2020年3月13日金曜日

肩書のないお洋服

今、時代は濃厚さを欲しています。

自身でもそう感じますし、お客様を見ていても同じように感じます。

マーケティング先行の企画デザインが蔓延し、安くまんべんなく

おしゃれなお洋服が手に入る今だから、なおのことでしょう。

そうなると、一人のエゴで生まれたモノの強さが光ります。

見た目を真似ても越えられない強さです。





















TOKIHO
silk/linen onepiece
natural white ¥42,500+tax

シルクとリネンがおよそ半々で交じり合うことで、

季節を問わず着ていただける。

ワンピースとしても、羽織としても。















クラシックな立ち襟が程よく衿の気配を消し、

首元が華奢に、すっきりと見えるデザインです。















生地表面には、ところどころネップが見られます。

表情があり、味わいのある素材感です。















フロントは比翼仕立てのボタンで、すべて開くデザインです。

羽織でも活躍することでしょう。















ロング丈の裾にはスリットが。















衿裏や袖口裏には補強の意味合いもあって別布が丁寧に

施されます。















背面もヨーク下には印象的な連続タックギャザー。





















ほんのりと褪めた浅い色合いのブラックが優しい印象です。















1800年代後期のヨーロッパにおける洋装や具体的なシャツの

様々なデザインに強い興味を抱き、みんなが揃ってする「就活」に

どうしても興味が持てず、卒業と同時に自身の洋服を作って売ることを

始めた吉田季穂(YOSHIDA TOKIHO)。

彼の作るものには、派手さやシーズンごとの大きな変化はないものの、

洋服としての本質やそこへの大きな興味やこだわりが詰め込まれているのを

洋服を手にして伝わってくる強さがある。















ワンピースで着ると素敵なロング丈。

下に履いているパンツもチラチラと見える程度。





















これから始まる本格的な春に向けて、

本当にちょうどいい。

はじめは薄手のセーターなんかを下に着て、

ワンピースとして使ってもいい。

ここ数日の気温なら、ブラウスの上に羽織ってもいい。















身頃に対して袖がすっきりと見えるのがデザイン的特徴の一つです。

着た時の印象は、ハンガーにかかっているものを見るよりも

だいぶすっきりと見える。





















ブラックをワンピースとして。
















わずかなスリットも意味を成していることがわかります。

そして、腕周りと背中がとてもすっきりと見える。















パンツスタイルに羽織ってもかっこいい。

パンツは今シーズンも人気のふんわりパンツ。

















シンプルな装いに迫力をもたらしてくれる、素晴らしい洋服です。

非常に浮世離れした印象を持つTOKIHOさんと、初めてお会いした際に

3時間ほどしゃべり続け、もっとも盛り上がりをみせたのは

洋服の話やカメラの話ではなく、、、

「スタバに一人でコーヒーを買いに行くのはハードルが高かった。」

という話でした。今でこそ店舗によっては躊躇なくいけますが、

ハードルが高かった理由がまったく同じで、「〇〇店は大丈夫ですよ。」

という他の人にはまったく意味の分からない話で盛り上がった。

シャイな印象も強く抱く人柄なだけに、

とても親近感が湧いたのを覚えている。





















洋服づくりについては全くのマイペースで、

大切にしているのは、この服を着た人の人生の一部になるような、

そんな洋服だけを作り続けたいと考えている。

「アパレルデザイナー」という肩書がこんなにも似合わない人を

わたくしは見たことがありません。

そもそも肩書を持つことを好まない人。

渋谷、原宿、代官山、中目黒、青山など、人々が行きかう

雑踏を抜けて、展示会で彼の洋服を見ると、楽しかった

海外旅行から我が家へ帰った時のような何とも言えない

安心感とそこでしか味わえない解放感を得ることができる。

ワンピースとしても羽織としても、そして季節を問わず

活躍するこちらのお洋服は、TOKIHOに興味があって、まだ

買って着たことがない方にもお勧めの1着です。


あなたの人生の一部となることを。。

肩書のないお洋服を着て。