2016年2月28日日曜日

どっち派?

アナベルは、男性二人による

レディースのセレクトショップ。

いい意味で主観はなく、

客観的妄想劇からセレクトされた洋服を

そのシーズンになって目の前にしながら、

スタイリングを作っていく。

自分たちが着ない分、

果てしなく自由である。

一つの洋服で可能なスタイリングの

幅を探るのは、きっとファッションの

楽しみの一つであろう。

今日は、この洋服で、

少し雰囲気の違った二つのスタイリングを

ご紹介します。






















susuri

ドロシーシャツコート ¥32,000(税抜)

ドライコーン

















わずかに赤みを感じるカーキベージュ。

11個も付いたコートにしては小さ目なボタンと、

開襟シャツのような襟のデザインが、

なるほど、シャツコートか。。

そう思わせる。






















ブラック

















長めの共布の腰ひもは、その細さや長さが

susuri のらしさを醸し出す。






















そして、このコートのもっとも大きな

特徴である後姿。






















susuri のアイコンともいえる、

必要以上に細長い襟釣り。

そして大胆な分量のギャザー。

この個性は、着方次第でいかようにもなる。


この二つのコーディネートが、

一人の女性の中に存在することが

あるのだろうか?

あってほしいな。

そう思いながらスタイリングしました。
















スカートスタイルでドライコーン。






















サマーウールのプリーツを

少しガーリーな足元で、トラッドに。


















少し控えめにゆるくヒモを結ぶ。






















後のふくらみも、控えめです。
















今シーズンもキーアイテム、

ワイドパンツにブラック。






















インナーにはGASA* のストライプを

のぞかせて。
















思い切って、キュッと縛ると、

分量感のあるギャザーは主張し始め、

大きな襟釣りはより一層の存在感を発揮する。






















少し個性的なオールブラックコーディネート。

どちらの色で、

どのようなスタイリングを作るかは、

人それぞれ。

いい意味で主観のないアナベルは、

素直にどっちもいいな、、と思いながら

スタイリングを作っている。


皆さま、どっち派ですか。



2016年2月27日土曜日

お知らせ

「暮らしとおしゃれの編集室」

の連載ブログが、

本日更新されております。

ぜひ、ご一読ください。


annabelle


2016年2月26日金曜日

キラキラ星


「素敵」であることをフランス語では、

「シック」と呼ぶ。

その許容範囲は、とても広く、

ややおぼろげでもある。

なんとなくモノトーンだったり。

少しマニッシュな着こなしの女性や、

シンプルですっきりした装いの女性に

多く使われている気がする。

ガーリーやフェミニンな装いは、

あまり「シック」と捉えられない傾向にある。

お店でハンガーにかかったこの洋服を見て、

多くの人がフェミニンやガーリーを思い浮かべる。






















GASA*

レース箔プリントスカート

ホワイト ¥50,000(税抜)

GASA の商品は、どれをとっても

既製服とハンドクラフトの境目を感じる。






















スカートの半分くらいのところまで

レース生地がたたきつけられている

扇のような弧を描く端の処理は、

切りっぱなし。

生々しい生地の感覚が伝わってくる。

















とても大胆で、

とても繊細で、

とてもかわいらしい。

















スカートの上のほうには、丸型にカットされた

ヒラヒラの生地が、花のようにミシンで縫い付けてある。

既製服として成立する、スレスレのデザインが楽しそう。






















お尻には、キラキラの箔プリントが。

そう、GASA* のお洋服は、

どれをとっても楽しそうだ。






















ウェストの後ろ側に共布の包みボタンが。

サイドにゴムが入り、ある程度アジャストしてくれる。
















ゴーシュのシャツにゴーシュのジャケット。

そして、GASA* のスカート。

なんとも贅沢なカジュアルスタイル。






















迫力のあるレース使い。
















白いR.U. のメダリオンシューズに合わせて。

靴を変えるとまた少し違った印象に見える。
















箔プリントがきらりと光る後姿。
















シャツやブラウス、カットソーをタックインしても素敵です。






















ポケットも付きます。

裏付き、、というよりも、

スカート本体の薄いガーゼ素材に、

それよりも厚地のレースをたたいてある仕様。

よって、上からレースがたたいていない上のほうが、

透け感がある。

でもそこには、花のようなまるい生地が。。

そんなスカートです。


GASA* の展示会に赴くと、

アトリエショップの内装のカッコ良さ、

洋服を引き立てるかのようなシンプルさのなかに、

ドキッとするディスプレー。。

そのセンスの良さには驚かされる。

その空間に、キラキラ星のような素敵な服を、

さらっと着こなすデザイナーの五十嵐さん。






















「シック」とは、その様子を表す

言葉だから、、

身に付けているものが何であろうが、

その人から感じられる様子がシックであれば、

それは、シックなのであろうと感じさせられる。


GASA* を生み出すデザイナーさんは、

とてもシックで、楽しく洋服と向き合う人なのでしょう。

その気持ちは、きっと着る人にも伝わるはず。

そう伝えたいと思って作っているのがひしひしと

伝わってくる。

キラキラ星のような洋服だ。


2016年2月23日火曜日

お知らせ

営業日変更のお知らせをいたします。

アナベルは、水曜日が定休日ですが、

3月2日(水)→ 通常営業

3月3日(木)→臨時休業

と、させていただきます。

よろしくお願いいたします。

annabelle


2016年2月21日日曜日

はずむシャツ

最近は、今はなき「糸衣」のカシミアが活躍している。

よく、着ているので、手にもつ回数も多い。

先日入荷したゴーシュの一連の商品の中に、

この糸衣のカシミアと似たような感触の

商品がある。

それがこちら。






















ゴーシュ

ヘリンボーンカディ ノーカラープルオーバーシャツ

ホワイト ¥22,000(税抜)

