2019年10月15日火曜日

safujiのミニ長財布

僕は革が好きだ。いつも革のことばかり考えている。
革の持つ丸み、厚み、匂いや手触り、暮らしに溶け込む風景、それを持つ人たち。

革と向き合い、対話する。いつも言うことを聞いてくれるわけじゃない。
そっぽ向かれることもしょっちゅうだ。そんな自在なさに触れるたび、
もともとあった命を感じる。

そこに新しい命をのせて、吹き込んでいく。
モノとして、永く使ってもらえるように。


この文面は、safujiのホームページを見ると書いてあるものですが、

最初にsafujiさんにオファーをかけたとき、この出だしの文章調が

なんとも気に入ったのを覚えています。

どこか少年ぽさの残る、純真さや誠実さが表れているように感じました。
















このご夫婦が、safujiを切り盛りするお二人です。

新しいアイデアに溢れ、創意工夫が得意なご主人と、

職人として凄腕を持つ奥様。

どちらが欠けても困る、まさに二人三脚。


どれを見ても機能美に溢れる使い勝手の良い商品がたくさんある中で、

自他ともに認める彼らの代表作にして大傑作はというと、

やはりこちらではないでしょうか。

















safuji ミニ長財布(ホック)
¥24,000+tax

イタリアの天然皮革、天然鞣し(なめし)のレザーをコーティングなしの

スムースレザーで使用しているため、どの色を選んでも使用していくうちに

変化が楽しめるのも大きな特徴といえるでしょう。

同じ天然皮革でもクロム鞣しでは味わえない革本来の風合いや経年変化を

感じていただけますと幸いです。















グリージオ

グレーッシュなオリーブカーキのような色味のこちらは、

もっとも色の変化のあるカラーです。

また、新品の状態では、この革の特徴の一つである

表面を少し削ることで生まれる、わずかなザラザラとした感触と、

全体に見られる白っぽく広がるムラ感が最もわかりやすい色味です。

革に施されたその加工は革をつくるイタリアの職人たちによるもので、

もともとがそのような表情の出る革なのです。





















こちらが経年変化です。

上が新品で下は沢藤さんが3年ほど使用したのちに、

アトリエで経年変化見本として1年半ほど置き続けているもの。

ダークブラウンやキャメルの変化とも少し異なり、金茶のような

独特なブラウンが気に入って、アナベルでは茶系は取り扱わず、

茶系が欲しい方にはこちらをお勧めしています。

実際に2年ほど使われているお客様のお財布を拝見すると、

もっとずっと、元の色味に近い雰囲気を残した感じではあります。

変化のスピードや傾向は、多少の個人差がございますので、

上の経年変化は長年使った末の最終段階のような感覚でご覧ください。















ブラック

ブラックは妻が1年ほど使用していますが、ザラザラ感がなくなり、

ツヤがどんどん増してきて、色味の変化は少なく、ますます黒っぽく

なってくるような印象です。





















写真では伝わりにくいかもしれませんが、上が新品で

下が1年ほど使用したものになります。

色の変化というよりも、ややざらつきのあるマットな風合いが、

使うほどにツヤを増してくる印象です。

また、ホックの真鍮は金工作家さんにお願いして作ってもらっている

safujiのオリジナルです。真鍮の球を少し叩いて若干つぶれた形状が特徴です。

こちらもも本体と同じく、新品では鈍く、使うほどにキラリと光ります。















ネイビー

一番最初にsafujiのお財布を使ったのは長財布のネイビーでした。

経年のサンプル写真はないのですが、変化はブラックに非常に近く、

ツヤをましてどんどん濃くなります。1年ほどの使用で、室内などでは

ブラックとの見分けがなかなかできないほどなのですが、

やはり並べて肉眼で見ると、わずかにネイビーが青みを帯びて、

柔らかさを持っている印象です。


さてさて、このお財布。

どこがそんなにお勧めなのかと申しますと、、















パッと開いて、大きな小銭スペース、お札入れ、レジなどで

よく使うカード5~6枚が、一度によく見える。

実際の妻のお財布がこちらです。















左手の親指が触れているあたりがお札スペース。

その横の大容量でこぼれ落ち防止のフラップが付いた小銭スペース内に

施されたカードスペース。ここには主にスーパーやコンビニなどで

出すことが多いポイントカードなどの類を入れています。















この財布に変えてから、妻が劇的に変わったという個所は、

小銭が妙にたまることがなくなったそうです。

私もデザイン違いを現在使用していますが、とてもよくわかります。

見やすいし、取り出しやすいので、ちゃんと小銭を使うのです。

ノンストレスで。















