子供が偶然撮影した写真や、姉の真似をして一生懸命
書き写した書道の文字、小さな子供が一瞬で書いた絵。
彼らが生み出すものは何であんなに面白いのか?
やっぱりそれは、そこに作為的な思考が全くないからだろう。
賢くなれば、半紙からはみ出さないように書くだろうし、
書く文字に対して、半紙が小さすぎることに疑問を持つだろう。
何の疑問も抱かず、ストレートに表現した面白さなのでしょう。
そんな感性を持った天然染めのお洋服です。
maison de soil
pachwork rapdress naturaldyed
墨染 ¥46,000+tax
maison de soilでは、5年ほど前から色合いやデザインに変化を
加えながら、長く続けている天然染めのシリーズです。
まず魅力を感じるのは、毎回異なる素材を組み合わせた
パッチワーク生地を用いていること。
およそ20cmくらいの幅で3種類の異なる生地が縦に
パッチワークをなしている。
右が大き目なコットンのチェック。
真ん中が小さなコットンのチェック。
そして左が無地のリネン素材。
素材や柄の異なる生地がパッチワークで構成されている。
だからこそ、天然染を施した際に、通常の生地とは異なる
染まり方が面白い表情を生んでいる。
染色を施す前の生地を「基布(きふ)」と言ったりしますが、
このワンピースの場合、3種類の基布で構成されていますから、
同じ染料で染めていった際に、意図せずとも自然に異なる
染まり方をして、自然に面白い表情を見せてくれる。
それが毎回楽しみです。
とりわけ、このピンタックと平らな部分の境目などは、
最も味わい深く、陰影もはっきりと出て面白い。
墨染は、室内の近距離で見た時の印象からすると、
想像以上に自然光の中で明るく見える感じがしました。
このブログ上でご紹介していても感じていただけるかと
思うのですが、室内で撮影した商品写真より、妻が着用して
自然光で撮影したもののほうが明るく見えます。
これは、どちらかが不正確なのではなく、どちらも正しいのです。
とても迫力のある仕上がりです。
打ち合わせはカシュクールのように重なり合っていますが、
センターでボタンを留めて着ていただけるデザインです。
ボタンは同ブランドの特徴でもある、共布の包みボタンです。
ボタンを開けると軽快な羽織としても着ていただけます。
ポケットもございます。
indigo+泥 ¥46,000+tax
墨染と同じパッチワークの基布を用いて、
indigo染めを施した上から泥染めをすることで、
全体に土っぽく、少し黒っぽく藍が染まった雰囲気が出る。
濃淡は墨よりも強く出ており、こちらも負けず劣らず味わい深い。
同じ染料で染めても、染まり方が場所によって異なり、
化学染料と比較して、耐光堅牢度(たいこうけんろうど)が
低いことから、紫外線や蛍光灯での変色が考えられますが、
いったん所持してみると、その変色すら味わい深いもの。
着方はとても自由で、こちらはボタンは全て外しているが、
紐で軽く前を結わいている。
ローブカーディガンのような感覚で着ています。
こちらはラップドレスである打ち合わせを生かし、
カシュクール仕立てで着てみました。
ボタンや打掛があるわけではなく、簡単に布を重ねて
紐で結わくだけですので、ワンピースというよりは
このように結わいても可愛いという程度で考えてください。
墨染でご説明した通り、ボタンはカシュクール位置ではなく、
センターに施されております。
ワンピースで着たいときは、インナーパンツやペチコートを
用いて、ボタンをセンターで留めるといいですよ。
ちなみに、トップスからウェスト辺りまではピンタックが
ありますので、まったく透けません。
気温差のある今時期はワンピースやブラウスに重ねたり。
もっと温かくなってきたら、キャミソールの上から羽織ったり。
ワンピースで着たら涼しいでしょう。
今回はこのシリーズでもう一つワンピースがある。
パッチワークではないので、少し印象はことなりなすが、
天然染めの自由な表現は伝わってきます。
maison de soil
bandcollar pintuckdress
墨染 ¥35,000+tax
こちらも前開きのピンタックワンピース。
ただし、生地がパッチワークではございません。
ふんわりとソフトな生地感は同じく、
こちらは細いストライプ柄のコットン生地。
それを同じく墨染でオーバーダイしています。
トップスはピンタックですので、透け感はございません。
また、ラップドレスが平たい包みボタンであるのに対し、
こちらはコロンとした丸い包みボタンを使っています。
こちらは、バンドカラーのボタンを上2つほど
外して、ラフな感じで着ています。
妻はこのほうが好きだそうです。
そしてサイズのことにも触れておかないといけません。
通常、Ⅰ、Ⅱ、の2サイズ展開で、annabelleでもそのように
お取り扱いすることが多く、妻は通常であれば Ⅰ を着用しています。
しかし、このシリーズは製作段階で予想できない幅で縮みが出ます。
今までも Ⅰ が思ったより短くて困ったことなどがあったため、
annabelleではこのシリーズを Ⅱ のみのお取り扱いにしています。
結果、どうなるかは染めてからでないとわからないのですが、
今回は本来の設定より5cm短い120cmの着丈であがっています。
155cmの妻も少し長めにちょうどよく着ているので、
同じくらいの身長、もしくはそれ以上の方は安心してⅡで大丈夫です。
こちらは、今回「indigo + 泥染め」が完売しており、
墨染のみのご紹介となります。
天然染めのお洋服は、当初は単独で手洗いをしていただいたり、
日光に強く当たらないように日陰干しが必要だったり、
少し洋服のことを気にかけてあげないといけません。
きっと、生活の中にアンティークや古道具を取り入れたり、
古い車をあえて乗っているような方は、まったく抵抗がないのかと思います。
今の時代、メンテナンスフリーでシンプルな商品はいくらでもあり、
それらを上手に活用しない手はないでしょう。とても便利です。
でも一方で、すべてがそうなると味気なく感じることもあるものです。
ちょっとしたひと手間が、心にゆとりを生んだりするものです。
この機会に、ちょっとだけ手のかかる天然染めのお洋服を
手にしてみてはいかがでしょうか。
同シリーズで、定番のスカートもございますので、
併せて通信販売ページでご覧ください。