糸衣のカシミアは、60番のハイゲージ。

こちらはカディーコットンのヘリンボーン。






















まったく原材料は違うのだが、、

畳んで持った時に手に残るその感触は、

最近、毎日感じているカシミアのあの触感に似ている。






















チャコール






















細番手の甘いヘリンボーン織。

水分と空気をしっかりと含んだ状態で、

ゆっくりと織り上げられたカディーならではの、

もっちりと、しっとりとした弾力を感じます。






















そして、この長くて細い前立てが、

とてもとても印象的です。

そんな定義は聞いたことがないが、、

長く細いことで、女性らしい顔つきになる。

前立てが短いと、きっと少しメンズライクな

印象になるような気がする。


最近、とんこつラーメンの夢ばかり見るという

妻に着てもらいます。

















この日の撮影はとても寒く、、

帰りにとんこつラーメンが食べられることだけを

支えに頑張った妻。

渋谷の「凪」(なぎ)というお店で、

目を点にして食しておりました。

替え玉をするかどうか5分迷ったあと、

僕の替え玉を少しよこせと言い出した。

それから、よく夢を見るという。

なんか、、春ですね。。






















バストには少しゆとりがあり、

着丈もやや長めな新作のシャツ。






















こんなに心地のいいシャツを、

一枚で着られる季節が待ち遠しい。
















通常のシャツより、3cmくらい丈が長く、

後は、妻でお尻が隠れる程度の長さ。
















チャコールは、ゴーシュの定番のカツラギパンツに。






















定番とはいえ、、

実はアナベルでの展開は初めて。

なんでだろう。

さぁ。。






















なんかスラっと見えるスタイリング。
















これはたしか、、

この日の最後のワンカット。

もう、妻の頭の中はとんこつラーメンでいっぱいです。
















細い糸の手紡ぎ手織り。

甘く織ったガーゼのようなヘリンボーン。

着てしっとりと肌触りが良く、

手に持てば、カシミアのようなもっちりとした弾力が。。


それはもう、、心もからだも、はずむシャツ。




2016年2月20日土曜日

エレカジ

最近の略語やSNS 特有の

言い回しは、僕には全く分からない。

壊れたら買おうと思っているが、

一向に壊れないので、いまだガラケイ。。

何でもすぐに壊す妻は、すでに2代目のスマフォ。


略語といえば、パッと出てくるのは、

90年代初頭の「シブカジ」くらいだ。

ひょっとしたら、ファッション業界の一大ブームは、

この「シブカジ」が最後だったのかもしれない。

みんな、同じ格好をして歩いていた。

その後は、セレクトショップブームを挟み、

裏原(うらはら)やサブカル的なミニマルなブームへと

変化を遂げ、そこから出てきたのが、「インディーズブランド」

と、呼ばれた人たちだ。

ちょうど2000年あたり。

ゴーシュやNO CONTROL AIRは、まさにその、

インディーズブランドの先駆け的存在なのでしょう。

ファッション業界の最も慌ただしい時代を通り抜け、

自らブランドを立ち上げ、

15年続けてきた彼らの洋服からは、

やはりただならぬ、迫力を感じます。






















ゴーシュ

7分袖エステルニット ¥27,000(税抜)

ライトグレー






















通常はスポーツジャージなどに

使われる、ポリエステルの糸が、

まさかこんな姿になるなんて。。






















ブラック

展示会後、、

「何が一番良かった?」

「あれですね。。」

「やっぱりね、すごかったね。」


何度も言うが、アナベルはとても小さなお店なので、

並んでいるものは、すでに厳選されており、

どれもがおすすめではあるのだが、

このエステルニットは、、

少し大げさに言うと、

度肝を抜かれた。

















見事な裾の仕上がり。。

天然素材が好きで、それをメインで作る彼らの

コレクションに入ることで、、

その美しさは何倍にも膨らんで見える。

だから、初めてゴーシュを買う人よりも、

ゴーシュの洋服をさんざん着てきた人に、

少量でいいからどうしてもおすすめしたい服だった。


もう2代目のスマフォも怪しい妻に着てもらいます。
















evam eva のリネンシルクのパンツにグレー。






















春らしく、全体に明るいコーディネート。

七分か八分くらいの袖丈だが、

妻が着るとジャスト丈。
















妻いわく、、

とても不思議な着用感だと。
















今までに感じたことのない着心地。

それもそうだろう。

通常のカジュアルウェア―の域を完全に超えている。






















体に布地が着く感覚がないようだ。






















体から離れたところで、

とてもエレガントに形成される。
















下にコットンの肌着をまとい、

その上から着てほしい。

フラットシューズではなく、代わりにヒールを合わせたら、

それはそれで、雰囲気がガラッと変わることでしょう。

そして、ゴーシュの真骨頂は、、
















カジュアルなスタイルの中にこそ、

こんなにもエレガントな洋服を入れてみること。






















15年かけて熟成した彼らの感覚は、

おとなの女性にこそ表現できる、

素敵なカジュアルスタイルを実現させる。
















ちなみに、、

トップスがブラック。

ボトムスがカーキベージュ。

シューズがホワイト。

この色合わせは、15年前に自身がやり始めて、

いまだに、一番の大人配色。

カジュアルを大人っぽく見せたい時には、おすすめです。

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エレカジです。