2018年11月27日火曜日

夢の共演

プロ野球やサッカー、テニスなど、

スポーツ業界をはじめ、ミュージシャンなども

「夢の共演」には心が躍る。

いったい何が見られるのかって期待する。

大袈裟に言うと、宝くじと同じで、

その期待にお金や時間を費やすといってもいいくらいだ。

現在、秋冬しか活動していない「ITOI~糸衣」は、

洋服業界ではまさに夢の共演と言えるかもしれない。

日本で初めてカシミアの紡績に成功した東洋紡糸と、

イタリアのミラノを拠点にして、世界的に活躍する

ニットデザイナー、YURI PARK。

この2者が共演することで成り立っているのが、

カシミアを主力としたブランド、「ITOI」です。

やや高額ではありますが、その品質は日本最高峰と

言っても過言ではないでしょう。





















ITOI~糸衣

TOYO  20/2ファーカシミアラグランセーター

¥41,000+tax

















カシミアは原毛が細いため、ファー加工は無理だと

されているが、昨年、東洋紡糸が世界に先駆けて

完成させたのがこちらのファーカシミア。

紡績の段階で工夫が成されているため、

毛がやたらにつくことはない。

ご想像通り、信じられないほど

しっとりとしなやかなタッチです。





















デザインは、ラグランスリーブのシンプルな

デザインで、YURI PARK さんが監修を手掛けている

だけに、長く愛用できるであろう素敵なシンプル。

着丈が少し長いという声もございましたが、

今回は、今までより少し短めになっております。





















裾と袖口はこのように編みかえられています。

とても上品な仕上がりです。

写真ではお伝え出来ませんが、

微妙なカーブを減らし編みによって表現した、

高度なホールガーメントの技術を駆使しています。

















もう一色は、竹炭と呼ばれるチャコールグレー。

濃色のほうが、よりファーの特色が色濃く出るかもしれません。





















スッキリしたシンプルなデザインですので、

ベーシックなスタイリングに、素材感の面白さで

凹凸感を出してくれます。
















ライトグレーも、通常のものと比べて、

格段にキラキラした女性らしい印象をもたらしてくれる。















真冬までは、上にジャケットなどを着ていただければ

十分に温かい。





















よりコントラストの大きな、

ブラックとの組み合わせ。
















ボトムスはコットンのコーデュロイなのだが、

ボトムスまで上質感がアップして見える。















上からゴーシュのWOOL のロングコートを

着てみれば、シンプルで上品な大人の女性に向けた

カジュアルスタイルが完成です。





















チャコールグレーは、もこもこした

可愛らしい素材感のパンツに合わせて。
















近しいけど違う印象を抱く二つの素材を

上下に着る。

まさに動物になった気分でしょう。





















同系色のWOOL のパンツに合わせれば、

少し上品なカジュアルスタイルに。
















コートやジャケットのインナーとして、

明かな美しい艶感をもたらしてくれる。

「東洋紡糸 × YURI PARK」が放つ夢の共演。

ITOI collection by YURI PARK を今年もお楽しみください。

一度味わったらやみつきの心地よさですよ。




2018年11月26日月曜日

暮らしとおしゃれの編集室















暮らしとおしゃれの編集室」の第68回目の

連載が更新されております。

ぜひ、ご覧ください。



2018年11月24日土曜日

ふわふわつるつる

表情豊かであるということは、

人に限らず素敵なことであると思います。

表はふわふわ、裏はつるつるのズボンです。





















FIRMUM

ウールコットンテーパーパンツ

¥26,000+tax





















ウールとコットンの縮率の違いを利用した、

ウォッシュド仕上げのウールコットン素材は、こう見えて綾織物。

しっかりとしながらもふんわりとした仕上がりです。

そして、裏地は同ブランドおなじみのキュプラ素材。

もちろん、はだざわりはつるつるです。

コートを履くような感覚のズボンです。





















デザインは、アナベルでも何度か異素材で

ご紹介しているテーパーギャザーパンツ。

ふんわりした提灯シルエットが可愛らしい。





















カラー展開は、左から

ネイビー、キャメル、オフホワイト





















オフホワイトには、同じく表情豊かな

ファーカシミアのセーターを。















ふわふわ×ふわふわだったので、

くつはつるつるにしてみました。















妻の身長で丈はジャストなのですが、

この色は少しロールアップしてみました。





















ネイビーはストライプのブラウスに合わせて、

裾はそのままで。

少し靴に触れるくらいの丈感です。















ギャザーたっぷりの遊びのあるテーパーシルエット。















裏地付きというのは、温かさがあるだけでなく、

このようなデザインのお洋服の場合、

理想的なシルエットを長期的に維持することにも

役立っています。ひざが出る出ないということもありますが、

それ以上に、表地だけでは維持できない張り感のような

