2015年7月28日火曜日

R.U.に関するお知らせ

たくさんのお客様に、

「ご予約」、「入荷連絡希望」を

いただいております、R.U.の靴の納品が

大幅に遅れております。

当初、7月の納品希望でオーダーしておりましたが、

お客様には、余裕をみて、8月上旬頃の

入荷予定でお伝えしておりました。

今回それが大幅に遅れているとのこと。

現在のスケジュールは、以下の通りです。

①BESS(T-ストラップ)→10月上旬

②ABBEY(ワンストラップ)→10月上旬

③Anon(レースアッププレーントゥ)→9月上旬

④Hull(スリップオン)→9月上旬


楽しみにされていたお客様には、

申し訳ございませんが、

入荷次第、ご連絡をさせていただきますので、

よろしくお願いいたします。


annabelle


2015年7月25日土曜日

愛しのまる子

晴れた日は、毎日そこを通り抜けて、

宿舎まで帰っていた。

急がずとも、5分程度の軽い山道だ。

少し雪の降った日、、出発直後のこと。

大げさに言うと、あれは「ホワイトアウト」

というものなのか。

一瞬で方向感覚を失い、どこを歩いているのか

わからなくなった。

遠くの方に明かりが見えた。

見え隠れする小さな明かりだけを頼りに進み、

ようやく、わかる場所に到着すると、、

いたずらだったかのように、雪がやんだ。

時計を見ると、40分ほど経っていた。


灯りは消してはならないものだ。

きっと聖火ランナーがつなぐ松明には、

太古より、人の命をつないできた灯り。

後世に伝えたい思い。

そして、つなげていきたい技術や知識。

様々な思いが込められているのだろう。

今日は、そんな思いが込められていそうな、、

愛らしい革の履きもののご紹介です。

















TORCH(トーチ) 

レザーシューズ ¥24,800(税抜)

サイズ展開:35~39


ブランドでは、43まで製作しておりますが、

アナベルでは39までとなります。

また、理由はわかりませんが、40を生産しておりません。

black


靴が歩くための道具だった頃、

きっとこんな風だったのかもしれない。






















そう思わせるほどに、

素朴で丈夫そうで、、なおかつ愛らしい。

















natural

この色を見て、、「あれ?」

R.U. のあれと同じかな?

そう思った人もいるかもしれません。

そう、革はあれと同じ、ヌメ革です。

「痛いの堅いのとんでいく」で、以前ご紹介した、

R.U. のヌメのパンプス。

もちろん作者も厳密には革も違うが、

同じヌメ革です。






















じゃあ、これも痛いのか?

