「SP(エシュペー)」は、アナベルにとって少し特殊な思い入れの
あるブランドです。初めて展示会に訪れたのはたしか2019年の春でした。
通常はブランドの展示会で、はっきりとした「答え」が見当たらなかった
場合には、いったんは失礼のないようにお断りをする場合がほとんどです。
しかしSP(エシュペー)の場合、(当時はSTASTNY SUというブランド名でした)
なんとも言えない変な感情を抱いたのです。
ですので、展示会を見て帰るときに、はっきりとこう言いました。
「今回はオーダーできません。でも、何か気になるので次回の展示会の
案内も必ずください。僕は忘れる可能性があるので、絶対に案内を
送ってくださいね。」といった内容でした。
ちゃんと案内が届いて訪れた2度目の展示会で、「本当に申し訳ない」という
言葉を強調しながら、、また前回と同じことを言って展示会を後にしました。
そして展示会の後で、気になっている点とオーダーができない理由も
かなり正直にデザイナーに直接伝えました。
そんなこんなで迎えた3回目の展示会で、少しモヤが晴れたような感覚を得ました。
「今回はオーダーできます。でも、これ一品番だけなんですが、受けてもらえますか?」
3回目でようやく少し発注を出しました。
そんなブランドは他にありません。
でも初めて展示会を拝見した時から、発注は出せないけど何か引っかかるし、
デザイナーの赤丸さんには独特のセンスを感じていました。
だからオーダーも出せない可能性のある展示会に何回も行ったのでしょう。
そんな長い前置きを経て、アナベルでお取り扱いが始まって2年が経った
「SP(エシュペー)」は、今ではアナベルに欠かせないブランドの
一つになっています。エシュペーの商品でスタイリングができてしまうほどに。
ワイドギャザーブラウス
¥42,900(税込)
程よくソフトで光沢のあるブロード生地は、体をしっとりと包み込む
優しいコットン素材です。実はデザイナーの赤丸さんは、生地屋さんと
新しい素材開発をするほどのファブリック好きです。好きなだけでは
仕事にはならないので、その方向でも実績を出しているデザイナーです。
全てがオリジナルの生地なんてことは全くないのですが、
今、彼が選ぶ生地は全て、僕も大好きなものばかりです。
時に無理難題をお願いして、高いレベルを誇る日本の工場の企画担当が
匙を投げることもあるそうで、、。
生んだドレープは、この布地の魅力を最大限に伝えてくれます。
マチ布が施されるクラシカルなデザインです。
ホワイト1色のご紹介となりました。
そして穿いているデニムは同じくSP(エシュペー)のもの。
やや細身のテーパーデニムは、もう5年以上も続くワイドシルエット
主流の中にあってとても新鮮です。アナベルではこちらの加工ありの
タイプと、ワンウォッシュのタイプを両方扱っております。
パンツはオリジナルで開発した、アンティークのような風合いの布地です。
リネンコットンの張りのある素材は、徐々に馴染み、年間を通して
穿いていただける、本当に素晴らしい布地です。
ちょっと長めでとても新鮮でした。足元までオメカシしたくなる1着です。
肌寒く羽織る季節がやってきたら、ギャザーが裾から溢れるレイヤーも
素敵ですよ。一枚で着て最良ですが、レイヤーの最高をどうぞ見つけて
くださいね。