シンプルな中に、しっかりと個性を感じさせる
デザインは、きっと頭で考えるものではない。
「本気で考えた結果、こうなりました。」
それの連続が、ゆるぎないものであるほど、
個性はそこからにじみ出てくるのでしょう。
このワンピースは、ゴーシュのそのような個性を
感じ得るデザインであると同時に、
昔からのゴーシュファンからすると、
とても馴染みのあるバランスのワンピースなのでは
ないでしょうか。
ゴーシュ
リネンツイルワンピース
ブラック ¥50,000+tax
素晴らしい点はいくつもありますが、
最も目に付いたのは素材でしょうか。
66番の単糸をたて糸、ヨコ糸を2本づつ引き揃えた
綾織物です。まず、この66番という糸は、端番手といわれ、
40番でもなく、50番でもなく、60番でもない、、、、。
だいたい糸というものはちょうどきりのいい数字なのですが、
これが、端番手となると、それだけで普段あまり触らない
ようなタッチに仕上がったりする。
それはもちろん、言われてみれば、、というレベルであるが。
さらに、単糸の引き揃えということもあり、
持ってみると、思ったよりも軽い。
これは、最もいいと思った点である。
平織の夏用の麻は軽くて当たり前なのだが、
春先から着られるような綾織物のリネンは、たいてい重い。
このゴーシュの用いた綾モノの麻は、裏地を付けても軽い。
今時期から夏前までしっかり活躍するし、
透けを気にする必要もない。
平織よりも麻特有の段々じわにはなりづらく、
見た目にもあからさまな高級感がある。
ベージュ
このベージュがまた素晴らしい。
落ち着きがありながらも彩度のあるベージュ。
顔映りは良いが、膨張しない。
そして、ゴーシュならではの、このウェスト位置。
好みはあるが、それが個性というもの。
少しウェスト位置を下げることで、
「和装」を感じさせるバランスにもなる。
もちろん、ウェストにベルトが付くことで、
ある程度、自身の好きなポジションも探ることができる。
ストーンと落として着た感じ。
かっこいい。。
様々な動きを見ていても、
常に「らしさ」を感じ得る。
ただ、まっすぐ落ちただけのワンピースでないことは、
一目瞭然である。
少し、キュッと絞ってみる。
こちらはこちらでかっこいい。。
横からの見た目などは、まるで別物である。
ブラックは、ベージュでお見せした両方の、
何となく中間くらいで着てみました。
そこは好みで探ってください。
ヒールで合わせても、フラットシューズで合わせても
どちらにしても素敵です。
シンプルな中に強く感じさせる個性。
好きな人は好き。
ダメな人はだめ。
こんなにシンプルなのに、好みがはっきり分かれます。
これは、着心地の良さとはまた違った尺度で素晴らしい。
しっかりとファッション性があるということですから。
僕の感じる、最もゴーシュらしい佇まいを持ったワンピースです。