実は、妻も僕も昨年から履いています。

雑誌などを見てくださっている人は、

気づいたかもしれませんが、

秋冬の雑誌掲載でもスタイリングで使っていました。






















僕は、もう冷や汗が出るような痛みが

ありました。。じつは。

ただ、僕は極端な甲高で、だいたい何を履いても、

まずは痛いのです。この靴も例外なく。

だいたい10回程度の着用で、痛みは治まり、

その後は、もう毎日履きたくなるほどお気に入りです。






















従来の、人の足の丸みをしっかりと

残しながら、現在のファッションにも

何食わぬ顔で、良く似合う。。






















妻は今回はちっとも痛くないらしい。。






















履き始めが冬だったので、、

そういえば、最初は靴下が厚すぎて

ちょっと圧迫されるとかなんとか、かんとか。。

言っていた。






















そりゃそうでしょう。

馴染んでから靴下ですよね。

それなら全然違うはず。






















革靴が馴染んでくる感触は、

何度味わっても気分がいい。






















クラス替えで最初はよそよそしかった

お友達と、だんだん仲良しになるあの感じ。
















甲高な人は、仲良くなるのに少し時間がかかる

かもしれない。まる子さんはそんなお友達。






















革の自然な状態を生かしたいという思いから、

表面のシボや、一見傷のような線は、

きれいにせずにそのまま作っている。






















だからね。

「きれいなのがいい」って言わないで

あげてください。






















僕が真面目で無口なのも、

妻がガサツで陽気なのも、

R.U. が素敵で凛々しいのも、

それは、それぞれ大切な個性なのでしょう。






















革肌が少しだけ不揃いで、

すこしコロンとした素朴な表情は、

きっと素敵なまる子の個性なのでしょう。






















凛々しいR.U. も素敵だし、、

素朴なまる子も愛らしい。。


疲れて帰って玄関を開けた時、

















馴染んだまる子が迎えてくれる。

すこし心が柔らかくなる。


履いていて思う。。

作者がこの靴にTORCH(松明)と名付けたのは、

歩くための道具として始まった靴の始まりを、

後世に残したかったのではなかろうか。

今の子供たちの誰かが偶然まる子と出会い、

まる子を真似て靴を作る日がきたら、

それはTORCH の本望なのかもしれません。



※この靴は、製作者の意向により、

通信販売サイトへの掲載やセール販売は、

一切禁止されております。

遠方で手にとって見ることができないお客様で、

ご興味のある方は、メールをいただければ、

ご対応いたします。

ご不明な点などございましたら、何なりと。


2015年7月20日月曜日

気分屋さんになればいい

ファッションは、その時代の

気分を映し出し、

人の装いは、その日の

気分を映し出す。

「装う」ということは、

気分を表現する文化なのか。

「着る」ということは、

ただ着るということなのか。

日本に「ファッション」が本格的に

到来して、半世紀。。

展示会で繁華街を歩いていると、

そんなことを考えたりする。


古来より、「晴れ着」として

親しまれてきた、ハカマのような

キュロットのご紹介です。






















Travail Manuel

リネンハカマキュロット ¥15,000(税抜)

ブラック






















既に完売している、ラップパンツや

サドルパンツと同じ素材。

リネンのポプリンで、張りがありながらも、

涼やかで、光沢がある。






















ネイビー

実は、昨年からTravail Manuel さんに、

なんとなくリクエストを出していたデザイン。

アナベルオープンの年、

違う素材で販売していた形。

「あの形、、真夏に麻であったらいいかも。。」

そんなお話をしていた。

















ウェストにはきれいなプリーツがならぶ。。

大分量だ。






















ミディアムグレー

大分量の生地は、

全て内側に畳まれる。

ハカマだ。






















すこし、分量がある分、

重さがあるが、履くとそれは感じないようだ。


夏休みが始まり、、

ややうなだれ気味の妻に着てもらいましょう。






















立っていると、

普通のロングスカートにも見えるのだが、
















歩いたり、足を開いたりすると、、

布地の動きをもって、その存在感を発揮する。






















ポケットに手を入れて、

粋な気分で夏を迎えよう。
















丈が長い分、シャツを出した状態で、

バランスがとりやすいのも利点の一つ。






















ハカマのようなこのキュロットは、

大分量ゆえ、、

動きが豪快で、かつ美しい。
















ARTEPORVERA の8分袖ブラウスは、

クルクルとまくると、、

涼しげな半袖ブラウスに変身する。






















ファッションを考えた時、

「着る」と「装う」の違いを考える。

前述の通り、ファッションは

「装う」ほうがいい。

もっともっと気分を反映させて、、

そのうち、「装い」が落ち込んだ気分を

プラスに引っ張ってくれるかもしれない。


そして、洋服を売る人や作る人は、

「気分」を売る、「気分屋」になればいい。



2015年7月16日木曜日

Honnete 姉妹伴~時が経つほど好きになる

みんな毎日、洋服を着ます。

どんなに忙しくても。。

無意識に手に取るものほど、

素材や着心地を気にいっている。

Honnete のお洋服は、

アナベルオープンから通算で、

おそらく、最も多くの人に販売した

お洋服であろう。

生地が心地よく、

しかも、繊細すぎず、丈夫。

僕自身も、ヘンリーネックを2枚着ているが、

着始めの少ししっかり感のある風合いも

好きなのだが、3年前に買ったモノは、

さらに好きだ。

生地が少しヘタリながらも、、

ソフトな風合いとしっとりとした肌触りが増してくる。

形違いでお求めになる人や、

色違いでお求めになる人が実に多いのだが、

それも、うなづける。






















Honnete 姉妹伴

IRISH LINEN ロングシャツカーディガン

緑青 ¥25,000(税抜)

