2016年9月13日火曜日

暮らしとおしゃれの編集室















秋ですね。

暮らしとおしゃれの編集室」連載ブログ、15回目が

9月10日に更新されております。

ぜひ、ご覧ください。



2016年9月12日月曜日

例外中の例外

なんでも好きで、なんでも着こなせる人などいない。

必ず苦手にしているものはあるし、好みもある。

我々のようなセレクトショップでは、

その好みがはっきりしているほど、やりやすい。

入店していただいて、10秒で出て行かれる方がいる一方で、

初めて、ご来店いただいて何も購入する予定もなかったのに、

たくさんお買い物をしていただくこともある。

気に入る人も、興味のない人も、どちらの反応も

わかりやすいくらい、はっきりとしている。

そういうセレクトショップのバイイングは、

自身の好みをはっきりと持っていないとできない。

お店を始めて、、おそらくは唯一と言っていいと

思うのだが、自分の苦手な要素が多いにも関わらず、

はじめは、恐る恐るバイイングして、

気が付けば、毎シーズンオーダーするようになった

ワンピース? コート? がある。





















15(jyugo)

傳(tutaee)が展開する、もう一つのブランド。

コットンワンピースコート ¥24,000 + tax

当初、パッと見て苦手だったのは、

「丸襟の角度」と「細長いシルエット」

ただ、何か得体のしれない感覚にとらわれて、

「これは、販売してみたい。」という方向に傾いた。

今では、「丸襟の角度」と「細長いシルエット」が、

このお洋服に限り、好きになった。
















この日も、撮影しながら3人で言っていた。。

「これ、何がいいんだろうね。。」
















「よくわからないけど、可愛いよね。」

「でも、好みははっきりするだろうね。」















「そうなんだよね。」

「買う人のほとんどが、ひとめぼれ。」















「なんか、他人事じゃないんだよね。」

「自分たちのお店みたい。」

どこか、それぞれの根底にある説明不能な部分で、

共鳴しているのかもしれない。

例外中の例外として。。
















初めて、このワンピースをお店で販売した

シーズンの終わり、次シーズンの展示会で、傳さんを

訪れた際、デザイナーさんに、こうお話しした。

「気に入る方は、迷わずご購入してくださる。」

「皆さん、コートとしても着られるし、気に入っている。」

それに、対してのデザイナーさんの一言が面白かった。


「あれを、羽織で着るんですか?」

「へー、私もやってみよう。」

次のシーズンから、彼らもワンピースコートって言ってくれている。

今年も、例外中の例外として、入荷中です。

やはり、何度見ても魅力的なワンピースなのです。






2016年9月10日土曜日

時が与えてくれるもの

「経年変化」とは、ほとんどが偶然ではなく、

使用している本人が大切にしていた結果であると思う。

革製品やお洋服は、それなりのお手入れが必要だろう。

一方、木の取っ手のついた傘や、シルバーのアクセサリーは、

失くさずに、大切に使い続けることで、人それぞれの変化が現れる。





















Lin Francais d'antan(ラン・フランセ・ダンタン)

