2020年11月30日月曜日

長い前置きとおまけ

今シーズン、店頭であっという間に完売してご紹介が

出来なかった「khadi&co(カディアンドコー)」の

カディーコットンキルティングのstar pantsという名前の

ズボンがありました。ズボンで4万円程するそのパンツは、

見た目が素敵なだけでなく、キルティングということもあり、

今穿いていてもほんのりと温かい。。

何で温かいって知っているかというと、、展示会で僕の

穿けるサイズがあったので、オーダーして買いました。

ものすごくよく穿いていますので、高価ですが、

満足度の高いお買い物でした。

たくさんお洋服を買い続けていると、気に入って買うものの

単価がどんどん上がってくるのは、もうしかたない。

洋服屋だから。。

前置きが長くなりましたが、今日は別なブランドで、

Silk100%の総柄のキルティングシャツをご紹介します。























maison de soil
silk×cotton キルティングシャツ
¥37,000+tax

こちらもキルティングで、しかもシルクの総柄プリントです。

なかなか出会えるものでもないと思います。

表がシルクの花柄、中間はコットンのシャツ地、裏地はコットンローンの

3層のキルティングは、しなやかで少しふかっとした、

まさにほんのりと温かいシャツなのです。



















キルティングという時点でお値段が上がるので、

大抵はアウターやコートを作ることが多いのですが、

こういった天邪鬼な贅沢品は、洋服好きにとっては

とても嬉しい商品です。

実は、「ライナーですか?」と言いたくなるほど薄いコートが

あったのですが、それらはお洋服好きのお客様の手に渡りました。





















ふんわりパンツに合わせて。

















上から一重のツイードコート。

インナーにゴーシュのコットンカシミアのハイネックなどを

合わせていただければ、厚くなりすぎず、快適な重ね着。

もちろん、FACTORYのヤクのカーディガンを合わせてコートでも。

しかし実は、この花柄のシャツにこのツイードのコートを

合わせたのには、少し意味があってのことなのですが、

それは明日、コートのご紹介の際に。



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<おまけ>

今日はおまけで、これからご紹介予定のコートの

スタイリングをご覧いただきたいと思います。



















明日ご紹介予定のASEEDONCLOUDの一重のツイードコート。

こちらは同素材で、トレンチコートとジャケットがございますが、

そちらはまだ撮影が済んでおりません。


















NO CONTROL AIRのドレスラインコート。

彼らの展示会では、いい意味で以外で、気分の上がるコートでした。

春、秋、冬と使用できる、少し薄地のおしゃれなコートです。


















圧倒的な存在感は、GASA*のコート。

こんなにも個性的なのに、何年も飽きずに着てしまうのは

なぜだろう?買ったお客様が声をそろえてそう言います。

さすがは今年25周年を迎えるキャリアです。

















毎シーズン、トラディショナルベースで、少し遊びのある

コートを提案してくれる「BLUE BLUE JAPAN」のもの。

こちらはおとなしく見えますが、色違いがあるんです。

後日、できるだけ早くご紹介いたします。


















ARTEPOVERAのゆったりとした、ガウンのような

デザインの一つ釦コート。重ね着を楽しめるほんのりと

温かい高機能な中綿が入ったコートです。
















こちらはこれで3年連続のご紹介。

YARMOの中綿キルティングコートです。

1月に展示を予定しているsonorを手掛ける園田さんの

ご主人の方が、あまりに気に入って、まさかの

2年連続のご購入です。

身長170cm前後の方なら、男性も着ていただけます。

建前上は、レディースワンサイズですが、、、。


と、、このくらいにしておきます。

色違いや他の形もまだ少しございますので、

店頭に来られる方はぜひ。

来れない方のためにも、今週も撮影頑張ります!

