2019年5月31日金曜日

FACTORY

昨年の秋冬シーズンのことですが、

annabelleで、この数年定着していたFACTORYのセーターの

お取り扱いが初めてなかったシーズンとなりました。

我々には我々の好みがあり、FACTORY にも彼らの表現がある。

たまたま、うまくかみ合わなかった年となってしまったのですが、

驚いたのは、取り扱いが無いことへの反響でした。

いや、、「大反響」と言っても良いのかもしれません。

少し、悪いことをしでかしてしまったような心境にさえ感じました。

そのくらい、お客様に期待を抱かせる存在になっていたことに、

当事者たちが気がついていなかった。

やはり、お客様の素直な反応というのは、一番の気付きです。

今回は、そのFACTORYの定番パンツのご紹介です。





















FACTORY

コットンサルエルパンツ ¥17,000+tax

FACTORYというと、冬のカシミアやヤクがすぐに

頭に浮かびますが、春夏によく使用するコットンやリネンも

手間をかけて手に入れ、自ら撚糸した糸を用い、

オリジナルで製作した良品が多数ある。

こちらは、ペルーの超長綿を用いたコットンで、

薄手でさらっとした清涼感たっぷりの素材です。





















ここ数年でようやく、アナベルのお客様にも

広く普及してきたサルエルパンツですが、

アナベルで初めてサルエルのお取り扱いを始めた

きっかけをくれたのは、このパンツでした。





















5年前は、まだまだサルエルというと、

もう少し股上が浅い、足の部分がはっきりと

出るデザインが多かったように思います。

ただ、、お店でサルエルを提案したいと、ずっと思っていた。

そこに現れたのがこのパンツでした。

股上がここまで下がっていたら、、逆に股上が

どうのこうの、、気にならないのでは?
















オープン当初から扱っているバルーンタイプのパンツに

少し似ているし、何より履いた時の雰囲気が抜群でした。

なんだか、キュロットの裾をキュッとすぼめたみたいな感じ。















昨年は綿麻でお取り扱いしていましたが、

今シーズンはコットン100%です。

昨年のモノより軽く、薄い。

少し透け感がございます。

もちろん、黒は大丈夫ですが、もう一色のオフ白は、透けます。





















最近は、ようやくこのようなサルエルが

増えてきましたが、当時はこれで初めて目にした

ように記憶しています。















なんとなく、お気づきの通り、いわゆるサルエルパンツ

と比べると、ずいぶんと癖がない。

それでも、普通のパンツと比べたらあるのですが、

その癖の強すぎない感覚が、とってもお勧めしやすく、

ちょっとラフで、涼しくて、個性的なんだけど、

だらしなくなく、ご年配な方々にも好評なパンツです。





















オフホワイトは透けますので、インナーには

Soilのペチパンツやmerijakuu のシルクの

インナーパンツがお勧めですよ。















上下、FACTORYのスタイリング。

リネンコットンの半袖サマーセーターは、

Tシャツを着なくなった方たちに、例年人気です。

これからの季節、羽織のインナーにも活躍します。















シンプルなトップスには何を着ても相性が良いのですが、

このパンツがannabelleの定番として長く定着している

一番の理由は、Honneteとのスタイリングの提案が

皆さんに気に入って頂いているからかもしれません。





















Honneteで人気のギャザーワンピースや

クルーネックワンピース、写真はありませんが

クルーネックTeeなんかにとても良く似合う。

しかも涼しい。















この股下のクシャッとしたニュアンスが、

とっても素敵なのです。


「FACTORY」という名前をブランド名にした背景には、

デザイン、パターン、縫製、染色、原材料の調達、

紡績、撚糸、営業、出荷、全てにおいて、生産者でありたいと

いう、彼らの強い思いがあるように感じます。


世界中に赴き、良い原材料を発掘し、自らストレート糸まで

作り上げ、輸入して地元足利でゆったりと撚糸する。

一度工場見をさせていただきましたが、なんとも不思議な光景でした。

小さな小屋から、カラカラ、カラカラと聞こえてくる撚糸の音。

遠くから聞こえてくるミシンの音、真っ黒な手をした野村さん。


全部を自分たちでやることで、諦めなければならないことも

あるとは思うのですが、きっとそれ以上の何かがあるのでしょう。

それはやった人にしかわからないのでしょうけど。