2019年3月11日月曜日

印象のアシンメトレー

毎シーズンテーマ性を持たせたsusuriのコレクションの

中にあって、シーズンレスで提案し続けているワンピースがある。

テーマを超えたところで、その佇まいは、彼らの感覚と

一致している部分が多いのかもしれません。

毎回異なるテーマの中で見ていても、

なんの違和感もなく、溶け込んでいる。

今日はsusuriから、あの定番ワンピースのご紹介です。





















susuri ヘムレンワンピース

stone、teal の2色をセレクトしています。
(写真はteal)

¥30,000+tax
















素材は、いつもと同じオリジナルのタイプライタークロス。

タイプライターというとメンズのシャツ生地ではお馴染みで、

シャカシャカという手触りが印象に残りますが、

こちらのsusuriさんの使用する生地は、全くその感触とは

異なる、もっとしっかりとしながらも柔軟で、

まるでヴィンテージの布地のような手触りです。

表面に出たシワ感は、生地の特性の一つで、

アイロンをかけても消えません。

洗いざらしで軽くたたいて整えて、ノーアイロンでも

着ていただけます。





















susuriと言えば、「シャツ」と思い浮かべるほど、

初期のコレクションではシャツの多い印象でした。

実際、デザイナーの斎藤さんはシャツが大好き。





















シャツワンピースというと、シャツとしての

重要なディテールデザインをおろそかにしがちですが、

susuriさんの作るシャツワンピースは、まさにシャツ仕立て。

トップ釦まで留めて、きれいに下がりの付いた小さな襟が

とても印象に残ります。

バストラインで切り替えたフロントデザインの印象は、

とてもきっちりとしたシャツデザインを長くしたイメージ。





















ところが、背面はこの通り。

ヨークや襟吊など、シャツに見られるデザインは

踏襲するものの、激しいギャザー分量や

極端に長いループは、前から見たおとなしそうな印象とは

裏腹に、たくさんの遊び心を感じさせる。
















さらに、ただ激しい量のギャザーが入るだけでなく、

ヨコから見た際の背中の丸み具合が大きな特徴である。

これが「ヘムレン」と名付けられた所以であるが、

ムーミンに登場する偏屈なおじさん、ヘムレンさんの

あの独特な佇まいにインスピレーションを受けている。















一枚で着用しても透け感のないシャツワンピース。

前からの印象はきっちりとしたシャツの感覚が多くを占める。





















ところが、少し角度を変えてみるとこの通り。

印象が一変する。

アシンメトリーデザインを好む齋藤さんらしい

仕掛けのある素敵なデザインです。















大き目なパーカーコートを羽織って。
(コートは完売いたしました)





















stoneは少しお出かけ使用にコーディネート。















タイツも同系色にそろえて、黒で締める。















背面のふくらみは、刻一刻とその時々で

表情を変える。

それもまた、着ていて楽しい要素の一つです。















春の陽気に、うっすらグレーイッシュなネイビーの

リネンの羽織を合わせてみる。





















このワンピースは、初めての登場で、

すでにsusuri の代表作になる予感は誰もが持っていた。

左右非対称のデザインをアシンメトレーというが、

このワンピースはどこにもその要素はない。

しかし、着用した時の印象はどうか?

前から見た時の印象と、横から見た時の印象は、

まさに印象のアシンメトレーと言っていい。

人はそういったギャップにハッとするものだ。

新作の多い今期のsusuriのコレクションにおいて、

そこに全く引けを取らない存在感。

susuriに興味はあるが、まだ着たことがないお客様。

ぜひ、まずはこちらから着てみてはいかがでしょう。