たまにオリジナル商品を作ります。
式典の際には、毎年ジャケットを作っており、毎回違った
デザインを目指して考え始めるのですが、スタイリング画を
書いて、「あーでもない、こーでもない」と慣れないことに
翻弄されながら、結局似たようなところへ戻ってくるのです。
デザイナーさんにも似たようなことを聞いたことがあります。
以前のサンプルを見ながら、次回の商品を展開していこうと思ったら、
もとに戻ってしまいましたって。。
その繰り返しが、ブランドだと「匂い」や「らしさ」「世界観」に
つながっていくのでしょうね。
annabelle
Shikiten jacket ￥30,000
Light greige
サイズ感に少し変化を付けながらも、昨年と同じような
ジャケットが完成いたしました。
少しきれいな雰囲気を出していきたかったため、
素材選びに時間をかけました。
表情のあるネップの入ったツイル素材は、明るめの色でも
annabelleのスタイリングに似合う仕上がりになりました。
特徴的なくるみボタンも昨年同様に効いています。
きれいめを意識した今年は、裏地はキュプラの同系色を。
Green black
実は今回、どうしても気に入った色のついた生地を見つけることが
出来ず、初めて生地の色から自分たちで別注して作っていただきました。
こちらの色は、気に入った1cm四方程度の小さな布のカケラをもとに
再現していただいた、緑青のような色。
緑味が強く見えたり、ネイビーのように見えるときがあったり、
室内で見るとスミクロのようにも見えたりします。
裏地はダークグリーンですので、パッと見はグリーン系が
強く見えるのではないでしょうか。
少し中心が盛り上がる山形のポケットも昨年と同様です。
式典用のジャケットは、着る方の多くがブラックやネイビー、グレー
といったベーシックな色味に合わせることを前提にお探しになりますので、
主張し過ぎず、ベーシックなボトムスに馴染み、なおかつ「普通」にならない
ような色を想像して作りました。
袖口のボタンは、テーラージャケットではなく、ワークジャケットや
Gジャンと同じような考えでデザインしていますので、一般的なジャケット
と比べると、ボタン位置はやや後ろ側になります。
袖の剥ぎを利用してスリットで本開きのボタン仕様にしていますから
ボタンをはずした状態がまっすぐということになります。
Gジャンに似たデザインですが、ボタンが3つ並び、ジャケット自体が
きれいめですので、全体に新鮮です。
2色並んだ印象も気に入っています。
とにかく明るくいきたい方にはライトグレージュ。
落ち着いた雰囲気にまとめたい方にはグリーンブラック。
NO CONTROL AIRのワンピースに。
明るめですが、ワンピースのグレーがいい具合に
トーンを抑えてくれています。お好みになりますが、
明るさと落ち着いた雰囲気を求める方にはお勧めの組み合わせです。
明るいながらも落ち着いた雰囲気を目指すスタイリングには、
ネイビーのバッグがいい感じです。
パーンと目に飛び込む桜の花びらのような配色のスタイリング。
このジャケットの色を決めるとき、実はこのスタイリングを
念頭に入れて決めていきました。
susuriのバルーンマーチスカートは、フォーマル素材ではなく
コットンで、annabelleでは日常着として長く提案し続けている
スカートですので、式典が終わってからも着るお洋服でまかないたい
という方にはとってもお勧めの組み合わせです。
同じくこちらもsusuriのマーチスカートを組み合わせたスタイリング。
ホワイトのほうがよりシャープな印象です。
ボトムスの白は依然と比べると、抵抗のある方が減ってきました。
コーディネートはとってもしやすい色ですので、まだの方が
いらっしゃいましたらぜひこの春夏でホワイトボトムを取り入れてみてください。
グリーンブラックは主張し過ぎず、合わせたワンピースや
ボトムにいい具合に馴染んでくれる。
とてもベーシックに、NO CONTROL AIRのネイビーのワンピースに。
ちょっと小物でアレンジしてもいい。
グレーにも浮くことなくしっかりと馴染む。
バッグと靴で、明るさ調整してください。
今回は、ブローチだけつけたいものを選び、そのほかの
小物は、ワンピースのグレーに合わせるようなスタイリングに。
susuriのマーチスカートのブラックに合わせて。
小物類もブラックを使いましたので、とてもシックにまとまりました。
フォーマルのセットアップはなかなか着る機会がないので、
持っているワンピースやスカートを活用して何とかしたいという方も
たくさんいらっしゃいます。annabelleのオリジナルジャケットは、
そういったお客様の期待に応えるべく始まりました。
お客様と一緒に作ったジャケットであると言っていいのかもしれません。
デザイナーは少し独りよがりがちょうどいいのかもしれません。
スタイリストは、クライアントの要望をビジュアルで表現するのが仕事です。
我々お店は、最も消費者に近い立場にあり、なおかつ作り手の思いを
実際に着る方に伝えることも重要な仕事の一つです。一方で、実際に着る方から
貴重な意見や率直な感想が聞けるありがたい立場でもあります。
そんな環境だから作れる何かを、たまに作っていけたらと思っています。
