毎シーズン、バイヤーには明確な課題がいくつかあります。
それは好みや感性以前の問題で、例えば「真冬を凌げる防寒コート」とか。
「真夏に涼しい羽織もの」とか。「汗を目立たせないためのインナー」など。
いわゆる季節商材と言われるもので、お客様からの声を最も大きく反映する
部分でもあります。そこをアナベルらしくどうするか?
らしくなければアナベルの場合は潔く諦める方を選びます。
今回は、「冬の厚すぎないウールパンツ」です。
コットンウールアラジンパンツ
¥27,500(税込) ホワイト
この素材を見た時に、すぐに「これだ!」と思ってしまいました。
何が「これだ!」なのかと申しますと、冬の温かいパンツは「ちょうどいい」が
難しいところがあるのです。いい素材を使って裏地を付けると当然お値段は少し
パンツとしては高くなりますし、かといって素材で妥協はしたくない。
でもツイードなどの素材で裏なしで作るとチクチクが気になるケースも多いし、
チクチクしないにしても、それは「ちょうどいい」より「防寒用のパンツ」に
なってくる。お客様が欲しいという温かいパンツは、今のような陽気から
穿いて、インナーの使いようでは真冬も凌げて、あわよくば春先も、、。
そして重要で、必ず聞かれるポイントは「洗えるかどうか」なのです。
この素材を見た時、それを叶えてくれそうで、つい心の中で「これだ!」
と叫んだのでした。
穿いていただくとわかりますがとてもスッキリとした印象です。
FACTORYさんがよく使う素敵なボタンです。
この素材の一番のお気に入りポイントは、コットンウールということです。
しかも、50%づつの混率でありがたいことに表がウール、裏がコットン
という、まさにちょうどいいを実現してくださいと言わんばかりの素材です。
さっそく大きい方のサイズを自分用に購入して穿いていますが、
裏側がコットンですから、僕は全くチクチク感は感じません。
たぶん、敏感な方もこれは大丈夫ではないでしょうか。
しかも薄手ですから軽くてほのかに温かい感じが本当にちょうどいい。
しかし、グレーやホワイトでも透け感はなく、家で手洗いができます。
試しにもう3回お洗濯をしましたが、ネットに入れてLIVRERさんの
スタンダードな中性洗剤で普通コースで洗って、全く縮みなどはありません
でしたが、心配な方は表記通り手洗いコースでセーターなんかと一緒に
お洗濯をしたほうが良いと思います。
さらにお気に入りポイントを申しますと、色展開です。
見た瞬間に嬉しい3色展開でした。
絶対定番のブラックに、トップのグレーはややベージュがらみで
秋冬に明るく扱えて嬉しいグレー。もう一色がホワイトというのもいい。
僕は一年中ホワイトのボトムスを好むので、ウール素材でホワイトは
とても嬉しい展開でした。しかもホワイトも真っ白ではなく、少し
グレーの糸が混じったようなバニラホワイトなのです。
素材はこれ!と決めていったん持ち帰ってからじっくりと形を検討しました。
そして決めたのがこちらのアラジンパンツでした。FACTORYさんでは
全く別の素材で展開していましたが、annabelleではこの素材で作って頂きました。
まだ首都圏では日中20度近くになったりします。外に出るのが日中だけの方は、
まだまだこのくらいで十分なのかもしれません。
それがワントーンコーデの良いところかもしれません。
長めのブラウスにショート丈のレイヤーも好みです。
今度はコントラストをつけたスタイリング。
まだ少しだけ在庫がありますのでぜひ見直してみてください。
できますので安心です。白いボトムスは良い洗濯を覚えるきっかけにも
なりますよ。
写真はかなり色の再現性があるとは思いますが、実際に
見た方がもう少し明るい印象です。
ブラックは個人的にはコントラストコーデ一本勝負です。
ブラックのボトムスに同トーンでグレー系などを持ってくると、
結構その後手詰まりになります。スタイリングが難しくなるので、
トップスには白やカラフルな色を入れてあげるとおしゃれになりますよ。
してみました。そしてコートはこれ。
こちらのコートも近日ご紹介をいたします。
今回は良い素材に出会えたことで、自分的にはとてもちょうどいい
秋冬のパンツが別注できたと思っています。FACTORYのデザインは、
着用してみるとほのかにモード感が漂うかっこよさが見え隠れします。
モード全盛期を駆け抜けてきた野村家の母、社長の監修によるものか、
それともデザイン、パターンを担当するトップメゾン出身の長女の
感性によるものか。アナベルがテーマに掲げる「普遍性のあるスタイルの
創造」に欠かせないスパイスであることは間違いありません。