2019年12月29日日曜日

ご挨拶とお知らせ





















7周年の年末を迎え、なんとなく昔の写真を見返しておりました。

洋服は少なくて、売り物なのかどうかよくわからないものが

店内のいたるところに置いてある店でした。

写真は1年目のアナベルの風景です。

1着の洋服をどう見せるかを真剣に楽しんでいました。

だれも来ないのに。

そのうちに少しずつ、お客様が増えてきて、

少しずつ洋服も増えてきました。

そして洋服屋らしく整ってきたように感じます。

来年の目標は、またそれを散らかすこと。

すぐには無理なので、数年かけてまた散らかしてみたい。

お客様とその楽しみを共有できたら幸せです。


ご存じの通り、妻の名前は「なな」と言います。

7周年に入った時から、その響きには特別な思いを馳せておりました。

もうすぐ終わる7周年の年末、恒例の福袋を作りながら、

少し商品にゆとりがあったら、店頭でセールをしようと考えておりました。

正直、たくさんの商品はご用意できませんでしたが、

福袋を少し少なくして、店頭で見ていただけるものを用意しました。

アナベルで初めて、7周年記念セールを開催いたします。

日程などは以下の通りです。


1月3日(金)、4日(土)、5日(日)の3日間限定
annabelle1F店舗にて 11:00~20:00
※福袋の販売は、通信販売のみとさせていただきます。
※今シーズン販売してきたものはすべて対象外とさせていただきます。


福袋に関する注意事項は、ご購入の際に通信販売ページをよくご覧の上、
ご購入をお願いいたします。今回も、標記のサイズよりも実質的な
サイズ感を重視しております。
<例>
ブランドにより、xxs、xs の2サイズ展開の場合、xxsがS相当、xsがM相当として
扱うなど、ブランドの表記はそれぞれであるため、実際にお店でどの程度の
サイズとして扱っていたかを重視して、SとMを作成しています。


7周年という節目に、福袋とセールでお楽しみいただけますと幸いです。
福袋に関しましては来年もございます。

セールに関しましては、気の長い話ですが、また7年後に行います。
宜しくお願いいたします。



annabelle
店主 伊佐洋平












2019年12月23日月曜日

吹雪と冬の星空

典型的な文科系に見えるのか、、

小学校から大学まで、ずっと運動部に所属していたことを

少しお話したりすると、「えーー!?」となります。


BLUE BLUE JAPANの展示会で、これらのコートのサブタイトルを

耳にした時、すぐに競技スキーをやっていた時のことを思い出しました。


「この素材は、真冬の吹雪をイメージしました。」

「この素材は、冬の星空をイメージしました。」

どちらも素敵です。





















BLUE BLUE JAPAN
裏ボアショートコート「吹雪」
ナチュラル ¥42,000+tax

昨年もその前の年にも大好評でした、表生地がWOOLで

裏にポリエステルのフカフカなボアが付いた軽くて温かいコート。

毎シーズン、少しデザインや素材が変わりながら、

裏にボアが付くという共通点を持って継続しているシリーズです。
















ボタンはダブルで2段。衿はとてもスタンダード。

織柄が特徴的な生地は、BLUE BLUE JAPANで吹雪を

イメージして作りこんだオリジナル素材です。















シルエットは、ショートコートながらわずかに

裾がすぼんだコクーンシルエットです。















胴裏はほとんどがボア、一部と袖裏は滑りの

良い素材を使用しています。

ヒップ周りはボアをつけると裾周りがつれて、シルエットが

きれいに出ないこともあり、滑りの良い裏地をつけています。















そして毎回好評のポケット裏のボア。

手を入れるととてもほんわかと温かい。















打掛の使用は、紳士モノのジャケットのようなデザインに。

通常の打掛より慣れると着脱が容易です。





















色はネイビーもございます。

ナチュラルとネイビーの2色展開です。















ネイビーは一見シンプルですが、よく見ると同じ複雑な

織柄を1色で構成していますので、表情は豊かです。















軽くて温かい。















WOOL地の洒落たフリースのような感覚で着ていただけます。

もちろん見た目は、通勤にも十分にご利用いただけるような印象です。















吹雪をイメージした織物は、どこかノスタルジックな

印象を併せ持つ不思議な既視感を抱きます。















少しゆとりのあるサイズ感で、下にもある程度は

着ていただいても着ぶくれをするようなことはありません。





















ネイビーは少し細身のスタンダードなパンツに

合わせてみました。















とてもシンプルですが、袖のシルエットがわずかに

フレアになるようなデザインが光ります。

ユニセックス調のP-コートなどとは違った、

しっかり女性らしい印象です。















細身のパンツやふんわりパンツ、ワンピースや

キュロット、スカート、様々なボトムに合わせやすい。





















BLUE BLUE JAPAN
Aラインロングコート「星空」
ネイビー ¥60,000+tax

なぜ星空か?

