2021年2月23日火曜日

こだわりの棒

だいぶ以前のブログで、「こだわりの棒」の話を書いたことがあります。

こだわりは、ある種の執着のようなもので、それぞれに何かしら

ある様に思うのですが、妻は「私には絶対にない自信がある」という。


確かに、、妻の場合、それが特徴であり魅力なのかもしれない。

「ま、いっか!」「あれ?そうだっけ?」「何とかなるでしょ」

そんな言葉がよく似合います。

「こだわりの棒」は、こだわりが長ければ長いほど、

どんどん背の高い棒になり、ある時パタっと倒れます。

その瞬間、棒が倒れた勢いで波形が生まれ、

輪のように波が広がって他の人たちにも影響を及ぼしたりします。

だから僕は、影響力のあるものを作り出す人には、

他人には理解できないようなこだわりがあっていいと思っています。










FIRMUM
テーパードデニム 

初めてみた時から、「変わったことを積極的にやるデザイナー」という

イメージがありますが、お話をするとそれが彼のこだわりであることが

わかります。違和感のあることをわざとやりたがる。

でも、その匙加減がちょうど良い。









極端に細い裾口や丸みを帯びた全体のシルエットは、

お手本のようなデニムを作ろうと思ったら絶対にできないもの。
















いわゆる「ファイブポケット」ではなくトラウザーズの

ようなポケットです。









ステッチもジーンズに多くみられる生成りステッチや

イエローゴールドを避けてのグレー。

さらにはジーンズの象徴とも言えるヒップヨークを無くして、

意味があるのかどうなのか?

ヒップヨーク風なダーツが入っている。

FIRMUMのデザイナー米永さんは、こういった主張がとても素敵です。

ブカブカのアウターの背面にも横ダーツを入れたりしますから、

きっと彼にとっては「マーク」みたいなものなんだと思います。










リーバイスはアーキュレーステッチが有名ですが、

彼らのジーンズ(ジーンズと呼んで良いのか疑問ですが)には、

横ダーツと「点」のような閂(かんぬき)が一筋入ります。










お店をやっていても思います。

トレンドによって毎回大きく変わるファッションもある一方で、

「anabelleぽいね」って言われることにずっと憧れてやっています。
















色々なスタイリングをご提案する中で、

自分でも、「これはannabelleぽいな、、」って感じることがあるんです。

今日のこれもそう思います。

でも、新鮮に見せたいな、と思って工夫するのは小物です。










白いソックスやボリュームの少ないストールは、

ちょっと新鮮に見えるかな?

そう思って着てもらいました。









こだわりを持って、「らしさ」に磨きをかけるデザイナーたちを

励みに、我々もそこを追求していきたいと思います。