おまけが長くなりましたが、

本日はこちらのシャツのご紹介でした。





























2020年11月28日土曜日

影の立役者

一年中、シャツに袖を通す僕にとって、WOOL地のシャツというのが

あったら秋冬はそればかり着そうだなっておもいつつも、

メンズではなかなかお目にかかれない細番手のWOOLシャツ。

コットンネルやC.P.Oは お洗濯も楽でカジュアルにいいのですが、

ベストを合わせたり、少しジェンダーレスなスタイリングも多い

僕には、やっぱり細番手のほうがいい。

実はこれのメンズが欲しいとずっと思っています。














maison de soil
woolミシン刺繍ブラウス
グレー、ブラック ¥24,000+tax


ふわりとした軽いウール素材の細番手のシャツは、

何気なく温かい、重ね着もできる、シャツ好きにはたまらない

秋冬に欠かせない存在となる1着だ。













コットンでは毎シーズンお馴染みの1着ではあるのですが、

WOOL地というのはまた格別です。ふんわりとした身生地に

施された重厚感のある手振りミシンの刺繍は、重ね着の

アクセントにもなり、スタイリングを助けてくれる。














グレーは、ふんわりパンツに合わせてタックイン。




























前回はシンプルにデニムなどに合わせてのご紹介でしたが、

特徴的なふんわりパンツに合わせても可愛らしい。





















裾を出して、ラフに着てももちろん素敵。

コットンで十分な実績があるだけに、シャツの形自体は

とっても扱いやすいデザインなのです。


















脇から見て、グッと上がるシャツテールも大好きです。

タックイン、アウト、両方楽しめるので、ボトムスは選びません。

スカートにタックインしても良いでし、、

















こんな風に、ジャンパースカートの下に着て、

少し刺繍をのぞかせて、ヤクのカーディガンで温かく。

この上にコートを着たら、それはあったかい。





















ブラックはSUSURIの定番フロッグパンツにタックイン。


















上からは、こちらもヤクのカーディガンを。

ブラックも今年は残りわずかとなりました。






















この刺繍のブラウスを長くお勧めしている理由は、

カジュアルからかしこまったシーンまで幅広く

活躍してくれるから。


















重ね着を陰で支える温かいWOOLブラウス。

アナベルでは毎年2月~3月にかけて、「Shikiten~式典」という

タイトルで式典用のスタイリングを提案するフェアを行っています。

このブラウスの白と黒は、その期間中最も反響のあるシャツだと思います。

きちっとしたジャケットの下にも着ることができて、

ジーンズにも似合う。

これまた、ありそうでいて、

探すとなかなか見つからないブラウスは、

コートやセーターに主役を奪われる秋冬の重ね着の、

影の立役者なのです。




<お知らせ>

















本日夜9時頃、「暮らしとおしゃれの編集室」のブログが更新となります。

今回は、アナベルで唯一のダウン、ゴーシュのダウンをご紹介しています。

ぜひ、ご覧ください。また、通信販売も本日更新いたします。

そちらもぜひご覧いただけますと幸いです。












 

