2019年6月29日土曜日

大きいシャツ

昔からお客様にたまに言われることがある。

「アナベルで買った服は、やっぱりアナベルで

買った服によく合うの。」

今年購入したブラウスが、他で買ったボトムスと

合わせてみて、「うーーん」てなって、、

アナベルで2年くらい前に買ったボトムスを合わせてみると、

すごくしっくりくるようなことがあるそうだ。

それは、われわれにとってはすごく嬉しいことなのです。

今売っているブラウスと、2年前に買ったパンツが良く似合う。

そして、他で買ったパンツにはしっくりこない。。

ちゃんと、そこにスタイルがある証だから、嬉しいです。

しかも、わずか2年ほどだが、しっかり時を超えて成立している。

個性のある普遍的なスタイルの創造は、少し矛盾しているようにも

感じ、難しいことかとは思いますが、常にそれを意識したい。

このシャツも癖は強めですが、我々の大好きなバランスです。















FIRMUM

ナイロンビッグシャツ ¥18,000+tax

ナイロンを製品染で仕上げたシャツは、深く染め上がらない、

いい具合にフェード感のある色合いが素敵です。















サラっとしていて、一見ナイロンには見えない素材感です。

光沢もほとんど感じません。















大きな身頃に小さな襟。

FIRMUMデザイナー米永さんの好きなバランス。















まったくもって、アンバランスな太い袖。

これが着ると素敵なんです。

不思議。















身頃がこれだけ大きいので、ダーツは用を成していませんが、

微妙なふくらみとカーブ、そしてアイコン的な見た目の問題で、

その存在は印象的です。















そして、何より独特なのは着丈でしょう。

他にない微妙な着丈なのですが、なぜかかっこいい。

こういったものでしょう、他のお店で買ったものと合わないのは。

でもね、他のお店のものでも、趣味趣向、傾向が同じなら、

もちろん、それは相性がいいんです。





















珍しく、後ろ向きから。

着丈が長いのが良くわかる。

袖も太い。

パンツは、先日完売したkhdi and coのスターパンツです。















ぶっといパンツに合わせたら、とってもかっこいい。















パンツの丈もポイントですよ。

バランス、大事です。















アナベルの中では、細い部類に入るサドルパンツ。

ひざ下は細いのですが、ヒップ周りはふんわりしているので、

こういったイレギュラーなサイズ感のトップスにも相性良し。

幅広い人にお勧めできる、優秀なパンツです。















こちらもパンツの丈、大切です。















シャツの袖も3回くらいまくってみました。

これはこれで、涼し気で素敵です。





















最後はキャメルベージュをタックイン。

個人的には一番好きなスタイリング。















タックインしてコンパクトになると、

袖の大きさが際立って、なんだか着物みたいで素敵です。















涼しくて、同素材のパンツも好評です。

個性強めな大きいシャツ、着てみませんか。



2019年6月27日木曜日

天邪鬼の気づかい

大人が着るTシャツは、とても選ぶのが難しい。

最終的には、それぞれの体形なども含めた個性で、

選ぶものが決まってくるとは思うのですが、

ピッタリした、ベーシックなTシャツがいいのか、

それとも大きなTシャツがいいのか、

はたまたその中間で、程よくほのかなゆとりがあるものがいいのか。。

今日ご紹介するTシャツとタンクトップは、

少し癖があるものの、普通のTシャツとは違うものを探されている方や、

とにかく、素材感のいいものを求めている方にお勧めしています。















FIRMUM(フィルマム)

トルファンコットンタンクトップ

¥6,800+tax

まずお勧めしたい理由は、誰もが触ったらわかる素材の良さ。

中国のウイグル自治区で限定的に栽培されるブランド綿、

トルファンコットンを使用しています。















超長綿ですので、しっとりとした着心地があるのは

当然として、こちらの生地が少し変わっているのは、

アムンゼン調と呼んでいますが、一般的なTシャツに多い

天竺編ではなく、ゆるい編み方のクレープ編みで編まれた

生地を使用しています。

これにより、「しっとり」だけでなく、「もっちり」も

加わります。















この編み方の長所は、ふんわりとした仕上がり、

もっちりとした感触なのですが、短所もございます。

それは、お洗濯で斜向が出やすいこと。

斜向は天竺編でも条件が揃えば出る現象で、わかりやすく

簡単に説明すると、Tシャツを洗濯して着続けているうちに、

どちらかに身頃がよじれて、脇線が真横にこなくなって、

少したたみずらくなった経験はないでしょうか?

