2022年4月21日木曜日

Mitsuyakusou botanical

お取り扱いを始めて数シーズンが経ち、ASEEDONCLOUDとHandWerkerを

手がける玉井さんのクリエイションに驚かされます。

お店で扱うかどうかとなるととても悩ましい、シビアな見方も生まれて

しまうのですが、それはひとまず置いておいて、さまざまな物語誕生のきっかけ

として存在する我々の日常生活と、その物語の中で生活をする登場人物たちが

どんな思いで日常を暮らし、どんな衣服を選ぶのか?

果てしない想像の中から生まれた洋服たちはきっと幸せだろうと

ただただ愛しく見てしまいます。




























ASEEDONCLOUD
Reseacher shirts ¥35,200(税込)

<今回の物語>

ある街の修道院には1人の修道士と

身寄りのない孤児10人が一緒に暮らしていました

 

修道士は人々の豊かな生活のために

日々 薬草作りや空での運搬方法

錬金術 おまじないの研究をしていました

 

ある時を境に彼の過度な研究は魔女のようだと恐れられ

街から離れた山の上にある修道院に追いやられてしまいました

 

それでも彼は人々のために研究を続け

いつかみんなの役に立ってほしいと

一緒に暮らす子供達にも教えながら育てていきました

 

子供達が1618歳になった頃

彼はさらに研究に没頭する為に

修道院の奥にある部屋に閉じこもってしまいました

 

子供達は彼から習った薬草等を使い

人々を病から救い いつの日か山の上の修道院は

常に多くの人が集う場所になりました

 

修道士は決して人前には現れませんでしたが

月夜になると大人になった彼女たちに

薬として作った密造酒(moon shine)をご馳走し

普段 薬草作りに専念している彼女たちもその夜だけは

気持ちを解放して各々好きなことをするのでした

 

これは人々を病の恐怖から救っていったある修道院のお話























張りコシのあるキャンバス生地をベースに、修道院で働く女たちだけが


わかる絵柄が描かれています。薬用のお酒を作るための果実というのは表向き。


実は魔女に関わる様々なものが描かれている。


リンゴの木は魔法の杖を作るもの。


ラフランスは魔女が集会で囲う木。


果実に混ざってよく見ると描かれた虫たちは、魔女の使い。























デザインも面白い。


この襟は本当に面白い。


襟を左右非対称にしたデザインは見たことがあったかな?


初めて見たかもしれません。でも着たらとても可愛らしいのです。


ボタンを外して少し開き気味でも素敵です。























襟を持ち上げたところにも描かれるプリント。























裾に向かってタイトになるデザインはウェスト周りの収まりがよく、


様々なボトムスに合わせてすっきりと見えてくれます。


今回は、FACTORYのハイウェストワイドパンツに合わせてスタイリングしています。






















妻もこの襟が気に入ったようで、終始「襟が可愛い」ばかり


口にしていました。































袖丈も絶妙で、背が高い方でも肘が出ない長さかと思います。























魔女をイメージしてブラックでまとめてみましたが、明るい色の


ボトムスや、ひらひらとしたスカートなんかに合わせると、


だいぶ印象が変わります。それもまた楽しいのです。























デザイナーは、その時世をとらえ、自らの感性で濾過をして、


物質としての何かを絞り出す人たちです。著名な建築家の残した


建築やプロダクトデザイナーの残した建造物や家具。


そしてファッションデザイナーの残したコレクションは、それぞれが


その時世に影響されて出来上がっていると思います。


モノからその時代を想像することも楽しいこと。



今回のASEEDONCLOUDのコレクションの背景にあるのも現在の時世です。


長く続く「コロナ禍」という現状を見つめ、1920年代あたりまでの


人類の危機的状況を勉強して、一体どのように人々は立ち上がってきたのか?


過去から学ぼうとしてデザイナー玉井さんの調査が始まったそうです。


その中で見つけたのが流行病から人々を救った修道院や薬草の話でした。



玉井さんの物語はいつも、その時世をとらえ、その思いから必然と


湧き出るようなものであって、そこにはおかしなリアリティーも存在します。


そして愛着へと繋がっていくような気がするのです。