2020年11月26日木曜日

狂騒の20年代

今回の gasa grue(ガサグルー)のテーマになっていた

「1920年代の音」は 、ドキドキするテーマだと思いました。

第一次世界大戦が終結してまだ間もない時代、日本は大正で、

世界は混乱、動乱入り乱れ、夢もあり、世界各地の文化が

海を越えて伝わっていった。

第二次世界大戦までの騒がしくも華々しい、テーマの

サブタイトルにもある様に、「狂騒の20年代」と呼ばれる時代です。

その音を想像すると、何が聞こえてくるでしょう。

もしかしたら、進化した今の時代が忘れてきたものが蘇るような、

そんな気持ちにさせられるテーマでした。


懐かしさと、伝統的な美しさや力強さを感じさせる生地のコートは、

先日、「暮らしとおしゃれの編集室」でロングをご紹介しましたが、

今回は同じ生地のショートコートのご紹介です。
















gasa grue
”街路樹を横切る”ショートコート
khaki ¥60,000+tax

実はもう一色あってそちらも素敵だったのですが、

僕はこちらに強く惹かれました。

落ち着きのある伝統的なチェック柄ではありますが、

無地の多かったコートの提案で、とても新鮮に映りました。

テーマである1920年代の音を想像したときに、

喧噪を避けるように歩く少し品のある、おとなしい女性を

想像しましたが、皆さんはどうでしょう。

















gasa grueもGASA*と同じくシリーズに名前がついているのですが、

ロングコートと同じく、このコートのシリーズ名は、「街路樹を横切る」。

想像力を掻き立てる、素敵なネーミングです。

















トップボタンに使われるのは、アンティークのチェコガラスのボタンです。

数量は限定で、すべて違う柄の中から選ばせていただきました。

チェコガラスはピンクや黄緑といった可愛らしい色合いが多い中、

僕が選んだものはずいぶんとおとなしい色合いだとは思うのですが、

アナベルのスタイリングには似合うと思います。





















生地はロングと同様で、さほど厚みのあるWOOLではなく、

ドライタッチで軽いWOOL地ですので、防寒性の高いものでは

ありません。

















暮らしとおしゃれの編集室」のブログでは、ロングコートを

取り上げて、重ね着などもご紹介していますので、そちらも

合わせてご覧いただけますと幸いです。

















インナーにはゴーシュのハイランドウールワイドセーターを

着ていますので、コートが薄手でも結構温かいと思いますよ。

ちなみに、スカートはSUSURIさんに別注して毎年作っていただいている、

バルーンマーチスカートです。

やはり、SUSURI×GASA*が多くなるんです。癖ですかね。

こちらのスカートは、一部のお客様からブラックのお問い合わせを

頂いておりますが、来春2月あたりの再入荷を予定しております。

















長さはおしりがすっぽりと隠れるほどの長さで、

多少の前後差がございます。

アナベルでは、バルーンパンツや

テーパードパンツ(裾に向かって細くなるシルエット)、

スカートやワンピースと様々なお洋服に合わせて提案しています。

一番気に入ったのが撮影したこちらの組み合わせです。






















背面はタックでカーブが付き、素敵なシルエットに。

カッコいいと、可愛いが同居した、さすがのデザインです。

















大判のショールなどを上手に使い、真冬もたくさん着てほしい。

白い息を吐いて、狂騒の20年代に耳を傾けながら。





















2020年11月24日火曜日

昔のことを思い出しながら。

annabelleは、2012年の3月にオープンして現在9年目になります。

洋服業界に転身してもうすぐ20年が経とうとしていますが、

その半分をメーカー勤務で過ごしてまいりました。

そのくせ、「お店をやりたい」と思ってしまったので大変です。

同じお洋服業界とはいえ、メーカーとお店では勝手が違います。

最近、お客様にこんなことを言われました。

「こんなにたくさんのお洋服を短期間で揃えるの?」

「大変よね。」って。

そう言われて思い出したのが、お店を始めた当初の自分です。

そういえば、、わからないなりに、仕入れたモノの写真やら絵を

切って、、壁に貼ってたなと。全てが手探りでしたから、

仕入れをした順に切って貼って、次に何を仕入れるかの

基準にしようと思って、スタイリングを頭に巡らせて。

お客様に言われた一言で、少し懐かしい気分になりました。

今でもその当時の切って貼ってのなごりか、紙に文字で

書いていくことは続けています。

それでイメージを膨らませていくのですが、段々と自身の

スタイリングの癖というか、傾向の様なものが出てきます。

今日は、最も多いスタイリングの傾向として、

これらをご紹介したいと思います。





















vest:SUSURI
long blouse:GASA*

ここ5~6年くらいのスタイリングを見ると、

SUSURIとGASA*をコーディネートで掛け合わせることが

とっても多いということに自分のスタイリングを見ていて

気が付きました。他の方はわかりませんが、僕の中では

きっとすごく相性のいいブランド同士なのだろうと思います。




























SUSURI
ムールベスト ¥25,000+tax
white、black

こちらのデザインは、SUSURIではお馴染みのデザインです。