ものをもたらしています。





















キャメルはまたロールアップしています。

155cmの妻で2回折り曲げた感じです。















どの色にしてもふんわりと表情があるのですが、

オフホワイトとキャメルは、とりわけ動物のイメージと

直結するからか、なんだかなでてみたくなる。















ロールアップした際にチラッと覗く、

パイピングテープもいい感じです。















ベージュ×ブラックが大人っぽいカジュアルな

配色としてお勧めだという話は何度もしていますが、

若干違う、キャメル×ブラックも、やはりかっこいい。

形のいいゴーシュのシンプルなタートルニットを合わせています。















急激に寒さが増してまいりました。

ふわふわとつるつるのパンツ、いかがでしょう。

真冬にさらにアンダーパンツを着用する際も、

このつるつるがいい具合です。

ウールコットンが半々くらいの混率ですので、

見た目にも体感的にも、今時期から春先まで、

ずっと活躍し続けるパンツになりそうですよ。



2018年11月23日金曜日

正解のひとつ

バイヤーとして展示会などで商品を見たり、

デザイナーと話をしたりしていて、

とても魅力を感じるポイントの一つに、

新しいものを追及はしつつ、

いったい新しいものってなんだ?っていう

疑問符をぶら下げながら、

トラディショナルに一定の敬意を払い、

そこからの気づきや、現代を生きるデザイナーなりの

トラディショナルとの付き合い方を考えている、

ということがあげられる。

やはり、トラディショナルとして括られる、

いわば、長年の実績を持っているものへの造詣が深い

デザイナーが作るものからは、新しさと同時に安心感も

感じられるように思う。





















ゴーシュ

ウールチェスターコート

¥60,000+tax





















純血の英国羊毛としては最古の羊毛である、

チェビオットウールを綾織りした素材を使用している。

昔ながらな、ざっくりとした毛並みを感じさせる

タッチと、高い防寒性とは裏腹な軽さ。

しっとりとした現代的な素材感も魅力だが、

徐々に世の中から無くなりつつある、

トラディショナルな英国羊毛のこの雰囲気が、

たまらなく恋しくなることがある。





















いかにも丈夫そうなツイード生地は、

一昔前を連想させるようないで立ちだが、

着ていただいた時の佇まいは、最高にかっこいい。





















こちらがネイビー。

色は合わせやすいチャコールグレーと

ネイビーの2色展開。

















襟を立てると、裏に付いた釦を付けることで、

ネック周りの防寒もできる。

これも昔のツイードジャケットなどには必ず

見られるデザインです。





















ネイビーも数色の糸が織り交ざり、

印象としてはややグリーンがかったネイビーです。

とても素敵な色合いかと思います。





















妻を見ていて感じます。

普段はカジュアル主体の人も、

冬はコートしだいで、少しシャンとした

雰囲気になるのかもしれません。




























TRAVAIL MANUEL のコーデュロイのワイドパンツに、

ITOI のファーカシミアを合わせ、その上からコートを着ています。

シンプルですが、コーデュロイやファーカシミアの質感と、

しっかりとした英国羊毛の風合いが重なり合い、

女性らしさと品格のようなものを重層的に感じます。

黒のパテントシューズも利いています。















ひざ下のコートをワイドパンツで。

今年の冬はロールアップなしでスタイリング。

バランスに変化をもたらしてみました。















前を開けても恰好の付く、素敵なウールのコートです。





















こちらはネイビー。

ネイビーは、TRAVAIL MANUEL の

圧縮ウールの裏付きパンツに合わせて。
















少し肩が大き目で、ナチュラルショルダーの様に、

キュッとしたに沈み込むように落ちる感じが、

これまた女性の華奢さが出てかっこいいデザインです。

一見、肩が大きめに見えるのですが、大きめな身幅との

バランスも手伝って、全体的にはすっきりとかっこよく、

そしてとっても、女性らしい華奢さが出るコートです。















靴をヒールではなく、R.U. の革靴で合わせることで、

少しいい具合に個性的な仕上がりになる気がします。















現代的な、ちょうどいい丸みを帯びた印象の佇まい。

素材がトラディショナルだからこそのバランスかと思います。

比翼仕立てで、ボタンが見えないのもいいのかもしれません。















「ずっと着ていけるいいコートが欲しい」

冬にはよく聞くフレーズです。

基本的に、冬のコートは収納に場所も取りますし、

皆さんが毎年買うような商品でもないので、

「ずっと着ていける」というフレーズは意識して

バイイングしています。ですから、どれを手に取っていただいても、

ある程度の年数は気に入って着ていただける自信はあります。

中でも今回のこのゴーシュのコートは、トラディショナルな

英国羊毛のツイードですから、単純に生地が丈夫です。

そして、いい生地は見た目も上質なものなのです。

しなやかなメルトンとは対極にある風合いですが、

手に持ってかさばるようなこともなく、

着た時の重さも感じることのない、

本格的なツイードコートです。

「ずっと着ていけるコート」

の一つの正解であると思うのです。