寄ってみるとわかります。















中央部分にある白い点、、ホコリではないのです。

キラッと光るポリエステル糸を用いた星を表す造作生地。

この点がたくさんちりばめられることで、美しい星空が完成しています。





















見えるでしょうか。

やりすぎない絶妙な星の集まり。





















実はXSとSの2サイズ展開でしたが、XSが

完売してしまいました。

妻が着ているのがSサイズです。















お好みもあるかと思いますが、妻が着ていてもまったく

違和感は感じません。XSサイズは、150cm~155cmくらいの

細身の方を対象にしたサイズ感で、Sは155cm~165cmくらいまでを

カバーするようなサイズ感で、着丈は6~7cmほど違います。

ただ、Sでも110cmの着丈ですので、ひざ下10cmほど。

長すぎるということはないでしょう。
















ロングのきれいなAラインシルエットです。

真冬に着るコートとして、安心感のある温かいコートです。















25年前、スキー部に所属していた時代、

シーズンの移動費用や道具代、大会エントリー費などを

工面するために、冬は雪山にこもってひたすらバイトをしていました。

様々な場所で働きましたが、今でもその当時の情景や空気間を

思い出す場所があります。三国峠近くの若いご夫婦が経営するロッジに

住み込みで働いていた際に、私ともう一人、少し年上の料理人志望の

お兄さんとの共同生活をしていた際に与えられていた離れのような

部屋がありました。















隙間風の激しい古い建物で、窓際にふろ上がりの

タオルをかけておくと、翌朝には氷になっているような部屋です。

毎晩、ホットワインと熱燗を呑みながら、その日の話をそれぞれ

しながら話題になるのは天気の話。それ次第で我々の一日の生活は

ガラリと変わるのですから。

普段、5分で到着する場所に、吹雪が原因で1時間半

かかったこともありました。ちょっとした遭難です。


毎晩、窓の向こうの空を見上げ、明日はあれるかどうか、

夜の会話はそこから始まるものでした。

真冬の星空は、それはそれはきれいなもの。


このコートのサブタイトルを聞いた時、

勝手にノスタルジーに浸っているのでした。

あのロッジはまだあるのかな?

同居人の先輩は料理人になったのかな?

僕はその時、洋服屋になることなどまったく考えていませんでした。

人生、天気のようにわからないもの。

「吹雪と冬の星空」のコートは、そんな感情が

沸き上がるものでした。












2019年12月21日土曜日

ジェンダーレス

アナベルの店頭に私が立っていると、昔からではあるが

男性のお客様が流れてくる。

メンズのお取り扱いはないということを知ると、

私が着ている洋服への質問が始まったりする。

私は、気に入って着られればなんでも着るという主義なので、

レディースやメンズの境なく、好きなものを取り入れて着ている。

結果、妻との共用もどんどん増える。

今日は、その逆バージョンのご紹介です。





















BLUE BLUE JAPAN
WOOLマンダリンジャケットコート
ネイビー ¥42,000+tax

展示会に伺った際、メンズ、レディース、ユニセックス、

などが同じフロアーに一緒に置いてあるので、

境なく全部をさーーーーっと見る。

2周くらい回ると気になるものが頭に整理されてくる。

そしてそれらを着てもらって、印象に残ったものや

テンションの上がったもの、その場で「絶対欲しい!」

みたいな、さらなる整理がついてきて、後日発注するわけですが、

「それはメンズです。」とか言われると、少しひるむもの。

何度も着てもらって、サイズ感や着心地、見た目が野暮ったくないか?