もう何年か、素材を変えて続けています。

持っている方もいるかと思うのですが、ベストの面白いところは、

着る人のスタイリングによって、まったく見え方が変わること。



















後ろ側がスナップボタン一つ、オリジナルの真鍮ボタンが

ひとつで留まるデザインは、いろんなお洋服に合わせられるため、

スタイリングする幅が広がり、嬉しいデザインです。

















アームホールが広く、たっぷりしたデザインのワンピースなどに

合わせても着心地に干渉しないベストです。

















だから、こんなにたっぷりしたGASA*のロングブラウスにも

合わせてみようと思うのです。

そして、SUSURIにはあまり見られない大胆なレース使いですが、

合わせてみると、素敵な組み合わせだと思います。


















たくさんの方に買っていただいているふんわりパンツに、

GASAのブラウス、その上からSUSURIのムールベスト。
















GASA
”本当の自分” レーススリーブブラウス
black(1色展開)¥34,000+tax

クラシカルなレース使いのブラウスは、

GASA*の一番の特徴ともいえるデザイン要素です。

大胆でクラシカルで、大人っぽく、でも少しフェミニンで。

生地作りから手掛けるGASA*のお洋服の持つ雰囲気は特別で、

同業種のメーカーさんなどがお店にいらした際には、

必ずと言っていいほど、GASA*のお洋服を手に取られます。


















袖口のレースは、遠目には黒一色のように見えますが、

近づいて見ると近似色のブルー系で配色にしています。

アウターを重ねた際に袖口からはみ出すレースがたまりません。

















重ねてしまうのは少しもったいない気持ちにもなりますが、

冬は重ねて楽しんで、春には一枚で楽しんで。

















しっかりした生地感のコットン素材ですので、

季節を問わず着ていただきたい。

















こちらもSUSURIのジャンパースカートに合わせて

GASA*のブラウス。


















こちらのSUSURIのジャンパースカートは、

店頭で完売となっております。

申し訳ございません。





















白のムールベストに合わせたパンツは、同じSUSURIのもの。

スタイリングに迷ったら、まずは同ブランドに目を向けます。

合わないわけがないからです。





















SUSURI
ピザントパンツ ¥44,000+tax

ゴムやひもを使ったパンツ仕様が増える中、

帯裏もあり、ギャザー部分にはヨーク布もある。


















背面にはアジャスターのタブが付く、なんとも

クラシックなトラウザー仕様。

SUSURIの齊藤さんに数年前に聞いたことがありました。

「なんでゴムとひものパンツをあまり作らないんですか?」って。

そうしたら、シンプルな答えが返ってっきました。

「その方がカッコいいと思うデザインならそうします。」

それはそうだと思ったものでした。

















フロントもすべてボタンの比翼仕立てでポケットも。

















レディースはいわゆるメンズトラウザーズ仕立ての

パンツはあまり見ないので忘れていましたが、

これが本来のパンツでした。。

しかも素材が素晴らしい。

シルクとウールがおよそ半々で混ざり合う、

一重で軽くてほんのり温かいパンツ。

真冬はタイツを下に履いて。

起毛し過ぎない表情は、冬の終わりから春先まで

履いていただける素敵なパンツです。

















ブラウスなどをタックインして着ても当然カッコいいのですが、

あえて少しラフなタートルのカットソーを。

こちらも先日ご紹介して完売してしまいました、

BLUE BLUE JAPANのコットンタートルです。

















アームホールの大きなデザインのベストは、

ふんわりしたセーターに重ねても華やかさのある

スタイリングが作れそうです。

















ピザントパンツ、ヨコからのドーンとした

シルエットも大好きです。

前はタック、後ろはギャザー。

前から見るとキュロットの様で、

横から見るとワイドパンツの様。

視覚的なアシンメトレーを多用する

SUSURIデザイナー斎藤さんらしいデザインのパンツです。

パンツとしてはやや高額ですが、silk×woolの贅沢な素材、

大胆なシルエットを実現する贅沢な要尺(生地分量)。

本格的なトラウザーズ仕立て。

















わざわざダブル風に仕立てた裾は、ここだけ生地が二重になり、

重さが出ることで、いいドレープ感が生まれています。



















そしてインスタグラムでは触れましたが、このスタイリングの

上に着せたいと思ったコートがこちらでした。

















khadi&coのヒマラヤンウールのコート。

このコーディネート、、狙ったわけではなく、

昨年とほとんど同じということになってしまった。。

















こちらが昨年のコーディネート。

「しまった!」と思う反面、嬉しい気持ちもある。

自分の癖や好みを理解しながら、バイイングするって、

本当に大切です。それでアナベルらしさが少しづつ滲み出るから。

それはきっと、買う側になっても同じこと。

昔のことを思い出しながら、そんなことを考えました。