2019年10月21日月曜日

流行は、巡っているようで巡らない

90年代に一大ブームを作り上げたアメリカや

ヨーロッパの本格派アウトドアブランドを中心にした

アウトドアファッションブームは、いまだに我々世代の

洋服好きのマインドに深く刻み込まれているように思います。

そのあとに訪れたユニセックスファッションブームも

その一部を継承しながら長く続いたことを考えると、

その部分が現在40代でデザイナーを務める方々の中に

共感できる部分として多くあるのは必然なのでしょう。

当時、古着屋やアウトドアショップでこんなシャツ買ってたな、、

と少し懐かしさも感じるおしゃれなシャツ。















ARTEPOVERA
リネン平織り起毛バンドカラーシャツ
グレージュ ¥16,000+tax















リネンの平織りの高密度な布地を片側だけ起毛させた

秋冬から春まで着ていただける軽い感覚のネルシャツです。

内側はさらっとしたリネンらしいタッチで、

外側はところどころネップもあるヴィンテージ感のある素材です。















ワイド幅でドロップショルダーなデザインも

アンティークの作業着に見られるラフなデザインです。

誰にでも似合うお洋服ではないかもしれませんし、

決して女性らしいといえるお洋服ではありませんが、

アナベルの感覚が好きな方には、

共感できる部分があるのではないでしょうか。















裾はストレートで多少の前後さがつけてあります。















袖口はシャツ、ブラウスと考えるとやや広めで、

軽ジャケットやアウターの袖口を感じます。

昔、薄手のシャツやニットの上からこういったデザインの

作業着のような服を着ていたことを思い出しつつ、

上質感のあるリネンで着るのが女性になるとずいぶん印象が

変わるもんだな、、なんて思いながらご試着する方を見ていたりします。





















ワイド幅がかわいらしいのと、

衿の立ち具合も素敵です。















ボトムスは昨年も大人気でしたNO CONTROL AIRの

裾ゴムギャザーパンツ。















日中はこんな起毛したふわっとした秋らしい

シャツ一枚で、したに長袖のTシャツなんかを重ねていれば

ちょうどいい季節でしょう。





















こちらは同じブランド同士。

ボトムスはコーデュロイの8分丈パンツ。

この色が気に入りすぎて、この色しかオーダーしませんでした。















数センチのスリットと前後さの重要性を感じるデザインです。

大きすぎるような野暮ったさは感じません。

大きいに変わりはないのですが。

着てみないと魅力に気が付かな洋服かもしれませんね。















こちらは8分丈ですが、フルレングスのワイドパンツに

ヨーロッパワークな雰囲気で合わせても素敵でしょう。















そろそろストールなんかも持ち歩きたい季節です。

ワークテイストにタッセルデザインがかわいらしい

タータンチェックのストールで女性らしさを足してみると、

また全体の印象が変わって見えてきます。

小物、重要ですね。















流行はめぐるということがよく言われますが、

本当にそのままめぐることは多分皆無でしょう。

デザイナーは少なからず程度は別にして昔のデザインや

装いを多少なりとも参考にします。

16世紀のヨーロッパの装いの時もあれば、

60年代のアメリカのアイビーファッションの時もある。

みんなが同じ部分に興味を持つこともないでしょう。

でもね、、中学生の娘が最近、昔の妻(20年ほど前)と似たような

恰好をし始めたのを見て、興味深く観察しています。

そんな中に、普遍性のあるスタイルの要素が隠れているんじゃ

ないかとジロジロ観察してしまうのです。

やっぱりそれはシルエットバランスなんだろうなって思うのです。