あれを「斜向」と呼んでいます。

この生地は、斜向がしやすい生地なのですが、それを極力防ぐため、

この生地を使用したシリーズは、裾を切り替えたデザインにしています。


FIRMUM・NO CONTROL AIRのデザイナー米永さんは、

癖の強い天邪鬼ですが、着る人に細やかな配慮ができるデザイナーです。

失敗ももちろんたくさん経験して、それを糧により良いものを

作り続けて20年。















デザイン的な特徴はこちらのダーツ。

ふくらみを出したいところに入れるのですが、

Tシャツのここにダーツの入ったものは、あまり見かけない。















さらにこちらにも工夫が成されています。

布地の分量をやや多めにして、タックでつまんでいます。

脇はしっかりとホールドし、さらに少しふんわりする。

妻が唯一、長年愛用しているタンクトップです。

「肩をいい感じに覆ってくれて、二の腕を目立たなくしてくれる。」

それが何と言っても愛用するポイントです。















こちらが同シリーズの5分袖Tシャツです。

¥8,500+tax















トルファンのもっちりとした感触は、洗っていくとさらに際立ちます。

いい素材と、そうでもないものの差は、ちょっと着ただけでは

わからない場合も多いものです。

時間が経てば経つほどに、その差が歴然となる。















Tシャツのシルエットは、バストが広く裾が狭い。

よって、ヒップの上あたりで、軽くブラウジングして、

きれいに収まります。

そのシルエットにとても相性のいい袖の細さ。

変形ラグランスリーブです。















色は全4色展開です。

ホワイト、ライトグレー、チャコールグレー、ネイビー。















ホワイトは白度の強くない、オフ白まではいかない

優し気なちょうどいいホワイト。

ライトグレーは、トップのメランジ調のある大人っぽいグレー。















チャコールはライトグレー交じりな、程よい軽さのある

スミクロといった感じ。

ネイビーは、あまり見かけないトップのネイビー。

チラチラとわずかに異色が混合し、高級感がある。





















ご覧のとおり、ポイントは肩回りをホールドする

面積の大きさにある。

バスト回りにゆとりがありつつも、しっかりと

脇をホールドしてくれる安心感。















二の腕に若干の悩みを抱える、サル手の妻にとって、

このデザインはありがたい。















脇下も見えずらいですが、しっかりとホールドされています。
















裾がテーパードしているので、バストがゆとりある感じですが、

着てみるとすっきりと見えます。















透け感のある羽織ものを楽しみたい。















レンガ色のパンツにライトグレー。

落ち着きのある大人の夏色です。















シンプルでコンパクトなバランスですので、

ボトムスはパンツでもスカートでも。

シルエットや形も選びません。















こちらも透け感のある羽織を楽しみたい。
















柄の上にチャコール。















こちらも透け感のある羽織を着てみます。

透け感のある羽織からぼんやり見える腕周りは、

とても涼やかで美しい。















こちらは5分袖タイプ。

TRAVAIL MANUELの定番パンツ、リネンサドルパンツに合わせて。















二の腕をすっぽり隠す安心感。















所々で感じる布地の余り具合が、「Tシャツ」という

感覚を超えた、ブラウスでもない、あいまいな印象を残します。















革靴を履いて、大人っぽいTシャツスタイルを。















こちらは現在、通信販売でもご紹介している、

TRAVAIL MANUELの新作パンツ。

バームパンツに合わせて、ネイビーです。















素材そのものに、ナチュラルなストレッチ性があるのも

嬉しいところです。

気遣いある天邪鬼が作るTシャツで、

ノンストレス、快適な夏を。










2019年6月24日月曜日

お知らせ





















土曜日に、暮らしとおしゃれの編集室

ご紹介させていただいた、TRAVAIL MANUELの

パネルブラウスが大好評につき、即日完売しております。

本日、追加で商品の確保ができましたので、

予定では明日、再入荷予定です。

おそらく今シーズンは最終入荷になりますので、

気になる方はお早めにどうぞ。

宜しくお願いいたします。


再入荷分もすぐに完売してしまいました。
申し訳ございません。
ブランド側に今年の再生産があるかどうかを確認
しましたが、その予定はないそうです。
春夏の定番ですので、また来年のご紹介となります。
まだ、他にもご紹介で着ていない素敵なお洋服がございます。
そちらもぜひ、ご覧いただけますと嬉しいです。
宜しくお願いいたします。

