2019年4月27日土曜日

異素材の妙

春夏のスタイリングにおいて、

異素材の組み合わせを考えることは、とても重要です。

秋冬の重奏感はなくなり、羽織っても一枚であることが

多いため、同系色などは特に異素材を組み合わせることを駆使したい。

今日は、そんな異素材の組み合わせを意識した、これから梅雨に向けて、

そして秋などのウィンドブレーカー代わりになるような、

素敵なコートのご紹介です。





















Blue Blue Japan

ナイロン草木染コート ¥32,000+tax

コートとは言っても、素材がナイロンの

とても薄手なものですので、これからの季節はもちろん、

梅雨時期や季節の変わり目に活躍するウィンドブレーカー

のような存在です。

















気に入ったのは、この素材です。

表面には、昨日ご紹介した東炊きのような細やかなシワ感が

あり、一般的なナイロンとは程遠い、しなやかなタッチです。





















ポケットは裏あてのステッチが効いたパッチポケットです。

ワークコートのような雰囲気を感じます。





















衿は小さなラウンドカラーで、第一釦まで

留めても素敵な襟に仕上がっています。
















裏地はなんと背裏、袖裏がすべてメッシュ。

お洗濯も可能で、乾きもいい。





















そして最も興味を引いたのは、2色ともナイロンの

天然草木染であるということ。

左のオレンジは、「ラックダイ」と呼ばれます。

インドのガンジス川流域に生育する樹木に棲む、

ラックという虫がいて、ラックが木に対して分泌する

樹脂を精製することでできる染料を「ラックダイ」といいます。

古来から伝わる染料で、通常紅色のようなものが多いようですが、

ナイロンに高温で染めこむことで、このような鮮やかな色を実現しています。


右のネイビーは天然染めではお馴染みのクチナシですが、

銅媒染で、とりわけ「クチナシブルー」と呼ばれる染料を使用しています。

茶系やカーキ系が一般的なクチナシですが、こちらも銅媒染で染め返すことで

非常に濃度の高いクチナシブルーを実現しています。





















昨日、今日などは寒いですが、

本来の4月、5月にはとてもちょうどいい羽織コートです。





















しかも薄手のナイロンで、超軽量ですし、

畳んだらものすごく小さくコンパクトです。

持ち歩きにも便利です。















こちらは下にインディゴのスカートを着て、

同系色で合わせていますが、異素材感が生きて、

全く重々しい感じはありません。















染料だけでなく、染色の仕上げも独特で、

ナイロンの艶感が生きており、シワ感もかっこいい。





















染色はしっかりと固着してはいますが、

念のため、お洗濯は当初は単独の手洗いがお勧めです。

様子を見て、お手入れをお願いいたします。















オレンジのラックダイは、リネンのぶかぶかパンツに

合わせてみました。















3サイズ(XS、S、M)あり、こちらはSサイズを着ています。

オレンジは、現状Mのみとなりました。















ベージュや白系など明るい色合わせがしやすく、

シンプルにホワイトのワイドパンツなどに合わせるのも素敵です。















クチナシブルーも同様ですが、

前を開けて羽織った際の見た目の軽さや

鮮やかさで、羽織ものとしての活躍も相当に見込めます。

ご紹介はもう少し後になりますが、

ノースリーブのワンピースもございます。

異素材の組み合わせをぜひ楽しんでくださいね。