2013年10月17日木曜日

ユニフォーム

十数年前、まだ靴屋で働いていた頃、

アディダスのベルクロの靴が流行っていて、

一日に何十足も販売していたことがある。

昔からあるモデルの復刻だったが、

尋常ではないくらい販売していた。

「流行りもの」は、過ぎ去ると全く欲しがる人が

いなくなって消えてゆくのだが、当時の先輩が

こう言っていた。

「これは、新たな定番の始まりだね。」

言葉通り、十数年たった今でも販売され続けている。

この出来事は、僕の中の意識変化のきっかけとなった。

「ちょっと変わったデザインでも定番になりうる」のだ。

最近、「ラップ」といわれる前掛けのようなものが付く

デザインを多く見かけるようになってきた。

その中にあって、僕はこれが一番好きだ。






















Travail Manuel ラップパンツ ¥15,750(税込)

ネイビー






















ウールサキソニーのチョークストライプ素材。

軽くてしなやかな素材。






















後ろはなんだか少し可愛らしい。






















おもしろいデザインのわりに、

シンプルなコーディネートが良くはえる。






















後ろ姿が大好きです。






















寒くなったら、羽織りものを。






















これはミドル丈。

もちろんロング丈、ショート丈も合わせやすい。

そして、しっかりと存在感もある。
















冬に軽快なスリップオンもかっこいいかもしれません。






















ちょっと厚手のガウンで個性的に。


今回で4シーズン目を迎えるこのパンツ。

春夏は麻素材。

秋冬はウール素材。

もちろん来年の春も販売します。

アナベルのお客様にユニフォームのように着てほしい。

色違い、素材違いで楽しんでほしい。

いつのまにか、新たな定番になることを願います。




2013年10月15日火曜日

真冬のワルツ

中世ヨーロッパの農民にとって、

踊ることが一番の娯楽であったという。

アルプスの麓で農民が踊っていたダンスは、

時を経てワルツとして都心の住民にも親しまれた。

そして、中世ヨーロッパの農婦のワンピースは、

現世でもっとも親しみのある形の一つでもある。

冬に向けて、お勧めのワンピースが入荷しました。






















フランスを代表するファクトリーブランド、

ARMEN  ブラッシュドドリルクロスワンピース ¥23,100(税込)

ネイビー


厚手でしっかりとしながらも、表面をソフトに

起毛したしなやかな素材は、昔の農婦が作業着で

着用していたかのような想像を働かせる。

女性らしいワンピースに相反するような、

男性的なヘリンボーンがおもしろい。
















少し肌寒くなってきた今、

インナーにタートルネックを一枚着るとちょうどいい。






















さらに寒くなったら、、、

今ではわずかしか残らない、本物のシェットランドシープで

彩られた、フェアアイル柄のニットベストが良く似合う。






















maison de soilの大判ストールをぐるぐる巻けば、

かなりの寒さに耐えられる。そして、おしゃれ。
















ポケットもしっかり付きます。


昔、昔の農婦たちは、手織りの麻や羊毛の布地を使って、

作業用ワンピースを作っていた。

冬の厳しい環境下では、羊毛で織ったり編んだりした、

大きな三角布を巻いていた。

数百年の時を経て、日本のファッションシーンの

もはや定番スタイルといっても良いようなものになるとは、

当時の誰もが想像すらしていない。

ただただ、環境や生活に合わせて着て、働いて。。

寒い、寒いアルプスの冬を、、

真冬のワルツを踊りながら。






2013年10月14日月曜日

飾れない美しさ

日本特有の美意識として存在する、

「わび」と「さび」。

質素な土壁に、うっすらと木漏れ日が降り注ぎ、

素木の床。

朽ちた花器に一輪ざし。

この日本独自の美意識を、

洋服で表現しているようにも感じるゴーーシュ。

今シーズン最後のご紹介です。






















ハンドフレームニットワンピース  ¥57,750(税込)

グレー

シルクとカシミアと羊毛の混紡糸を

ハンドフレームで丁寧に編みあげたワンピース。






















大胆な太さの袖とリブが特徴的。






















落ち着いた印象がありながらも、

発色のきれいなベージュ。

















本当にうれしい、ポケット付き。
















太くて印象的なネックのリブは、

まるで装飾を嫌うかのように存在する。






















しっかりとした編地ながらも、しっとりとした肌触りと

きれいなドレープ感が味わえる。






















ほどよくラインが出てくれるヨコ姿。

飾ることが嫌になるほど美しい。



そして、同素材の丸首のセーター。。。






















ワンピースでは完売した、ブルー。

深みと明るさを同時に感じる青。

ハンドフレームセーター ¥36,750(税込)






















