<姉妹伴>
姉妹伴(しまいはん)とは、中国福建省恵安地域に古くからある
文化風習の名前です。その風習とは、仲の良い女性たちが数人の
グループを作り、寝食を共にするというもの。
その絆は実の家族と同じくらいに強く、結婚しても続くのです。
我々は、その文化風習になぞらえ、西荻窪のpoefuさんとの
共同別注企画を「姉妹伴」と呼ぶことにいたしました。
とくに姉妹店であるわけでもなく、それぞれが独立した
異なるセレクトでお店を運営する中で、一緒に取り組める部分を
突き詰めて、自分たちが楽しみ、デザイナーさんへの協力を
仰ぐかたちで、2012年の秋から長く続いています。
今年の春夏は、姉妹伴の定番ともいえる「Honnete」さんとの
IRISH LINENシリーズをご紹介いたします。
今日は、Tシャツタイプのブラウスと双璧をなし、
長くブランドの中心として存在し続ける商品のご紹介です。
Honnete 姉妹伴
Gather blouse ¥23,000+tax
※今シーズンはannabelleだけでのお取り扱いです
こちらのギャザーブラウスも、袖口のカフスの長さが一度変わったことを
除くと、私が初めて見た時から全く変わらないデザインで存在し続けています。
袖口はこのようにボタンの付いたカフスタイプ。
昔はもう少し短いカフスが付いていましたが、数年前にマイナーチェンジし、
これにより、全体の裄丈が長くなり、肘がしっかり隠れるような長さになりました。
台衿のないワンピースカラーがリラックス感を生み、
やや後ろに抜け感のあるデザインをより引き立てています。
背面にはギャザーが施され、丸みと直線をいっぺんに感じる
不思議な印象です。身頃から直接飛び出したかのように付いた
カフスがTシャツブラウスと同じく特徴で、こちらはボタン付きの
カフスである分、さらに袖のない不思議な感覚にとらわれます。
2011年の5月ころだったと記憶していますが、すでに独立してお店をやりたい
と決意していたわたくしは、休みを使ってレディースのお店をいろいろと
見て回っておりました。レディースのお店がやりたかったのですが、
ずっとメンズにしか関わってこなかったため、「どんな感じかなー?」という
単純な興味で見て回っておりました。
dusty pink
leaf green
gold beige
Iron navy
ある日、渋谷、原宿地区をうろうろしていた際に、少しトラッド色の強い
お店に入った時、目の前にぶら下がっていたブラウスがこちらと同デザインの
真っ白なコットン生地のものでした。メンズをやってきた私にはなかなか衝撃的で、
「袖がない!」と思ってじろじろ見てしまいました。
その後で、その頃の定番コースだったのですが、西荻窪の poefu さんへ
立ち寄り、ガラガラっと引き戸を開けると、目の前にさっき見たあの白シャツが
ハンガーにぶら下がって、ゆらゆらしながらこちらを見ています。
「あ!あのブラウス。」と思って、すぐに柿本さんにいろいろ教えていただき、
ついには一緒にメーカーへ連れて行っていただいたのです。
それがわたくしの First Honneteでした。
light blue grey
maison de soilの手染めスカートにタックイン。異素材感の際立つ
同系色のスタイリングは、シンプルながら迫力がある。
少し抜けた感じの身頃と、いい感じに寝た小さな襟の
バランスは、10年近く昔のデザインとは思えない素敵なもの。
あらためて、デザイナーの内田さんを尊敬します。
後ろに少し抜けたラフな衿と丸みのあるふんわりとした肩まわり。
このバランスも、シャツとブラウスの中間をいってとても素敵です。
きちっとした印象とラフな印象が程よく交じり合う。
唯一、デザインが変わったカフスの長さにより、
着用した際に肘が隠れるような長さになりました。
もちろん、ワンサイズですので、腕の長さにより多少は異なりますが。
同じ色をふんわりパンツで。
襟付きのシャツとパンツですので、少しメンズライクな印象も
残りながら、ラフで涼しげなワンツーコーデ。
dusty pink
ふんわりパンツのインディゴに合わせて。
くすんでいるようで、ほんのりと明るいピンク。
インディゴとの相性も抜群です。
デニムにも合いそうですね。
そのままタックインしてみます。
少し女性らしさが増して見えます。
ちょっと裾を引っ張って、ふくらみを作って着てみてください。
前開きのボタンブラウスで、Tシャツタイプより少し着丈が
長くサイドポケットがないこともあり、タックインも容易です。
gold beige
そして、こんな着方も。
maison de soilの手染めスカートにゴールドベージュ。
ボタンをいったん全部外していただき、端っこの布を持って
小さく肩結びをしています。そしてお好みでボタンをいくつか留めてみる。
羽織のような感覚で、レイヤーも楽しんでいただけます。
真夏の羽織のバリエーションにも加えてみてください。
同じ色をシンプルにパンツスタイルで。
ところどころ、黒で締めて。
leaf green
同じくストーングレーにシンプルにワンツーコーデ。
ラフでナチュラルな印象と、クラシカルな印象を
持ち合わせた絶妙なグリーン。
ほんのりとグレーを感じさせるグリーンとストーングレーの
ボトムスは、ある意味で同系色なのでしょう。
タックインをして、帽子を変えてみると、
また違った印象をもたらします。
様々な表情をお楽しみください。
iron navy
maison de soil の手染めスカートに。
少しちゃんとした印象のあるアイアンネイビーは、
強い質感のスカートに合わせてみました。
なぜ、初めてHonneteを見た日のことを思い出したのだろう?
自身では着ることができない素敵なブラウスを前に、8年間の歩みを
共にしたHonneteとの出会いがノスタルジックに蘇ったのかもしれません。
着ることのできない私だからこそ、それが遠い昔に感じることができ、
このブラウスの普遍性を芯から感じることができるような気がします。
きっとさらに10年後も古びることなく愛されるデザインなのでしょう。
<お知らせ>
「暮らしとおしゃれの編集室」連載の番外編として、
普段から仲良くさせていただいている5件のお店をあらためて
わたくしが取材して記事を書きました。
5月18日~22日までの5日間連続での掲載です。
2日目の今日は「plainclothes shifuku(シフク)」を
ご紹介しています。ぜひぜひ、ご一読ください。
宜しくお願いいたします。