今シーズンのsusuriの展示会で、個人的に最もひかれた
商品は、なんと赤一色展開でした。
一瞬、、「は??」と思うのも無理はないと思います。
そう思ったバイヤーはわたくしだけではないはずです。
デザインが素敵であればあるほど、色展開なども気になるところ。
しかしよく考えてみると、そんな素敵なワンピースを赤1色展開に
収めたデザイナー斎藤さんの潔さ、、すごいなって素直に思います。
susuri
イライザドレス red
¥46,000+tax
しかも鮮烈な記憶を残す素晴らしい赤。
少し朱色がかった落ち着きと品のある素晴らしい赤。
しかもウェストやフロント、サイドステッチは
オフホワイトの配色ステッチに。
今シーズンのテーマ「egg」は映画、shape of water から
インスピレーションを受けてのもの。
映画の主人公であるイライザの名前をとったこちらの
ワンピースは、もちろん力の入った新作のはず。
この配色ステッチも、赤いワンピースをさらに個性的で
限定的なものにするためのお化粧のようなものなのか。
コットンウールでWOOLが10%入った高密度な生地は、
秋冬から春先まで着続けるのにちょうどいい生地感です。
上からは様々なものが難なく羽織れたり、またはセーターを
着てしまってもいいのでしょう。
もちろん、ワンピース一枚で着ていただくのは最高にかっこいい。
袖口にも配色ステッチが。
背面が比翼仕立てでボタンになった被るタイプのデザインです。
ボタンを2つ取り外して着るのがちょうどいいみたい。
スカート部分には裏地があり、どこかで見たような
ふくらみですね。。
そう、annabelleでずっと別注で作り続けていただいている
あのスカートに、少し似ています。
susuriのバルーンマーチスカート。
マーチスカートのような強いよじりは入れていませんが、
バルーンの構造で、ギャザーを入れてふくらみを出している点では、
着た時の印象は近いものを感じます。
きれい目を意識した今シーズンのコレクションの
新作にして、とても彼ららしい佇まい。
またどこかでお披露目してほしいデザインです。
そして、さりげなく履いています。
susuri、フルッタ―パンツ。
ふんわりした中に感じさせるピリッとした印象。
擬音語が会話の中に飛び交う齊藤さんが表現するとなると、
そんな表現になるのでしょうか。
当たり前ですが、「なぜ赤一色なのか?」
すぐに聞きました。
映画 shape of water は少し奇怪な恋愛映画。
1960年代のアメリカ冷戦時代を舞台にしたその映画で、
アマゾンに住む奇怪な生物が研究所に保管されており、
その研究所で働くイライザと、その生物と距離が少しずつ
縮まってくる。表情の明るくなるイライザは着るものにも
変化が表れてくる。
劇中で、その象徴的な色が赤なのです。
デザイナー斎藤さん自身の未来への変化を望む気分が、
イライザの着る赤と重なったのかもしれません。
「今後はわかりませんが、これは今回、赤だけで作りたかった。」
そのように申しておりました。
どうか素敵すぎる赤一色展開であることをお許しください。