どんな色身にもやさしく馴染んでくれる、

ベージュ。






















スタイリッシュな印象の強い、グレー。

選ぶのが難しい、、、3色展開。






















ながーーいリブの、やんちゃなパンツに合わせて。

手に持っているのは、小荷物ではありません。

巻いてもらいます。






















アレンジの効く、大判のストールで遊びます。
















しっとりと落ち着きのあるブルーは、

濃色や白のコーディネートに良く似合います。






















肉厚な巻きスカートに合わせて。

シンプルながら迫力を感じます。






















シングルのトレンチコートで冬支度の完成です。

でも、真冬はタイツのほうがおススメです。


飾らずとも美しい、シンプルで力強いこのニット。

今シーズンのアナベルでは、丸首のセーターを

たくさんお勧めしたく、スコットランドのブランドに

別注をかけたものも含め、これからたくさんの

セーターの入荷がございます。

同じような形で、選べないほどの色が並びます。


飾りつける美しさ。

飾らない美しさ。

飾れないほどの美しさ。


ゴーシュのお洋服は、静かで、シンプルな印象を

持たれがちですが、それよりも力強さが上回り、

洋服からお二人の主張が強烈に伝わってきます。

ぜひ一度体感してみてください。





2013年10月8日火曜日

好きこそものの上手なれ

時を超えて、今に残るものには、

人を魅了する力があるのでしょう。

このかばんを初めて見た時、ドキッとしました。

今までも似たようなものは見てきたような気がしますが、

その違いは、万国共通の美的感覚に起因するものなのでしょう。

僕はたまたま、このかばんの作者と感覚が

似ていただけなのでしょう。

皆さんはどうでしょう。






















春に入荷した時は、あまりに速い完売で、

ご紹介ができませんでした。

IMAYIN(イマイン)のかばんが再入荷いたしました。






















IMAYIN ヴィンテージクロスバッグ(小) ¥13,650


あるスペインの女性が、東南アジアやインドを

バッグパッカーで旅をします。

旅の途中、いいと思う好きな古い布を収集し始めます。

そして、好きなように切ったり縫ったりして、

かばんを作り始めます。

古い布と戯れながら、モノづくりをするのが好きで

夢中になっているうちに、1998年、いよいよブランドになります。

およそ50年前のヴィンテージの布地を中心に作られた

彼女のかばんは、長い時を経て、今僕の目の前にあります。






















IMAYIN ヴィンテージクロスバッグ(大) ¥17,640(税込)

古い布地を使用しているため、柄は全てアソートで1点モノです。

コーディネート写真のサイズが「小」、それより一回りほど

大きいものが「大」です。






















IMAYIN アンティークビーズバッグ(小) ¥22,050(税込)

こちらは、アンティークのビーズを惜しげもなく全面に使った

総ビーズのかばん。

彼女が旅をした場所から、アフリカではなく、

おそらくタイやミャンマー、インドのビーズなのではないでしょうか。


ファッションを仕事にしてきたわけでもない、

古い布地やビーズに魅了され、

ただ、ただ好きで作り続けた彼女のかばん。

50年も前に使われていたアジアのヴィンテージクロスを

スペインのバックパッカーが収集し、かばんを作り、

今、世界に発信している。


好きで好きで仕方のないことは、

続けていた方がいい。

このかばんからは、そんな彼女の楽しい気持ちが

伝わってくるのかもしれない。

だから魅力があるのかもしれません。





2013年10月6日日曜日

時を超えて

僕の好きな言葉、「温故知新」。

古いものの良さを知らずに新しい、

良いものは創造しえない。

僕のモノ選びの基準の一つです。

このニットを初めて触った時、

自然と素朴さと新しさを同時に感じました。






















ゴーーシュ ハンドフレームニットカーディガン ¥66,150(税込)