より慎重に見渡してから、発注する。

これはそのように発注した、メンズのアウターです。

サイズはSサイズのみを発注しています。
















メンズと思うと、結構細い。

170cm、65kgの私が「少し小さいかも」って思うサイズです。
















表生地は、以前にコートでご紹介したWOOLの

籠染めを使用しています。ネイビーのフランネルに

ブラックの染が施され、しわと陰影が楽しい素材感です。
















以前にご紹介したコートと違うのは、裏地と中綿の入った

デザインであるところ。通常の中綿ではなく、人口ダウンとも言われる

プリマロフトという高機能素材を採用しており、ダウン程の

ふくらみはないものの、通常の中綿よりはかなり温かいもの。

軽い羽毛布団のような感触のアウターです。















よく見るとただの白い生地ではなく、ネップジャカードのような

織柄模様のあるオリジナル素材。裏地も素敵です。















袖裏は滑りの良いポリエステルを使用しています。





















ふんわりパンツにシンプルに。

袖は一回折っています。















展示会で着た時に、羽織った瞬間に可愛いと思ったメンズ服でした。















妻が155cmの平均的な体系ですので、それより小さい方には

強くお勧めはできませんが、似たような体系の方はこれを参考に

お店でもぜひ試着をしてみてくださいね。















ふんわりパンツやsusuriさんのマーチスカートなどは

とても相性のいいデザインです。















COOVAさんの巻物に、yourwearのミトン。

今年のミトンは指先が出るタイプでとても可愛らしい。















展示会では、自分で着ていたワンピースの上から着て、

「かわいい!」となった妻。やはりワンピースによく似合う。





















ダウンのようなふくらみもないため、

まったく着ぶくれした感じもない。















マンダリンジャケットモチーフのデザインですので、

前を閉じると片側のポケットは使えなくなる。















使えなくなるというか、、半分隠れる。

脇からひゅっと、入れて使うことはできる。





















こんな具合に。















前を開けて羽織る感覚で。















古着世代の私は、10代はほぼ古着しか買ったことがなく、

20代になってようやく新品の洋服を少し買うようになった。

古着の面白いところは、現代服にはない意外性や斬新さ。

そして何より自由さが魅力であった。

シンプルに「着たい!」と思ったものに袖を通してみて、良かったら買う。


そこにはメンズ、レディース、若い人用、年配者用、などなどの

世の中に作られた囲いがなく、とても魅力的なものでした。

今日着ているものをあらためて見てみると、面白いことが分かった。

着ているインバーアランの手編みの真っ白なセーターは、

22年ほど前に、女性の先輩に「あげる」って言われてそれ以来

ずっと愛用しているレディースのもの。

今日はそのセーターを外国人の女性に呼び止められて褒められた。

下に履いているパンツは、アナベルでも今シーズン販売していた

blue in greenのふんわりパンツのホワイト。もちろん、レディースです。

そしてコートは、7年前に購入したHonneteのショールカラーコート。

こちらもレディース。

被っている帽子は、15年くらい愛用している d'antan のベレー。

頭が小さく、そもそもメンズの売り場であまり帽子を買ったことがない

私の愛用する帽子は、半分くらいがレディースのもの。これもその一つ。

何一つメンズを着ていなかった。

ジェンダーレスでいこう。



safuji展作品オーダーの入荷状況について


10月に開催しましたsafuji展にて、
オーダーいただきました作品の入荷状況をお伝えさせて頂きます。

今月の26日〜28日に、全量入荷を予定しております。
入荷次第、個別にご連絡をさせていただきますので、
今しばらくお待ちください。

何卒宜しくお願い致します。


annabelle


2019年12月20日金曜日

お知らせ

<Tポイントカードについて>

annabelle店舗は、Tポイントカード加盟店舗になっておりますが、

この度「paypay」の導入に伴い、加盟店契約を解約することといたしました。

Tポイントカードのご利用は、年内で終了させていただきますので、

どうぞご了承のほど宜しくお願い申し上げます。


Tポイントのポイント還元率は0.5%でしたが、paypayでは3倍の1.5%となります。

また、現在所持しているTポイントは、登録によりpaypayでそのまま

お支払いに転用可能です。そちらの使用上の詳しい規則などにつきまして、

ご不明な点は、paypayへお問い合わせください。


<年末年始の営業日程について>

annabelle店舗の年末年始の営業日程は下記の通りです。

12月28日(土)最終営業日 ※年始営業準備のため18時閉店いたします。
12月29日(日)冬季休業
12月30日(月)冬季休業
12月31日(火)冬季休業
1月1日(水)冬季休業
1月2日(木)冬季休業
1月3日(金)初売り 通常営業開始