ネックレス ¥13,000+tax

今から9年前、長女が生まれたのを記念して、

d'antan でオーダーをしたネックレスを

幸せなことに、今はお店で別注という形で、

作っていただいている。

シルバーと真鍮でできたこのネックレスは、とても軽い。

そして、何より素晴らしいのは、こんなに可愛らしく主張するくせに、

合わせる洋服やスタイリングを選ばない。

日常的につい付けてしまうネックレスなのです。

今年の10月で、10年目に入る妻のネックレスは、

人からは、「いい感じ」とか、「素敵」など言っていただくが、

ただただ、ただただ、何もしなければ、このようになるのです。
















彫金が薄れ、黒ずみ、、ところどころ緑青が見受けられる。

たしかに、いい雰囲気です。

何年前か忘れたが、一度だけチェーンがちぎれて修理を

お願いした時に、d'antan で磨きなおしをしていただいた。


今秋も入荷いたしました。

ご予約をいただいているお客様には、

個別にご連絡いたします。

ぜひ、店頭でもご覧いただければ、幸いです。








2016年9月5日月曜日

少しノスタルジック

僕が育った家の隣は、縫製工場だった。

日常的にミシン場へ侵入し、よく遊んでいた。

縫子さんの奏でるミシンの音は心地よく、迫力がある。

物書きだった父は、よく言っていた。

「これからは、中国が大きな力を持ってきて、

日本の産業はどうなるか。」

「自給自足のできる国になったらいいな。」

ミシンの音を思い出すと、30年以上前の懐かしい

記憶がよみがえる。

ミシンの音が聞こえてきそうなブラウスです。





















maison de soil

刺繍ブラウス ¥20,000 + tax

ホワイト















胸の刺繍は、インドに残る手仕事の一つである、

手ぶりのミシン刺繍だ。

刺繍用のコンピューターミシンではなく、

洋服を振り回しながらミシンを踏む。

凹凸が力強い。





















ボルドー















クローゼットを開けるたびに手に取ってしまうそうな

美しい手ぶりの刺繍。





















後ろボタンのデザインが良く似合うブラウスだ。





















ボタンは、maison de soil ではおなじみの

くるみボタン。

幼少のころまでは、モテたと豪語する妻に着てもらいます。















FACTORY のサルエルパンツにホワイト。

くるっと丸いバンドカラーが潔く、素敵です。















様々なボトムスに合わせやすそうだが、

ボトムスによって、その個性は決定しそう。

デニムに合わせてもかっこよさそうです。















ボルドーは、なんでも受け止めてくれる、

ARTEPORVERA の加工チノでスタイリング。















ボルドーは、少しオリエンタルな雰囲気が増して見える。

白、生成り、グレー系がボトムスの愛称はよさそうです。


見れば見るほどに、インドの手仕事に感心しつつ、

ミシンの音を想像しては、子供のころの記憶がよみがえる。

少しノスタルジックなブラウスです。



2016年9月3日土曜日

モノクロ

ある展示会で、妻が小声でうるさかった。

小声でうるさいということは、、

その展示会の雰囲気に、緊張していてすぐにでも

退散したいのだが、商品はかわいいから、何か言いたいとき。

我々もいつも楽しみで、安定して新しい発見がある。





















maison de soil

ヴィンテージブロックプリントランダムプリーツブラウス

ホワイト ¥25,000 + tax





















均整の取れていないものに魅力を

感じたりすることもある。

ランダムなプリーツが素敵です。















連なるような小紋柄がいい感じ。。





















展示会場の扉を開けると、

目の前にあったのがこの柄の品々。

小さな声で「わぁ。」って言います。





















素敵すぎて、古風なのか前衛的なのか

戸惑いすら感じてしまう。















柄自体も魅力的なのだが、やはり手間がかかるとはいえ、

ハンドブロックプリントから生まれる独特の雰囲気は、

変な話だが、ヴィンテージよりヴィンテージらしい。




















こちらは、さっそく白が完売してしまった

前開きのワンピース。

裏地はなく、そのままでは透けますが、

前開きという特徴を生かし、いろいろ着まわせます。















白のブラウスは、FACTORY のサルエルパンツに合わせて。





















タイツに、R.U. のJILLを合わせれば、

高いヒールを履くことなく、とても品のある

お出かけスタイルに。




















自慢したくなるくらい、素敵な柄。















肩回りや袖は、とてもすっきりしています。















切り替えることなく、バストラインの下あたりから、

プリーツを止めることで、自然な感じのAライン。















ARTEPORVERA の加工チノに合わせてカジュアルに。

改めて、このパンツの便利さに気が付きます。





















カーキベージュのボトムスに、黒の

トップスのスタイリングは、皆さんに試してほしい、

カジュアルから一歩抜け出すベージュパンツの

スタイリング。















maison de soil の展示会で、妻がいろいろ見ながら、

ため息をついて、困った顔を見せる。

緊張して疲れていることと、、自分が何を買うか迷っている顔だ。















スカートは、白しか写真を撮っていない。。

が、なくなりそうなので本日、web shopにも掲載します。





















写真など見たり、撮ったりしていると、

皆さんも感じることがあるでしょう。

とてもきれいに目の前の景色を再現した

写真も迫力があっていいけれど、

どこかあやふやではっきり映らないトイカメラや、

陰影の強いモノクロのポートレートに迫力を感じることもある。

maison de soil は、モノクロのようなブランドなのでしょう。



2016年9月1日木曜日

風と共に、

大人のカジュアル服において、

デザイン力の重要性はかなり高い。

一見した面白さを感じるお洋服は、

もはや、ファストファッションで事足りてしまっている現在。

だから、素材やデザインディテールやスタイリングイメージなど、

デザイナー個人の頭の中にあるこだわりが形になったお洋服は、

僕にとっても、きっと来てくださるお客様にとっても素敵に映る。

それは、「売れる」「売れない」という価値判断を

無視したところから生まれ、そのデザイナーにしかない

プロセスを踏んで、誕生した洋服だから。

素敵なワンピースのご紹介です。





















susuri

ヘムレンワンピース

white ¥30,000 + tax

ヘムレンとは、気が付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、

ムーミンに登場する、ヘムレンさんからとった名前。

当然、ヘムレンさんをイメージしている。





















スミクロ

こうやってみると、良くありそうなシャツワンピースに

見えてしまうかもしれない。
















背面は、susuri 得意の細かい分量間のあるギャザーと、

妙に細長い襟吊。。もはや、susuri のアイコン的デザインだ。

だが、、今回面白いと思ったのは、ここではない。






















このワンピースの面白さは、

背面全体に宿る。





















正面からは、とてもシンプルなシャツワンピース。

素材がやわらかく、しなやかさを感じる反面、

しっかりと打ち込みのある生地でもあるためか、

一重だが、白でも透けはあまり気にならない。

塩縮させた生地であるため、表面は少しボコボコと
した波を打ち、ところどころ筋が入った感じも特徴的。















長袖の白のワンピースの中では、なんとなく、、

日常使いしやすい印象を受けた。















注目の背中。

なにかふくらみがあるのがわかるだろうか。

しかもこのふくらみ事態に、動きがある。















どう動くと、どうなるかに決まりまないが、

ふくらみが下に偏ったり、上に偏ったりする。

少し、へこんで、、下にドレープすることもある。


susuri デザイナーの斎藤 龍也 さんは、ヘムレンの

あの少しかわいらしさもある、横から見たときのAラインを、

どう表現しようか考えたのでしょう。















その結果、このようになったのだろうが、、

見れば見るほど面白い。

子供が砂遊びで作る砂の山のような背中のデザインなのだ。















豪快にワイドパンツに合わせてもかっこいい。















長い羽織物としても活躍してくれる。















ヘムレンさんの独特な横姿に魅了され、こだわって

デザインされたワンピースは、、

正面からは、一見シンプルな佇まい。

その強烈なデザインは、風と共に現れる。







































立体でとらえると、こんな形。

この立体型が、必然ならもちろん、

偶然であっても、それは才能なのだと思います。

いつも、いつも、このワンピースのデザインについて、

頭の中で考え続けなければ生まれない面白さがある。

そのプロセスが、デザイナーそれぞれの癖になり、

「らしさ」のようなものになるのでしょう。

それを感じるものに価値を見出すのは、

バイヤーの大切な仕事の一つだと思います。