2022年12月24日土曜日
もっと軽やかに。もっと楽しく。
2022年12月23日金曜日
一生ものになりますように。
SP(エシュペー)デザイナーの赤丸さんといえば、、
最もデザイナーに見られないデザイナーとして自他ともに
認めているところだと思います。その点においては聞けば聞くほど
楽しいエピソードがたくさん出てきますが、実は赤丸さんには
ファッションデザイナー以外にも活躍の場があるのです。
少し近い職種ですが、彼はテキスタイルデザイナーとしての
側面も持ち合わせています。
元々コレクションデザイナーとして活動していた時代から長く、
生地産地の機屋さんと密に関わる中で、一緒に企画を出し始めたのが
きっかけで今も続いてるそうですが、SPの洋服作りには彼のその
キャリアが大きく貢献していると思います。生地のことを喋り始めると
ますますファッションデザイナーに見えないほど楽しそうに話します。
毎回、いくつかオリジナルファブリックを手がけていますが、
今回はこちらのコート地がそうでした。
ステンカラーコート
Beige ¥104,500(税込)
お値段に少しひるみますよね。お店でもそうです。
すごくシンプルなのに存在感があるので皆さん気にかけてはくれるのですが、
お値段を見て驚きます。普段から高い生地や洋服を触っている僕ら洋服屋のような
人たちは、触って組成を聞いたらある程度のお値段は覚悟しますが、お客様は
驚く方が多くて当然かもしれません。
そうなんです。彼の作るオリジナルファブリックはいつもそうですが、
面白いほど玄人好みで伝わりにくい。。
今回の生地は、経糸にウールの双糸と単糸を引き揃えて緯糸にリネンを
使用しています。しかも織り上げたのはドイツ製の古いシャトル織機、
ションヘル織機です。尾州や一ノ宮など、国産の高級スーツ地などで
使用される低速のシャトル織機です。現代の大量生産向けの超高速織機と
比べると、1日に織り上げる量は10分の1程度とも言われますが、
ゆっくりと織り上げることで、原料に負荷をかけず、空気をしっかりと
はらみながら織上がるので、仕上がりがふっくらとした、ヴィンテージの
ような風合いに仕上がるのです。
お客様も「何か違う」「何かいい」と思って手に取ってくださっているのだと
思いますが、まさに生地へのこだわりが滲み出ているのかもしれません。
ように小さなマチが施されています。
後ろのベントには付いているものも多いのですが、前は見かけません。
ブラックです。
必要最小限のミニマルなデザインがクラシックな雰囲気をさらに
高め、この生地の存在感を引き立てているように思います。
経糸のウールの軽さに、緯糸のリネンの重さが加わることで
程よいドレープ感が生まれ、着れば着るほどにしっとりとした起毛感が
より一層の上質な風合いをもたらすことでしょう。
100年以上前の織機で織り上げた素晴らしい生地は、まさにヴィンテージが
現代に蘇ったかのような迫力を持ち合わせています。
インナーの明るい色もあって、春のような雰囲気もありますが、
半分近くリネンの入った軽めのステンカラーコートは、
冬よりもむしろ春の方が活躍するかもしれません。
上品なカラーではないでしょうか。
一枚袖ラグランは肩のあたりをスッキリ見せるのが難しいように
思いますが、生地とのマッチングもあってとても綺麗です。
春は真っ白のTシャツに着てもカッコ良さそうなコートですよ。
ごめんなさい。もう頭が半分春に傾いておりまして。。
ブラックはデニムやチノカラーでもかっこいいかと思いましたが、
シックで上品にオールブラックでまとめました。しかもワンピースで。
赤丸さんは、初めてコレクションを拝見した時から襟に特徴と癖のある
デザイナーさんだと感じていましたが、これだけシンプルなものを
作っても、やっぱり襟には雰囲気を感じます。
閉めても開けてもかっこいい。
某有名ブランドのもので、もう20年近く愛用しています。
その次に長く着続けているのは、お店を始めた際に購入したHonnteの
裏地付きのショールカラーコートです。ちょうど10年着ています。
その2つは両方冬のコートではあるのですが、見た目もスタイルも
全く異なりますし、着る季節も微妙に違います。
Honneteのショールカラーコートは薄手で羽織る感じで着たいので、
今くらいまでは着ますが、1月、2月は着用回数が激減します。
でもそれでいいかなと思ってコートは買っています。
そればかり着てしまうとコートの寿命は短くなりますが、数着の
お気に入りがあることで、その全てが一生ものになるでしょう。
SPのこのコートも、誰かの一生ものになりますように。
2022年12月22日木曜日
上質な手仕事服
お店に並ぶほとんど全てのお洋服は、既製品とか量産品と括られます。
いわゆる工場で複数生産するものは、生産数が10点でも1000点でも
量産品、既製品となるわけですが、 ここ数年、インドの手仕事などが
注目を集めたこともあり、量産品の中に従来の既製服にはないような手仕事を
織り交ぜた中間的な商品が少し増えてきたように感じています。
今日はそのようなブランドの先頭を走る、先駆的デザイナーのお洋服、
「khaki & co(カディーアンドコー)」から、まさに手仕事が光る羽織コートの
ご紹介です。
KHATMA ウールショールカラーコート
¥90,200(税込)
お値段に少し戸惑いながらも、、
ものすごく好みの素材、デザインでしたのでお取り扱いをいたしました。
サイズは2サイズあり、155cm前後の方はS、165cm前後の方はM
といった感じです。そういうと、160cmは?という質問が頭に浮かびますが、
これに関してはSでよろしいかと思います。
しかし要所要所でデザイナー、ベス・ニールセンのセンスが光ります。
裾まわりと襟裏、袖口裏に黒の別布があしらわれています。
このような端々に見返しを作ることで、しっかり感や高級感が
確実に生まれます。
こちらが襟裏で、ネックの裏側まで同じように続きます。
裏が付くことで、襟全体がふっくらとする反面、
着用するとラフにそり返り、ブラックの別布が見え隠れしたりします。
こんな感じで、基本的にラフな仕上げのデザインです。
手つむぎ、手織りのウールです。
ざっくりとして着るほどに出る味わいが十分に想像できる素敵な布地。
ウールですから起毛して、少しふんわりとしてくるのでしょうが、
経年変化を辿っても常に上質感のあることが伺えます。
活躍します。インナーにウールのワンピースやセーターを上手に
使っておしゃれを楽しんで欲しいお洋服です。
僕はワンピースやスカートに合わせるのがいいかな?と想像して
展示会で見ていましたが、khadi & coのフランスのお店のスタッフの
方たちは、カッコよくワイドストレートのパンツなどで合わせておりました。
ということで、、先日追加でパンツでも撮影を。
ゴーシュのアルパカウールのタートルネック。
今の時期はこれでストールを巻けば日中のお出かけなんかは
十分かとお思いますし、車での移動が多い方は問題なしですが、
この後の最も寒い1月、2月にもこういった薄手のアウターを
楽しむために何かないかしら?
と考えていたところ、、ありました。
さまざまな使い方を楽しめるショールは、このような
薄手のアウターと合わせると最高におしゃれ。
ポンチョのような感覚でコーディネートができたり、
また、ウェストでキュッと結いてお洋服のような感覚で
着ていただける楽しいショールです。
先ほどのワンピーススタイルに組み合わせてもかっこいい。
こちらは、明日か明後日にはご紹介できそうです。
楽しみにお待ちください。