を少しキレイ目にしたら、

すぐにちょっとしたお出かけスタイルになる。















なかなか見ない、存在感のある、エレガントな一着。















デザイン物で感じやすい、チープな印象は、みじんもない。





















グレーイッシュブルーは、濃色だけに、

冬に向けての重ね着スタイルは作りやすい。

インナーにタートルなどを着れば、

初冬まで十分に活躍するし、春先も着るだろう。















ゴーシュの二人はいつも考えている。

「どうしたらもっと着心地が良くなるか?」

1年365日中、300日はパターンを引くという彼ら。。

ホームページの開設やプレス、営業など、

通常のメーカーが行う、モノつくり以外のことを

できる限り捨てて、彼らは型紙を作る。

そして、うまくいきそうな時、サンプルを作る。

そして、まず自分で着てみる。

全部がそうではないが、展示会に出すのに1年以上

試行錯誤を繰り返すこともあるそうだ。

「どうしたら、もっと着心地が良くなるか?」

「どうしたら、お客さんの気分があがるか?」

彼らの洋服は、そんなシンプルなことを

とことん追求したお洋服です。

筋金入りの洋服屋なのです。





2016年8月26日金曜日

アヤメワールド

彼女の作る靴下は、こんなに派手なのに、

僕にはスッとなじんでくる気がする。

まるで、無地の靴下を履く感覚で、パッと手に取って

ほぼ毎日、ayame ソックスを履いている。















こちらは私物で、何年か前のもの。

ayameソックスに出会って5年。

我が家のソックス入れに、ayameソックスが増えてきた。

今年も第一弾が入荷中です。















ayameソックスの大定番柄。

ランチバスケット ¥2,000 + tax















様々な編み方を駆使して、職人さんを困らせながらも

作り出す、この凹凸のある編地模様が特徴的。















かなり前になるが、「天才ayameの恩返し」という

題名だったか、、、

このランチバスケットのソリッドカラーの誕生について、

お話したことがある。

ランチバスケットソリッド ¥1,800 + tax















ayameソックスがスタートした当初、

お取り扱いをしてくれるお店もまだまだ少なく、

工場の職人さんに、頼みに頼んで、なんとか商品は作り続けたそうだ。

工場にとっては、少ないロットで、こんなにややこしい靴下を

作ったら、、作るたびに赤字になる。。

頭を下げて、お願いするたびに職人さんが漏らしていた言葉がある。

「たまには、せめて、、一色の靴下でも作ってくれ。」


ようやく、お客さんが増えて、

何とかやっていけるようになった3年前、

今まで一度も作ったことのない一色の靴下が展示会場に並んでいた。

デザイナーの阿賀岡さんは、元気な声で説明している。

「工場の職人さんたちへの恩返しなんです!」

何年にもわたって、赤字で彼女の靴下を作り続けた

職人さんも、ようやく報われた瞬間ではなかろうか。















「ハトのマーク」という名のソックス。

¥2,000 + tax

皆さん、「ハト」と「ハート」、

どちらが先に目に映るでしょうか。















彼女らしい、洒落のきいた、

「love & peace」なデザインです。















「テラコッタタイル」という名のソックス。

¥2,000 + tax

こんなに派手なのに、

洋服にスッと馴染むから不思議です。















彼女の天才的色彩感覚が垣間見えるデザインです。















「スマイル」という名のソックス。

¥2,000 + tax















どこがスマイル?? って思いますね。















実はバックカットのジャカード編みで、

裏側が表のような見え方。

織物にもある技法ですが、布地ではどちらを

使っても構わないのです。

だから、裏とか表はありませんが、この靴下はふさふさが表。

こちらもなんだか「love & peace」。





















毎年ひとつは欲しくなる。

今シーズンも、ayame world をご堪能ください。