annabelle





2019年6月22日土曜日

丁寧で誠実な服

年間でどれほどの新しいブランドやショップが

出来ているのかわかりませんが、10年以上継続できる

ブランドやショップは、5%もないそうです。

先日もパンツをご紹介したkhadi and coは、2004年にスタートし、

今年で15年続いています。

しかも、カディーコットンに特化したコンセプチュアルなブランドで

ここまで長い期間、第一線で支持され続けるということは、

並大抵のことではありません。

とても誠実に、愛情をかけて洋服を作り続けている印象です。















khadi and co SARA

ライトカディコットンを用いた、ブランドの定番ブラウスです。

カディーコットンは、手紬、手織りで作られているため、

原料に圧力、負荷をかけずに、ゆっくりとふっくらと

織りあがるのが大きな特徴です。

水通しをするたびに、ふっくらとした触感はましてゆき、

手に持った時の洗いあがりの感触にときめくことでしょう。

ぜひ、良い洗剤で洗ってあげたい。

もう一つの大きな特徴は、繊細に見えて丈夫であるということ。

このクラスになると、何年も何年も、風合いを損ねることなく

着続けていただける事でしょう。















Dk.indigo

こちらは、色名でありインディゴ染めを施したものではありません。

写真でもその生地の軽さや柔らかさが伝わるのではないでしょうか。















丸い襟ぐりからカーディガンのように下がる前端に、

きれいなタックが丁寧に施されます。

全面的にステッチが見えないよう、見えないように

デザインされており、視覚的な軽さや優しさも感じ取れます。















きっと、この美しい羽衣のような生地に、

釦のメス穴を開ける気持ちにならなかったのでしょう。

釦はすべて細く美しいループに収まるデザインです。















着心地を左右する袖ぐりや袖付けにも工夫が成されています。

このブラウスが、お店に並んでいるとふんわり可愛らしい

印象であるのに対し、着ていただくとスッとした大人っぽい

印象を受けるのは、この袖付けのデザインが大きく

影響しているのかなって、感じます。















身幅の大きいふんわりとした印象のお洋服は、

袖幅も太めで、袖山が低い、いわばTシャツのような

袖付けのデザインが多くを占めている。

しかし、高額な商品の一部で、そうではないものがあるのも事実。

SARAもその一つで、ゆったりした身頃、ふんだんなタック使いを

する一方で、袖幅はすっきりと、袖山はジャケットのように高く、

かなりのカーブを付けている。

もちろん、袖は後付けの仕様になる。

これが着た時の美しさに、大きく影響している。

もちろん、かなりの手間がかかっている。















フロントの10倍ほど細かいラジャスターンピンタックギャザー。

美しすぎる。





















SARAのホワイトにSTAR Panntsのネイビー。

袖は結構長めなのですが、わざとです。

袖口は小さいので、まくったり折り返したりして着てください。















いい服は、ラフでもだらしなく見えない。















ふんわりした優しい印象ですが、袖周りは

スッキリとして、しかも女性らしい透け感が素敵です。





















こちらはローズピンク。

薄い薄い、アズキのような印象も受けるきれいなピンク。

TRAVAIL MANUELの新作のコットンパンツとも良く似合う。















たぶん、、普通にデニムを履いてもかっこいいのでしょう。















日除けをしながら真夏も着ていただける素材感です。





















細かい部分にまで作り手の心情が行き渡った、

丁寧で誠実なお洋服だと感じます。


SARA ¥29,000+tax


<お知らせ>















暮らしとおしゃれの編集室の連載が本日夜半更新予定です。

ぜひご覧いただけますと幸いです。