裏のおばちゃんの家に上がり込んではお菓子やジュースを
ごちそうになり、自分の家より大きなブラウン管の分厚いテレビの
前でみんなが集まり大きな笑い声が飛び交っていた。
あれは地球の歴史からみたら大した昔ではない。
たったの30数年前の当たり前の風景でした。
高度経済成長とともに、豊かになった我々の生活は、
気が付かないうちに少しづつ変化があり、いつの間にかご近所同士の
交流もなくなり、たくさんの事柄がまんべんなく均一化されてきた。
わたしの記憶にある日本の生活の原風景で、母親の鏡台というのが
とても印象的で、大きなお宅にも小さな我が家にも、鏡台はありました。
今回の式典で西別府さんが長期にわたり手を動かし続けて作ってくれた
ブローチには、古き良き昭和のノスタルジーをどことなく思い起こす
温かみを強く感じます。ぜひじっくりとご覧ください。
植物をそのまま敷き詰めた、独創性のある表現力の光る作品です。
今回、たくさんの作品をご用意していただきましたが、
全てが異なる作品となります。
お店で直接見られる方も、通信販売でしか見ていただけない方にも、
できる限りご満足いただけるような内容で写真撮影を進めました。
ぜひ、ご覧ください。
こちらは、今回の作品群の中で最も高額なものたちで、
茶色い箱に収まった、大ぶりなブローチです。
お値段 ¥10,000+tax
裏側は、前回と同じくクラシカルな安全ピンでとめるタイプです。
薄いブルーの箱に収まった、植物の敷き詰められた小ぶりなタイプ。
こちらは、お値段 ¥8,000+tax
植物を敷き詰めたシリーズは、大きいものも小さいものも、
敷き詰めては水分が抜けて縮み、隙間が生まれたらまた敷き詰めて、
そんな作業を繰り返す手間のかかる作品となります。
そして、仕上げに表面を固める工程があるため、軽く表面を
触るとわかりますが、どれもカリッとした感触です。
できる限り、本物の植物の印象を残しつつ、経年の変化がゆっくりとなる
工夫は凝らしていただいています。生きた植物を使用しておりますので、
ある程度の変化を受け入れていただける方にご購入をお勧めします。
保管は必ず、箱の中にお願いいたします。
ちなみに、昨年ミモザをご購入いただいたお客様数名に現状を伺ったところ、
箱に収納していて、少し発色がなくなっているけれど、しっかり黄色を
保っているということでした。参考にしてください。
昨年の式典フェアで、娘の卒業、入学をひかえた我々夫婦も
ミモザかユーカリのどちらかを購入しようと思っていました。
お客様優先で、販売を進めていたところ、たくさんご用意しましたが、
完売いたしました。
西別府さんに我々の分を作っていただくことになったのですが、
我々は同じユーカリやミモザのブローチを想像して待っていました。
ところが、やってきたのがこの石膏粘土を使用したカメオのような
ブローチでした。あまりのすばらしさに驚いたのを覚えています。
今年はその手法で、たくさんの種類をご用意してくださいました。
お値段 ¥6,000+tax
ちなみに、我々夫婦のもとに昨年届いたのが、こちらと
同じ赤茶っぽいシックな色合いのまさにこれと似たようなタイプでした。
この色をとても気に入ったのを知っていた西別府さん。
この色を多めに用意してくださいました。
ブローチの接客に当たる際に伝えているのが、
どの色合いが合わせやすいといったことは、あまりないという事。
今回、撮影をするにあたり、数点を先に送っていただき、
それを使ってスタイリングをしていきましたが、そのほかの小物の
ように、色合わせをすごく悩むようなことはありませんでした。
ですので、、ブローチをしっかりと眺めて、そばに置いておきたい
と思ったものを選んでほしいと伝えています。
少し大きく、大胆に感じられる方もいらっしゃいますが、
撮影したお写真を見ていただくと、安心するみたいです。
付けてみると、そんなに大きく感じません。
とてもバランスよく収まります。
濃色にも明るい色にも。
こちらは、植物を敷き詰めた小ぶりなもの。
こちらは逆に、「小さいけど大丈夫か?」って心配される方がいらっしゃいます。
大丈夫です。
このサイズでも十分な存在感。
付ける位置に悩まれる方もいらっしゃいます。
写真を参考にしていただけたらと思います。
こちらが植物を敷き詰めた大ぶりなもの。
土台の大きさ、植物の分量感、全体の迫力。
素晴らしい存在感です。
意外に、最も普段使いしやすいのはこのシリーズなのかも
しれないと感じています。普段着は色の要素も多いですし、
アウター、コートなんかに使うこともある。
このくらいの存在感があっていいのではないだろうか。
生活様式がやや均一化しつつある現代では、ほとんどの方の
日常は、かっこよく、カジュアルにまとめられています。
昔はスーパーにお買い物に行く時と、デパートに行く時では、
180度違った装いで出かけていたように記憶しています。
デパートは、大変なお出かけでした。
着慣れない、こそばゆい洋服を着せられ、母が化粧を終えるのを
まだかまだかと待ち焦がれる。スッと立ち上がり、鏡台の前でがさがさと
何かを手に取り、中腰でブローチの位置を確認する。
「やっと出かけられる。」と子供にもわかる。
今回の西別府作品は、付けた方それぞれが、そんな風景を
思い起こしながら、少しノスタルジーに浸っていただけたらと思うのです。