色につきましては、、

こちらの写真ではなく、

ウェブショップページの写真を

ご参照ください。






















とても、Honnete らしい

大胆で豪快なシルエットに、

黒蝶貝のシャツボタンが可愛らしく2つ。






















ルビーパープル

ロングシャツカーデ、というだけあって、

裾はシャツテールになる。

小さく見える肩周りりから、

バストラインでフワッと広がり、、

ボタンを二つだけにしたことで

重なり合う前身頃が内側に寄り添い、

素敵さを増している。






















ブラウスやワンピースでも味わえる、

この生地の素敵な経年変化は、

羽織りではいっそう際立つものとなるだろう。






















オルモルゴールド

これに限らず、布帛の羽織りものは、

新品の時より、何度も着て、

馴染んできた時の方が、

素敵に見えたりする。






















生地がクタっとなって、、

自然に生じるそのドレープは、

つくりだされた、どんなドレープよりも美しい。

そうも感じさせてくれる。
















ネイビーの麻のパンツに緑青。






















春、夏、秋の3シーズン楽しめそうだ。
















シャツテールを生かした、この前後差がかっこいい。

背中には、インボックスプリーツが一つ入り、

このふくらみをより一層素敵に演出してくれる。






















もちろん、ポケット付き。
















今シーズン、妻が自分用に選んだのがこれ。






















グリーンのパンツが良く似合う。。
















ちなみに妻は、ARTEPORVERA の加工チノ、

ホワイトやネイビー、アナベル別注の

orslow のネップデニム(秋口にご紹介)、

Travail Manuel のブラックのリネンサドルパンツ

などと、着回している様子。






















よほど、最初から自分にしっくりきたのか、

珍しく、着方を全く聞いてこない。。


妻の見せる、ハードな経年変化が楽しみだ。

時が経つほどに、、、。




2015年7月12日日曜日

言い過ぎでもない

洗濯を繰り返すうちに、

T-シャツは、右か左によじれてくる。

たまに、お店でもお客様から聞くが、

洗濯を畳んでいて、端が合わなくて、

気持ちが悪いと。。

そんな話を妻にすると、、

「え?端って何?」と、、

人生で一度も気にしたことがないようだ。

今日は、心地よく、よれないT-シャツのご紹介です。






















pyjama clothing(ピジャマクロージング)

ベルギー製

white ¥5,800(税抜)

こちらも、アナベルオープンからずっと、

お取り扱いを続けているT-シャツ。

















日本企画のベルギー生産です。

糸は、エジプトのギザコットン。

長綿で、艶があり、薄手で肌触りは抜群にいい。






















red

はっきりとした、トマトのような元気な赤。

「半袖なら色ものも着やすい」というお客様がいるが、

全くその通り。

袖があるか、ないかで、色を着た時の印象は変わる。

要するに、お洋服の面積の問題だろう。






















citrus

レモンイエローにほんの少しグリーンを

多めに入れた感じの色。。

もうすぐ始まる蝉の大合唱に負けない

元気な色。

夏のリゾート気分を盛り上げる。

















そして、なぜよれないか?

逆になぜよれるのか?

糸には、「右撚り」と「左撚り」がある。

フワフワした綿を指でよじりながら糸にしていく

ところを想像すると理解できる。

右によじって糸にしたものを「右撚り」。

逆は「左撚り」という。

通常、T-シャツに使われているのは、

右なら右で全部編まれている。

その糸たちが、、

洗濯して水を吸うと、いっせいに綿に戻ろうとする。

右に撚った糸は、左に戻ろうとする。

それが、T-シャツがよれる原因です。

だから、いいか悪いかというより、

ふつう、よれるのです。個体差はあるが。。
















このT-SHは、「右撚り」と「左撚り」の糸を

交互に使って天竺編みをすることで、

糸が綿に戻ろうとする力をうまく相殺しているのです。

だから、よれずらい。

これは、「SZ 天竺編み」と呼ばれ、

高級肌着工場などは、その設備を持っている。
















形も、収まりのいいフレンチスリーブです。






















オープンした時に買った、妻の長袖は、

あまりに着すぎて、またしても向こう側が

ハッキリ見える。いったいどれだけ着たのか?

そういえば、年中、着ていたような。
















ライトオンスのデニムペインターに合わせて、レッド。

永久に古びることのないスタイルの一つであろう。
















はじめは、ツルっとした生地に見えるのだが、

洗っていくと段々とフワッとしてくる。

ギザコットンだけあって、肌触りは間違いない。






















妻の長袖は、たしか秋冬も着ていた。

だから、余計にピラピラなのだろう。

こちらはT-シャツゆえ、着るのは夏中心。

長袖よりは出番が少ない。

3年で向こう側がはっきり見えるようなことには

ならないだろう。


皆さん、妻のことについて、

僕が大げさに言っているとお思いでしょうが、、

まったく、、言い過ぎでもないのです。


このブランドに関しては、5~6年ほど前に

初めて着た。

レディースに関しては、初めて見た時から、

この形は、デザインも素材も変わっていない。

激しく変化するファッショントレンドの中、

5年前に見たものを、「やっぱりいいな。」って

思えるものは、ずっとずっと良いと思えるものに違いない。

それも、言い過ぎではないと思う。