2012年2月28日火曜日

大切にしたいこと

僕は洋服屋です。

間違いありません。

ただ・・、洋服売りにはなりたくない。

ずっとそう思っていた。

重要なのは、空間、音楽、香を

洋服や小物と一緒に提案できる場所をつくること。

重要な要素である香りの中から僕が選んだものは

「Dr.Vranjes(ドットール・ヴラニエス)」

というイタリア、フィレンツェ生まれの本格派フレグランス。

今日、SHOWROOMに行ってきた。
















1種類づつ丁寧に香りを確かめながらお話した。

かなり気持ちが高まった。

数年前、仕事でフィレンツェを訪れた際に泊まったホテルで

使っていたのが「Dr.Vranjes」だった。

海外で仕事をすると心身ともに疲れるが、

そのホテルの香りはなんだか好きで心地よかった。

その時からフレグランスに興味を持ち始めた。

半年後、出張先で何か気になるフレグランスがあるな、

と思い購入したのが、このブランドだった。

Dr.Vranjesは薬剤師としてエッセンスの抽出を

研究し始め、彼の感性で天然素材と合わせることで

心地いい香りをつくりだす。

今もフィレンツェの研究室で全工程が手作業で

1点づつ丁寧に作られている。

香りもやはり作り手の情熱が伝わるものは素晴らしい。

2012年2月24日金曜日

忘れられない時

きのう最終施工がほぼ終わりました。

1日中展示会で現場にいられなかったのが残念です。

床に塗装をかけ、いい雰囲気になりました。
















そして今日、いよいよメインのカウンターと照明が入りました。


























最高です。

洋服のない空間でしばし、いい時間を過ごしました。

皆さんそうかと思いますが、小学校の遠足の時

学園祭の時・・・、準備が楽しいのです。

感性を研ぎ澄まし、カタチにしていく。

もう二度と味わえないこの時を大切に過ごしたい。

2012年2月21日火曜日

入りたくなる部屋

試着室ができてきた。

「入りたくなる部屋」を目指して

試行錯誤した。

無相創ヨネハラさんのおかげで

かなりいいものができてきた。

























実際に施工してくれたのは木工作家の石井さん。

普段は御殿場で御自分の工房を持って家具を作っている。

これは木工作家さんの仕事なのか?

完全に部屋だぞ?

という疑問はヨネハラさんには通用しない。

ヨネハラさんは、たまに「え~!」

という仕事を依頼してくるらしい。

しかしそれが、、、結果としてとってもいいらしい。

勉強になるし、励みになるし。

僕らもいつかヨネハラさんの一張羅になる服を作りたい。

2012年2月18日土曜日

祭りのあと

いよいよ中盤をむかえ、だいぶお店らしくなってきた。
今まで毎日のように何人もの人たちがワイワイしていた現場が今日の夜はまるで祭りのあと・・・。
ちょっとさびしいなぁと思いながら、店内を撮影してみました。















ファザードです。いいかげん携帯での撮影に限界を感じます。
Atelier Vegaさんが作った鉄フレームに自分たちで塗装をしました。















レジカウンターの上に釣り棚を設置。
木は古材を自分たちで調達してきました。















きのう紹介した清水さんの壁。
絵を描くように壁を作っていきます。
大きな面の壁ですが、写真では良さが伝わらないのでちょっとだけ。















弟が作ってくれたハンガーラック。
心地いい揺れ具合です。
















いい感じで壁面と同化したスポットライト。
ヨネハラさんから頂いたスポットを全塗装しました。

同時進行でホームページの作成をしています。
http://www.f6products.com/

まだ調整中ですが、本日アップしました。

壁面アーティスト

夢や目標のある人は輝いている。
自分もそうありたい。
この方も輝いている。






















写真が輝いているのは、僕の写真が下手だから。
いわゆる左官屋さんが使う道具を使って、いろいろな素材をあやつり、壁を作りだす。
もともと塗装工からスタートして、海外でいろいろな経験を積んで現在はフリーで活躍している。

これから自分がやらなければならないこと、やっていきたいことをしっかり持っている。
それがなきゃ自分でやる意味はない。どうしても表現したいことがあるのだ。
今回の仕事では存分に表現してほしい。時間の許すかぎり。

