TOKIHOの洋服の魅力を考えたときに、「ブレないかっこよさ」が
あると思います。ブランドのテーマの中に答えとなる言葉が散りばめられて
いるように、地に足をつけた正直な感情がそこに宿っているのだと思います。
毎回大きな違いのないように見えるシンプルな洋服に皆さんが手を伸ばす
理由は、まさにその骨太なテーマに沿った堅実なもの作りに惹かれてのことだと
思います。もちろん、僕も感情的に惹かれてしまう一人です。
SOLO-Ⅷ ¥37,950(税込)
TOKIHOをセレクトし始めて数年が経ちますが、通信販売で半袖の
ワンピースの紹介ができたのは、初めてだと思います。
しかりとして、ドライタッチであることが特徴です。
涼しい一重のデザインですが、透け感もなく安心してワンピースで
着ていただけます。
当のデザイナーは、「本当に当たり前のことをしっかりやる」ことに
注力しているようで、非常に淡々としているところがまた素敵です。
袖口は、クラシカルなステッチワークと小さな刻みが印象的です。
定番と言えるブラックと新鮮なライトブラウン。
ライトブラウンは、茶色というよりは、グレージュという方が
ピンとくるかもしれません。グレイッシュなベージュです。
着たときにも、程よい軽さを感じさせる、ガセット付きの素敵なデザインです。
いつだったか?FIRMUMのお気に入りのスタンドカラーコートを
チェーン店のクリーニンング屋さんに預けたところ、スタンドカラーデザイン
のコートの襟を無理やり寝かせてプレスをかけて、もこもこした無理のある
チェスターコートのようになって返ってきたことがあるそうです。
当然、持っていってやり直してもらったそうですが、そのチェーン店とは
逆に、妻の友人が出していたお爺さんが経営している、とても小さな
クリーニング店の話もしていました。
持っていったお洋服を1点づつ丁寧に見て、
「このジャケットは手洗いでやったほうがいい」
「これはドライで、こんな仕上げがいい」
そんなメモ書きをその場でどんどん貼っていって、少しチェーン店よりも
値段は高かったようですが、抜群の仕上がりだったとか。
今度からそちらで出そうかと思っていたところ、残念ながらお店が
なくなってしまったそうです。なんとなく、今の日本の縮図を見せられた
ようで、心から残念に思いました。
TOKIHOのような、実力のあるシンプルなお洋服は一見伝わりづらい
ところもありますが、できる限りそのような洋服をたくさん紹介できる
お店でありたいと思います。