昨年のsusuri春夏コレクション「pietra」で生まれた可愛らしい
ワンピース、「チルコワンピース」はとてもご好評をいただいたこともあり、
我々だけでなく、お客様の記憶にも残っていることでしょう。
「よじれ」「切り替え」「ボタン」「アシンメトレー」「モノトーン」
といった特徴を多く取り入れ、毎回個性的なテーマを設け、
一種独特な世界を演じてきたsusuriデザイナー斎藤さんが、
「cross the line」というテーマで臨んだ今シーズンは、
まさに、彼らにとって一線を越える挑戦意欲が見え隠れするシーズンでした。
たくさんの定番を押しのけて、多くの新作を生み出す中で、
昨年の人気ワンピース「チルコ」も例外なく変化を遂げています。
SUSURI
マーシーワンピース
ice ¥38,000+tax
一見変わった様子がわからないのですが、
我々も驚く、意外なものを変更していました。
それはこちら。
ボタンが大好きで多用することが多かったSUSURIにおいて、
ボタンデザインをジップに変更するというのはよほどの決意の表れか。
もちろん、相変わらずボタンを多用したブラウスやワンピースは
健在ですので、これに関してはという事です。
しかもYKKに並び、世界的に有名なファスナーブランド、
スイスの「riri(リリ)」を採用していたのがこれまた以外でした。
生地は前回と同じく刺し子調のドビー織で、オリジナルの
ものを使用しています。18世紀~19世紀のドレスシャツの
切り替えに用いられそうな張りのあるフカフカとしたタッチの
ドビー織は、とてもSUSURIさんのデザインにマッチするように感じます。
この小さなネックも健在です。
タックをつまんだデザインもそのままに。
変更されたのは、ジップと、バスト、着丈です。
バストはやや大きくなり、着丈は3cmほど長くなっています。
最も特徴的な袖のデザインはそのままです。
3枚袖の回旋した袖は、よじれのある素敵な雰囲気を纏っています。
navy
昨年のチルコワンピース販売の際には、
通信販売をする前に完売していたネイビー。
今回はございます。
SUSURIさんの大きな特徴ともいえるたくさんの切り替え。
放射状に切り替え、きれいなAラインを形成します。
iceはワンピースでご紹介です。
生地がドビー織でしっかりとしていることもあり、
透け感がなく着ていただける一重のワンピースというのも
春夏では嬉しいのかもしれません。
前から見ても、ヨコから見てもAライン。
生地の張感も手伝って、きれいなシルエットが映し出されます。
このくらいの丈のワンピースに、evam evaの
ショートソックスは大活躍です。
足元に締りが出ます。
そして昨年にはなかったジップのある後ろ姿。
ネイビーはパンツを着用しています。
グレーのふんわりパンツを。
現在、グレーは追加生産中です。
再入荷までもう少々お待ちください。
Aラインの少しオリエンタルな雰囲気もあるワンピースに、
ふんわりパンツがとてもよく似合います。
ワンピースで着た時の女性らしい雰囲気と、こちらの少し
個性的な雰囲気と、それぞれを使い分けても楽しいのです。
大好きなボタンをジップに変えるという、小さいようで
きっと彼らにとっては大きな変化が、今後の彼らのモノつくりに
どのような影響を及ぼしていくのか、少し楽しみな気持ちもある。
そして、もう一つ。
前回もセットでご紹介したパンツがございます。
前回は「チルコパンツ」。今回は「マーシーパンツ」です。
ice
チルコで登場した際にも、susuri初めてのイージーパンツとして
人気を博しましたが、今回はさらにイージーに磨きをかけて、、
ウェストにゴムが入りました。
「それだけ?」と思う方も多いでしょう。
でも、彼らがずっと退けてきたウェストゴムを
いよいよ「やってみるか」とデザインした、
susuriのパンツでは初めてのウェストゴム。
相変わらずかわいい小さめのヒップポケット。
navy
その他はまったく同じデザインです。
ウェストにゴムが入ったことで、おそらく安心感は
生まれるでしょう。シルエットにも丸みが出るのかな?
紐は昨年のと同じくラメ入りです。
少しキラキラしていますよ。
このパンツは、とにかく素材がいい。
ワンピースももちろん素敵ですが、パンツにとてもいい
張り感と表情です。刺し子調ですので、道着のような
感覚も少し感じるのですが、履いてみるとすごっく柔らかい印象。
触った感じがではなく、印象が。
イージーパンツという名前がとても似合わない。
綺麗なシルエットです。
ロングシャツも良く似合います。
155cmの妻はこのスタイリングでは裾をひと折だけしています。
そこはお好みで、鏡の前でそれぞれに決めてください。
ネイビーはシンプルにFACTORYのサマーセーターを。
真夏もシンプルなカットソーで過ごしてほしい。
今年の春はまだまだ寒い。
上から二重ガーゼの軽い羽織を。
こちらの羽織はなんとメンズです。
展示会で置いてあったメンズのサンプルを着用したところ、
「かわいい!」ということで妻と珍しく意見が一致したカーディガン。
BLUE BLUE(聖林公司)のメンズのカーディガンです。
「ファスナー」を使ったり、「ゴム」を入れたり、
今までの定番を押しのけてみたり。
今シーズンのテーマを「cross the line」としてみたり。
デザイナーに大きな心境の変化が起ころうとしていることは確かです。
この表現があっているのかどうかはわかりませんが、、
これまでのsusuriは、洋服メーカーでありながら、いい意味で
「ファッション業界」の外側にいるような印象でした。
しかし、今回のコレクションを見て、僕が一番最初に感じたのは、
「ファッション」でした。それは今までのsusuriになかったもので、
今期からのSUSURIには感じられたものでした。
具体的にどこが?って言われても困る、肌感覚な印象です。
ファッションの籠に飛び込んでみたのか?
たまたまそう感じただけなのか?
籠の中でバタバタと動き回った後で、
そこから羽ばたいたSUSURIの姿がどんなものか?
興味がありますよ。