ブルー






















シルクと羊毛とカシミヤの混紡糸。

しっとりとやさしいさわり心地。

糸の良さを生かすべく、ゆっくりと

ハンドフレームで編まれている。

ボタンは水牛ボタンを使用。






















チャコールグレー

















全体のバランスを整えてくれるかのような太いリブ。






















前身にはしっかりと見返しが付く。






















キャメル






















いつものように、うれしいポケット付き。


トラディショナルなモノづくりの精神を持ち、

決して懐古的なデザインにならないデザインワーク。

アナベルでは、そういう商品をたくさん紹介したい。

きっとそれは、時を超えて愛されて、

いつの時代か、新しい創造の源になるはずです。


















布帛と比べて細かい表現がしづらいニットでも、

ゴーシュらしさは健在です。



2013年10月5日土曜日

原点回帰

今秋、ゴーシュさんの展示会にて。。。

細長い白壁の空間の両脇に、入荷時期の順番で

商品がきれいに並んでいる。

僕はある商品の前でピタッと止まって、生地を何度も

触って、そして、いろいろ考える。

「なんだこの生地、、、。」

「モッサか?軍モノの1kgメルトンか?」

あまり触れたことのない感触だ。そして、重い。

「カリッとしていて重さがあるから、、、、

ナイロンが少し入った高密度メルトンかな?」

そう思って、品質を確認すると、「WOOL 100%」とある。

いよいよわからなくなって、泉さんに質問する。

「これ何ですか?」

目を輝かせながら、、、

「モッサでもメルトンでもないんですよ。カットパイルなんです。」

カットパイル? 洋服用で?

驚きを通り越して、感動したのを覚えている。

昨日、いよいよ入荷しました。






















ゴーーシュ カットパイルフードパーカ ¥54,600(税込)

型は、3月に「ん?」でご紹介した、あのすごいパーカーです。


泉さんの話はまだ続く。

中学時代、先輩にもらったコートがあると言う。

計算すると30年ちょっと前の話だ。

なんとそのコートを今も着ているらしい。

この生地は、その思い入れのあるコートを機屋(はたや)に持ちこんで、

「再現して欲しい。」

と頼んだという。

が、、、、しかし。いつもと反応が違う。

ちょっと困っている。

「これね、、、、。作れる人いるかな?いないかもしれないよ。」

そう言われると泉さんは余計作りたくなる。

とりあえずコートを預けて返事待ち。

時が経ち、返事が来た。

「いたよ、作れる人。一人だけ。」

なんと衣料用のカットパイルを作れる人は

現在、日本に一人しかいないらしい。






















色は、黒に見えるが、タテ糸がロイヤルブルー、

ヨコ糸がブラックの綾織物。

よって、全体的にはダークネイビーに見える。

凄まじい加工を3回繰り返すことで出来上がるのだが、

とてもそうは見えないほどに、きれいに目が立っている。

レディースのお洋服とは思えないほどのハードな素材だが、

十二分に、「らしさ」を貫いた、最高の仕上がりだ。

















パンツスタイルにはもちろん。

スカートやワンピースにも合わせやすく、

生地の豪快さとは裏腹に、すっきりした印象。


今シーズンのゴーシュさん、

8月のインド手紬から始まり、9月のツイード天竺、

そしてカットパイル、さらにこれからご紹介していく、

高級素材てんこ盛りのハンドフレーム(手ヨコ)のニット。

いつもながらに、トラディショナルな素材作り。

ワンピースはワンピースらしく着てほしい、

その思いからワンピースは全てプルオーバースタイルに。

従来、パンツ中心のメンズライクなスタイルが好きなお二人らしく、

一つを除いて、極端にもボトムスは全てパンツだった今シーズン。

お二人の原点回帰を感じずにはいられない。





2013年10月1日火曜日

とぼけた顔してダンディー

ワークブランドは好きです。

古着も好きです。

とりわけ現代のワークブランドは、

ストイックに作ったものよりも、

いい意味で手加減した、とぼけた顔したものの方が

より好みです。






















これも、展示会場で遠目に見て、

「あー、あれはバイイングしよう。。」

そう思っていた、とぼけたズボンです。

YARMO ¥22,050(税込)

ink black






















off white

orslowやArteporveraのような、きれいな

パターンメイキングは一切期待できません。


















シルエットだけでも十分とぼけているのに、

さらに、下がりの付いたおとぼけ感満載のポケット。

「古着のヨーロッパワークには興味があるけど、、、

サイズが合うものがなくて、、履いたことがない」

そんな人にはぴったりです。

現代の秀逸にパターンメイキングされたパンツでは

味わえない、いい意味での野暮ったさが満載です。

ただし、生地は古着とは比べ物にならないくらい上質です。






















柔道着のように長い共布の帯。






















「シミがあるよ。」

と、軽くクレームをつける妻。

そうなんです。シミがあるんです。

でも、そういう商品なんです。

染めジミなんかなんのその。
















とても現代のパンツとは思えない後ろ姿。

この野暮ったさが、こなれた感を演出します。
















最初からこういうスタイリングが頭に浮かびました。

シャツ、ブラウスをインしてもいいかもしれません。
















スカーフを巻いてダンディーに。






















ダンディーに。。。
















ダンディーに。。。
















とぼけた顔して、ダンディーに。。。



スカートに女性らしいスタイリングが多い人が

たまにダンディーだったらかっこいい。