2018年11月10日土曜日

未来を信じた東奔西走

NO CONTROL AIR(ノーコントロールエアー)のデザイナー

米永さんは、芸大で建築の勉強をしていた人。

それはお店でもよくお話ししているし、ブランドの

説明にも書いているので、好きな方はご存知でしょう。

しかし、ものすごく驚いたのは、彼が100%独学であるという事。

そして、デザインだけでなく、さらに専門性の高い、

パターンも自身で手掛けているという点です。

「今も常に勉強中です。」という彼の姿勢は、とても尊敬できる。

経歴を聞いていると、学校にもう一度通うチャンスが

なかったわけでもない。

自ら、その道を選んだのです。





















NO CONTROL AIR

ウールコットンダブルフェイスワンピース

khaki ¥24,500+tax
















カーキと言っても、ブラウン系のカーキ。

裏側のグレーがちらちら見えて、より素材の表情に奥行きを感じます。





















裏側はコットンで肌触りも優しい感じ。
















折り返さずに着るタートルネックです。

首の傾斜に沿ってきれいに立ち上がります。





















ポケット布には滑りの良い素材を使用しています。





















そして、身頃から裾まで真っすぐのシルエットは、

同ブランドにしては珍しい全体に細身の印象のワンピース。

着丈も長めのデザインですので、スリットは必要でしょう。

両脇にスリットが入ります。





















色はカーキとネイビーの2色展開です。





















こちらがカーキ色のサイズ36。

小さいほうのサイズです。

スリムに見えますが、ジャージ素材で、

しかも表側はリブ編みですので、伸縮性は十分にある。















バスト寸が100cmちょっと、そのままの幅で

下まで落としたシルエットです。















重さもなく、軽いウールのワンピース。

二重編みですので、冬も直接コートを着れば十分でしょう。















こんな具合に。

もっと重ねて、、





















温かい。





















コートを着るまでは、こんな重ね着も素敵です。















ポンチョの様に着てみたり、















ショールみたいに羽織ったり。

中間衣料の重ね着を楽しむのもいい。





















こちらはネイビー。

フラットシューズで合わせてみました。















足をある程度広げても、動きやすい。















おしゃれ着としても、そしてラフな普段着としても、

どちらの顔も想像できる、そんなワンピースです。















同系色でわかりにくいですが、上からゴーシュの

ノースリーブのロングジレを着用しています。















こちらもコートを着る一歩手前の装いです。















NO CONTROL AIR についてもう一つ興味深いことがある。

それは、ゴーシュのお二人と深い交流があるという事。

同世代で、同じような土俵で勝負しているデザイナー同士としては

とても珍しいケースかもしれません。

出会いは、昔々の合同展示会だったそうです。

2ブランドとも当然、無名も無名。

その展示会も相当暇だったそうで、会場をウロチョロする中、

ゴーシュの泉さんが「これは!面白いかも。」と感じたのが、

NO CONTROL AIRだったそうです。

誰もが知るトップメゾンでご夫婦ともに活躍してきた、

生粋の洋服屋である泉さんが注目したブランドが、

誰にも服作りを教わることなく歩んできた米永さんたちの服だった。

自分にないものに魅力を感じるという原理は、こんな極端な

部分でも働くものなのだと、興味深く話を聞いていた。





















その展示会で意気投合し数年後、彼らはまだ暇だったそうだ。

お互いお客さんもほとんどおらず、気になるショップに手持ちで

作ったサンプルを持ち込むような日々が続いていた。

そこで、なかば冗談で始めたのが、ゴーシュとNO CONTROL AIR の

交換販売らしい。ゴーシュが東京でNO CONTROL AIR を売る。

NO CONTROL AIRが大阪でゴーシュを売る。

今では夢のような企画だが、当時は両者とも必死で、

とにかく暇で、時間だけはあったからやってみたと。

それがきっかけになったかどうかは定かでないが、

5回ほど(つまり2年半ほど)続けたのち、お互いに

何となく忙しくなってきたそうです。

きっとそこには、彼らにしかわからない、

なんともつらい思い出や、楽しい思い出が詰まっていることでしょう。

両者の作るものは、見た目やスタイリングは異なるが、

2人ともそれぞれに哲学を持って情熱的に服作りに挑んでいる

姿勢は同じだと感じます。

まさに、東奔西走した約5年間があったからこその20年。

変わらぬ姿勢で、これからも素晴らしいお洋服を生み出してくれることでしょう。