そして、小銭スペースの脇へ進むと、さらなるカードスペースが。

こちらは縦に2列、7枚ずつ程度が収納でき、14~16枚ほどが入ります。















実際の使用例がこちらです。

妻は縦の2列だけでなく、一番端のお札も入れられるサイズのスペースにも

カードを横にして7~8枚となんだかよくわからない紙切れをガサっと入れています。

ここは人によって使い方がまちまちで、私はこのスペースに領収書を入れています。

人によっては、一万円札は奥に入れて、崩れたら1000円、5000円札を手前に

入れている人もいるみたいです。

見てもお分かりの通り、お札を折らずに入れられる最小サイズの

長財布で、カード類も含めてなかなかな収納力も兼ね備えたデザインです。

通常の長財布と比べると、そのコンパクトさは一目瞭然です。





















上がsafujiさんに限らず、一般的な長財布のサイズ感です。

もっと大きなものもございます。もちろん大容量でカード類などを

分けたくない方には、従来の長財布がお勧めです。

ミニ長財布がここまで小さくして1万円札が収納できるには、

safujiさんならではの工夫があるのです。

それがこちらです。





















必要に応じて手縫いとミシンを巧みに使い分けるのも

safujiさんの特徴ではあるのですが、こちらのミニ長財布に関しては、

お札を入れるスペースの端の縫い代をなくし、手縫いで輪にすることで、

縫い代分をスペースに変換する工夫がなされています。

これで一般的な長財布より2cmも短い17cmを実現しています。

このお財布を実際に使ってみて、その使いやすさに驚いた我々は、

もっと色や形が選べるようにという思いで、今回の展示に向けて

バリエーションを作っていただいたのです。

それがこちら。

















まずはゴールドとシルバー。

こちらは通常のミニ長財布の革よりも少しだけ硬さのあるものを

使用していますが、使用感に変化が出るほどではございません。




























こちらは、、天然皮革の上から箔をのせたものですので、

使用していくうちに少しずつ箔が落ちてきます。

と同時に、、下地の革も変化していきますので、

何とも言えずかっこいい、落ち着きのあるアンティークのような

風合いに育ちます。

ゴールドやシルバーのきらきら感が持続してほしい人には、

むかないと思うのですが、どちらかというと、普段ゴールドや

シルバーを選ばない方にこそ使ってみてほしいとは考えていました。





















下が新品で、上が1年ほど使用し続けたものになります。





















少しマットで落ち着いた光沢感が生まれます。





















使い方にもよりますが、ほとんどの場合は、

端の当たりが出る部分から箔が落ちてくる感じです。

この箔が落ちてきたところは地の革ですので、さらに使用することで

その部分もまた育ってきます。

こちらのレザーはそう長く使用した見本がございませんので、

皆さん、実際に使用されて育ててみてください。

今回は、シルバーがすでに完売しており、店頭ではオーダーで

ご対応しています。もしご希望がございましたら、メールやお電話を

頂ければ、通信販売のお客様にもご対応いたします。

その場合の商品のお届けは年末を予定しています。















ゴールド、シルバーは内側も同様です。

















そしてもう一つの形がこちらです。

こちらはannabelle の特注モデルで作っていただきました。

開閉部分に小さなタブのあるデザインが気に入っています。

左がグレーカーキ、右がグレーブラックです。















グレーカーキは、グリージオと近しい経年変化が予想されます。

グレーが強いので、グリージオほど茶味がからないとは思いますが、

おおまかには茶系に変化するかと思います。ですので内張は

グレージュにいたしました。















グレーブラックは、マットなグレーッシュなブラックが

ツヤを増したブラックになってきます。

こちらは現在私が使っておりますので、経年変化の見本として

ご覧ください。






















ツヤ増しのブラックに変化します。

おおよそ半年ほどでしょうか。


また、いずれの革も油分を多く含むレザーを使用しておりますので、

基本的にはお手入れは必要ございません。

特に、使用から1年は油分を入れないようにしてください。

1年以上が経過して、擦れ傷など気になるようでしたら、

トリートメント剤など油分の少ないタイプでお手入れを行ってください。


明日は定休日でお休みをいただいておりますが、17日~21日(月)まで

展示は続きます。ぜひこの機会にご覧いただけますと幸いです。