かっこいい壁を作ってください・・・清水さん。

2012年2月12日日曜日

むきあう人たち

職人さんや作家さんはすごいな・・・とつくづく感じます。
「いいんじゃない・・・べつに」みたいなものがない。そういう人もいるかもしれないが、今の僕の店の現場には少なくともいない。みんなよりいいものを求めて取り組んでいる。
大いに共感できる。ラフな雰囲気で仕事をするのは大好きだが、気持ちで先に限界点を決めてしまうのは大嫌いだ。その時点で絶対にそれ以上のものは生まれない。生まれるはずがない。
小さなことでもそう思う。

お店にいよいよファザードが入った。
これが入るとやっとかっこがついて見える。立ち止まって見る人も増えてきた。






















まずは総がかりで鉄の柱を立てる。大きな鉄の材料を相手に「あと2ミリこっち!」とか言っている。
















ミリ単位での調整をしながら、溶接していく。
躯体のほうが曲がっているので調整には多少難航していた。


一方で弟のほうは配管をいじり始めた。
春から独立して設備屋を営んでいるため、応援に駆けつけてくれた。
見ているととにかく仕事が早い。しかも正確。
本人いわく、普段の3分の1程度にのんびりやっているらしいが・・・。























水道管は、もともとビルの設備についていた配管をそのまま生かすかたちでできるだけ見栄えよくやってくれた。「最初から俺がやればこんなみっともない配管にはならないのに・・・」とかブツブツ言いながらもきれいに仕上げてくれた。























ちゃんと流れそうもないデローンとした配管をこのとおりきれいに支持をとってくれた。
役所並みの器具を取り付けているらしいのでジャンジャン水を流しても全くピクリともしない。
目に見える配管は美しくなきゃいけないらしい。
見ていて気持ちがいい。

職人さんや作家さんたちは、自分の仕事にプライドを持ち、しっかりと向き合っている。
「まーいっか」の積み重ねが駄目なものになるのを心得ている。見習うところが多い。

2012年2月10日金曜日

ときどきpoefu

僕が独立してお店を出すと決めてから一番お世話になっている人が営むお店。
西荻窪にある「poefu(ポエフ)」。
僕が目指したいのは、

「どんなお店?」
「うーん・・・とにかく一回行ってみなよ」
と言われるようなお店。
できるだけ言葉でカテゴライズされたくない。
poefuさんはそういうお店だ。
つい先日、お店の家具や什器を大移動するということでお手伝いに行ってきた。














いい雰囲気のビル。
入口は「ガラガラとあける。チリーンと鈴が鳴る」
おそらくここからこの店の演出は始まっているのだろう。






一見、古道具屋か?と思わせる入口。























店内はだいたいごちゃごちゃしている・・・。
いやこれは・・今日は什器の移動をしているから・・・かな?
僕もそうだが、poefuさんに行きなれた人はついつい足元をチェックしてしまう。
またなんか新たに変なものを仕入れているのでは?という期待から。
洋服のセレクトも抜群だが、古いものを選ぶセンスもかなり好きだ。
ほとんど直球を投げてこない。全盛期の江川卓のようなカーブをよく投げる。
一瞬のけぞるが、何回か見ているうちに「あ~、ストライクか・・・」みたいなもの。
奥でニヤッとしているのがオーナーの柿本さん。























柿本さんお気に入りの引き出し。
どうやら引き出しが好きなようでこれ以外にもたくさん持っている。
洋服屋では一番使わないタイプだと思うのだが・・・、しかしかっこいい。





この前これを一人で持ったら大変なことになったとゼスチャーする柿本さん。
すごく大柄なのにお茶目な人です。
このお店からいくつかの古いモノたちが僕のお店にやってきます。
これからもときどきpoefuにおじゃまします。


2012年2月9日木曜日

まだまだ続く思い入れ

ドア、イスの剥離作業が終わり一安心していたが、実はこれが一番手ごわかった!
コンクリート壁の塗装落とし・・・。最初は「平面だし楽勝、楽勝!」などとほざいていたが
とんでもない!手はしびれる、握力は奪われる、危ない機材を使ってるのになぜか眠くなる。
終わった後は腕は上がらないし、耳鳴りはするし・・・。
作業中の相方を写真に残してみた。






















やりながら僕らもいろいろ考える。
どうしたら楽にできるか?聞こえは悪いがこれが非常に重要だ。
まずはグラインダーの刃が重要だということに早々に気がついたぼくら。
あらかじめ何種類か買ってきていたのでいろいろ試してみる。
もちろん楽をするために。良い言い方をすると作業効率を上げるため・・だが要は楽をしたいのだ。
そのために考えることが重要だ。開始2日目でいい刃に出会った。一個1800円するものから150円のものまでいろいろ使ってきたが、一番長持ちして一番自分たちのイメージ通り削っていけたのは
「アルミ・鉄などの塗装落とし 中目」という390円の刃だった。コンクリート用でもないし、高くもない。
何が何に合うのかはやってみなければわからない。
そんな作業を2時間も続けるとこの通り。























