だいぶ以前のブログで、「こだわりの棒」の話を書いたことがあります。
こだわりは、ある種の執着のようなもので、それぞれに何かしら
ある様に思うのですが、妻は「私には絶対にない自信がある」という。
確かに、、妻の場合、それが特徴であり魅力なのかもしれない。
「ま、いっか!」「あれ?そうだっけ?」「何とかなるでしょ」
そんな言葉がよく似合います。
「こだわりの棒」は、こだわりが長ければ長いほど、
どんどん背の高い棒になり、ある時パタっと倒れます。
その瞬間、棒が倒れた勢いで波形が生まれ、
輪のように波が広がって他の人たちにも影響を及ぼしたりします。
だから僕は、影響力のあるものを作り出す人には、
他人には理解できないようなこだわりがあっていいと思っています。
テーパードデニム
初めてみた時から、「変わったことを積極的にやるデザイナー」という
イメージがありますが、お話をするとそれが彼のこだわりであることが
わかります。違和感のあることをわざとやりたがる。
でも、その匙加減がちょうど良い。
お手本のようなデニムを作ろうと思ったら絶対にできないもの。
いわゆる「ファイブポケット」ではなくトラウザーズの
ようなポケットです。
イエローゴールドを避けてのグレー。
さらにはジーンズの象徴とも言えるヒップヨークを無くして、
意味があるのかどうなのか?
ヒップヨーク風なダーツが入っている。
FIRMUMのデザイナー米永さんは、こういった主張がとても素敵です。
ブカブカのアウターの背面にも横ダーツを入れたりしますから、
きっと彼にとっては「マーク」みたいなものなんだと思います。
彼らのジーンズ(ジーンズと呼んで良いのか疑問ですが)には、
横ダーツと「点」のような閂(かんぬき)が一筋入ります。
トレンドによって毎回大きく変わるファッションもある一方で、
「anabelleぽいね」って言われることにずっと憧れてやっています。
自分でも、「これはannabelleぽいな、、」って感じることがあるんです。
今日のこれもそう思います。
でも、新鮮に見せたいな、と思って工夫するのは小物です。
ちょっと新鮮に見えるかな?
そう思って着てもらいました。
励みに、我々もそこを追求していきたいと思います。