以上よろしくお願いいたします。


annabelle店主
伊佐洋平








2019年12月15日日曜日

自分をコートに合わせたい。

「こう着てみよう。」
「こんな風に着たらどうだろう。」
「あ、こんな着方もいいかも。」

そんなことも洋服の楽しみの一つだとすると、

このコートはそういった面でたくさんの楽しみが詰まっている。



















NATIVE VILLEGE
entity/本質 ラップコート ¥87,000+tax

生地はコットンとラミーの混紡糸を用いたオリジナル素材。

高密度であり、軽くて非常にしなやかな素材は、

玉虫のような光沢感を帯びている。

裏地付きで、冬だけでなく春先まで着ていける素材感です。

また、その着方がそういう気持ちにさせてくれるデザインです。
















ラップコートですので、前身は重なり合い、

カシュクールのような雰囲気で着ていただくもの。

これは、トップボタンをしないで、大きなヘチマ衿をみせる着方。



















上まで留めると雰囲気が変わります。


















さらに、襟を立てるとこんな風に。

















袖がとても太いのも特徴的。

セットインのような、ラグランスリーブのようなデザイン。



















ウェストにはやや下目の位置に共布の細いベルトがございます。

これもどのように使うかで、雰囲気に差が出てきますよ。






















こちらがカーキ。





















色は、ピンクベージュとカーキの2色展開です。

そしてこちらのコート、サイズ展開も特殊で面白い。

日本人の平均的体系(身長155cm~165cmくらい)で着て

おそらくジャストサイズはSサイズです。

しかし、あえてワンサイズ大きめでなく、こんなビッグサイズで着ても

かっこいいよ、という大きなサイズをMでご用意しています。

もちろん、「別物?」かのような違いがございます。






















まずはSサイズを非常にシンプルに着てみます。

















ベルトもウェストでキュッと結び、トレンチコートのよう。






















一番上のボタンを留めました。

少し印象が変わりましたね。



















前が詰まった衿周りがお好みの方は断然この着方でしょう。



















大きなヘチマ衿がなんとも美しい。


















こちらは一番上を留めた状態で衿を立てた感じ。

少しマニッシュな雰囲気もあってこれまた素敵です。


















前を開け気味で着た時とは、横姿も随分と異なります。

こちらは前を開け気味で着た時のヨコ姿。

着物の衿のような抜け方がなんとも女性らしい印象です。



















袖周りの大きさもあってかっこいいゆとりです。






















こちらはベルトも少し垂らして絞らずに着てみました。

これ、個人的には好きな着方です。


















こちらはベルトを後ろで結わいた着方です。


























前を開けて着ています。

これも衿のニュアンスがいい具合に出て、とてもかっこいい。

春先に明るい色味でスタイリングしてもいいでしょう。































ラフに着た時に、布地の高級感が光ります。























ピンクベージュはMサイズで大きめに着てみました。

このサイズがジャストで着られそうな体系の方はいらっしゃらない

ようにも思いますので、(外国人でも大き目です)

「大きめに着ても素敵」という提案だと思ってみてください。


















これはどちらを選ぶかは、好み意外にないでしょう。

袖も長いですから、袖口のタブを使ってキュッと留めています。






















こんな感じです。




















まくってもいいですね。




















海外の古着屋でどうしても着たい素敵な洋服に

出会ってしまったときのことを思い出します。

もう洋服に自分を合わせていく感じ。

すごく楽しいのです。































ボタンを一つだけ留めてゆったりマントのような感覚で

着るのもかっこいいですよ。



















Mサイズで前を開けるとかなり大きめな印象です。




















しかし大迫力で魅力的。





















生地の上質さやデザイン、仕立ての良さは、ラグジュアリー

ブランドを手にした時の重厚な感覚を感じ得る。

そこにカジュアルに着ていただく汎用性が加わることで、

洋服を着ることの楽しさや奥深さも感じられる。

ちょっとした着こなしの工夫を自身ですることが楽しくなる。

そこで得た感覚は、きっと他のお洋服を着た時にも生かされる。

スタイリングにも厚みが出る。

着ることがもっと楽しくなる。

そんなコートです。