これは古着ではありません。
ホームセンターで買ったばかりの新品です。
こんな作業を3日間続けた結果、こんな壁が出来上がった。



2012年2月5日日曜日

嫁入り道具

数日前から必死になって削っているイスがある。
今からおよそ40年近く前、僕の母が結婚してしばらくしたころに購入した北海家具のダイニングセットがあった。母曰く、「嫁入り道具のようなもの」。
僕にとっては子供のころからなじみのある物で、愛着もある。

ひじ掛けのついたものは父と母のいす。
ひじ掛けのないものは、僕と弟のイス。

父が他界した後、ひじ掛けのイスは一つあまり、お客様用となりいろいろな人たちが座ってきた。
その一つを今回オープンするお店のお客様用のイスとして使うべく、お店になじむように塗装を落とすのに苦労していた。そしてついに完成!






















濃い茶だった塗装をここまではがすのに苦労したが、いい雰囲気になった。
わざと少し茶色い部分を残してみた。
生まれ変わった椅子が、3月8日にオープンするお店の嫁入り道具となった。
これからたくさんのお客様が座ってくれることだろう。

2012年2月4日土曜日

ムゲンニカタチヲツクルところ

昨日は作業はほどほどに打ち合わせがメインの1日だった。
内装をお願いする無相創のヨネハラさんといろいろな打ち合わせをした。

ヨネハラさんは無相創を西荻窪で営み、世田谷でENSYU(えんしゅう)というお店も営んでいる。
古いものをお店で販売したり、古いものを使っていろいろなものを作ったり、個人宅からお店のリノベーションまで運動量の多い人だ。蒸気機関車のような・・・。

パワフルな印象の強い方だし、お店の名前が無相創(ブアイソウ)。
ところがヨネハラさんの手から生まれるものは非常に繊細だ。うつくしい。





自宅を改装して2階建てでいろいろなものを紹介している。
この階段もかっこいい。




2階へあがるとすぐに迎えてくれるのが「シートップ」という素材を使った左官の壁。
雰囲気がある。






鏡に施されたコケとお花のオブジェ。最高です。






















ここがヨネハラさんの秘密基地。ここからいろんなものが生まれるのでしょう。
























これが僕のお店に取り付ける特大の工場系の照明器具。
ほかにもオリジナルのテーブルなどいろいろありますが、たぶんお願いすればなんでも作ってしまうんじゃないだろうか・・・この人は。さすが「ムゲンニカタチヲツクル」ところ。



2012年2月2日木曜日

書類

ここ2日ばかり書類を集めたり書いたり送ったり・・・。
法人の登記を開始してからいろいろな書類を提出してきた。
今日も朝から通帳の記帳をしたり振込をしたりした後、公庫の借り入れの面談に出かけ、その帰りに馬車道の法務局に行った。
お店で一部古着や古いものを取り扱うため「古物商」の認可を受けるためだ。
そこで必要な書類の一つがこれだ。




「登記されていなことの証明書」
すごい名前の証明書だな・・・と思いながら、どんな証明書なのかもわからず調べもせず申請書を出して窓口ですぐに発行してくれた。いったい何の証明書なのか?
べつに調べなくても問題はないのだろうが、そういうのは嫌いだ。気持ち悪い。
だったら申請する前に調べればよかったのだが、時間がなかった。
調べるとどうやら認知症など精神的な障害により判断力が低下していることを親族などが家庭裁判所に申し立てをした際に、たしかにその通りだという証明のもと登記されるらしい。
つまりこれは、「私はそのような登記はされていません」という証明書だ。
なるほど・・・、お役所の管理もなかなか大変だ。こんな証明書があったとは・・・。
国家試験などで何かの免許を取得した際にも必要らしい。医師免許とか薬剤師の免許とか。

しかし古物商にこの証明書が必要なのか?
鑑定したりするときには必要か・・・。
もう二度とお目にかからないかもしれない証明書なので写真に撮ってみました。

夕方から夜までまたもや削る作業に没頭していたので、もう一息でイスが完成します。
おたのしみに。