2021年3月30日火曜日

シャイな桜師

ASEDDONCLOUDデザイナー、玉井さんの仕事場には、

たくさんの資料となる本が並んでいました。

中でも、「これが大好きなんです」という本は、

古来からの仕事着が説明とともに描かれたなんともマニアックで

分厚い本でした。

確かに、、じっと見ていると見入ってしまうのですが、

今回のコレクションでは、玉井さんが登場人物の職業名を作ったそうです。

その名も、「桜師(サクラシ)」と「心師(シンシ)」。

 

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ASEEDONCLOUD 2021SS   -shinshido-

心師とは人の心に花を咲かせる職人のこと
大道芸人と桜師の仕事をしている者
この仕事は代々続く仕事である

パフォーミング(大道芸人)は今の人の心に花を咲かせ
木こりとして桜を育てる(桜師)は未来の人の心に花を咲かす
今回はその中でも人見知りだった心師のお話

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ASEEDONCLOUD
Curtain skirt ¥39,600(税込)

デザイナーが想像した「桜師」とは、10代目の

花咲か爺さんを想像してできた人物像だそうです。

彼は人前が大の苦手で、普段は人を避けるように

山で暮らしているそうです。

そんな彼が、山と一体になれるイメージでつくった

カモフラージュチェックがこちらの生地。









ヴィンテージのハンティングJKの裏地に見られるような、

少し懐かしさも感じさせる柄行きは、シャイな桜師に

ぴったりの生地ではないでしょうか。









優しい印象の柄とは裏腹に、国内屈指の先染生地の

産地である兵庫県の西脇で織り上げられたこちらの生地は、

コットンとナイロンの混紡糸で織り上げられた、

いかにも丈夫そうなウェザークロスである。

このぼんやりとしたヴィンテージ感のある色彩は、

糸を染めるところからこだわった結果、得られる風合いです。

とても素晴らしい生地だと思います。










少し紐が多く付いて、「着るの大変?」と思われがちですが、

そんなことはありません。ちょっとした慣れは必要ですが。

こちらが前部分で、上にぴょこんとした2本の紐は、

サスペンダー感覚で肩にかけることができる紐です。

その下で、ごちゃごちゃっとしているのは、長めの腰紐です。

前で結いても後ろに回してもOKな紐は、自身が楽に履けるところで、

結いて穿いてください。









というのも、こちらのスカートは巻きスカートです。

かなりのハイウェストでキュッと履くイメージのデザインは、

新しくも古風な印象を受ける、不思議なスカートです。










こちらが背面です。

ぴょこんとしていた紐は、実は背面には縫い付けられていません。

サスペンダーのようにすでにループ状になっているのかと

思いましたが、そうではなく、サスペンダーとして見せたい場合は、

背面についた小さな連続したループの好きなところに通して、

結いて長さも調整可能です。

ウェストである程度、安定させて。

サスペンダー紐を見せたい人は、背面で結いて見ると、

さらに着心地が安定する。

そんな洋服です。












結構、着丈は長めです。

155cmでギリギリかな。。

160cmあったらちょうど良く穿いていただけます。









でも履き心地は良いそうです。









桜師は、実際にあった職業である山師からヒントを得て

想像を繰り広げてできた職業だそうです。

山で最も高いところで仕事をする「木こり」は、

空師とも呼ばれていたようで、空師を含めた山の仕事人たちを

統括していたのが山師だそう。

桜師は桜を専門に扱う山の職人で、桜師が大道芸も極めると

「心師(シンシ)」となる。









こんな感じで後ろでキュッと結きます。









上からFIRMUMのフードシャツを羽織にして。









心師は、人の心に花を咲かせる芸を見せるのが仕事です。


我々バイヤーは、およそ半年前に買い付けをしてまわる

わけですが、デザイナーはバイヤーが買いに来る前に

準備を始めますので、およそ1年前から準備を始めます。

今回のこのコレクションは、今からちょうど1年前あたり、

コロナによる営業自粛の真っ只中に考え始めたコレクション

だったそうです。当時の情景は僕らも忘れませんが、

がらんとした商店街はどこもシャッターを下ろし、

桜が綺麗に舞い散る最中、春だというのに薄暗く、

人も恐ろしいくらいにまばらでした。

そんな中、デザイナーの玉井さんがキーワードとして

心に留めたのは、「再生」という言葉だったそうです。

















花咲じいさんのようなファンタジーがあれば良いのですが、

なかなかそうもいきません。毎日を少しづつ楽しく明るく

していくしか方法はないのでしょう。

新しい洋服を手にして、初めてちょっと出かけてみる。

新しい器を手にして、普段作らない料理に挑戦する。

妻は新しい洗濯バサミを買って大喜びしていました。

そんな日々を続けることが大切なんでしょう。


身長160cmくらいの方、いかがでしょう。