2022年5月1日日曜日

若者事情に思いを馳せて

少し前のブログで、若者のファッションをさした言葉で「量産系」という

言葉があることを書いたと思います。

トレンドに敏感に反応していち早く同じものを手に入れてsnsにいち早く

投稿することを楽しんでいる系統の人たちだそうですが、もちろん

そういった子達だけではないだろうという思いは抱いておりました。

だって「〜系」というからには他にもあるんじゃないか?

期待というほどではありませんが、関心は寄せていました。


そこで先日、娘と一緒に下北の古着屋さん巡りをしてきた妻に

下北の若者事情を聞いたところ、、どうやら僕らがよく行く(展示会で)

渋谷、原宿、青山、表参道界隈の若者とは少し、、いやだいぶ種類が

違ったそうです。みんな服装もメイクもバラバラで、ひとことで言うと個性的。

多分、若者の文化発信基地は渋谷地区から下北へ移ったのかもしれません。

1000円〜2000円くらいの古着に夢中になっている若者が

たくさんいたと聞いて、なんだかとても嬉しい気分になりました。

今日は、先日僕が着ていて、息子に「なんでキティーちゃんみたいな

服着てるの?」と言われたサスペンダーパンツをご紹介します。















ARTEPOVERA
リメイクサスペンダーパンツ ¥27,500(税込)

ドイツの古いツナギをリメイクして作ったサロペットです。

リメイクで一番必要なのは、間違いなくセンスだと思います。

そう、ごちゃごちゃの古着屋さんから自分に素敵な1着を

すくい取るのと同じようなセンスです。

もう古着も全般に値段が上がっていますから、闇雲に作ったら

ただただ高いものになりかねない。

だから、、そのままでは誰も買わないような不人気な古着を

たくさん用意して、素敵なものに変身させる能力が必要です。

そういう見方でいくと、ARTEPOVERAさんはさすがだなと思います。












リメイクの良いところは、よくも悪しくも少し荒々しいところ。

こちらも現代のバックル金具類は使わないシンプルなボタン調整の

サスペンダー。












ボタンも使われていたものをそのままに。















バックサイドも調整可能。











穴もたくさん開いていますので、お好きな長さで着ていただけます。






























脇や後ろが開きすぎないように、タブで絞れるようになっています。































背面には四角いパッチポケットとハンマーループ。

もうどこからどこまでが造作なのか全くわからない。

リメイクの理想かもしれませんね。




















ボタン付きのポケットが両サイドに。





















裾が絞れるアジャスター付き。これは現代のパーツですね。

でもあって嬉しい裾絞り。僕は絞りっぱなしです。

そして今回のこちらは、サンプルでは僕にちょうどいい(身長170cm)

サイズしかなかったので、妻くらいの女性でも履けるように、

全体に10cmほど短いものを作っていただきました。

おそらく身長が165cm以上の方がMなのかと思います。

裾は折り曲げてアジャスターでキュッと適当に履いた感じが

可愛いので、着用写真は全部絞っています。












ぺこちゃん?

いやいや怒られます。












FIRMUMのノーカラーシャツに合わせて。












このような洋服を着るときに意識することは、、

極力小物は女性らしく。

ということで、enさんのシャラシャラビーズピアスにTストラップ。

アンティークのカゴにクマを入れて。

クラシカルな女性らしさを。





















タブを使って絞ることで、後ろがこんなふうに。

ちょっとたまたま大袈裟に出ている写真かもしれません。。

もう少し自然に収まります。












こんな感じ?

自分で着ていても全く気にならないので。





















シンプルなTシャツでも着てみました。

後ろは真っ直ぐにしても良いのですが、

交差させた方が安定します。












下北の若者事情を聞いて本当に嬉しかった。

大好きな古着屋さんが洋服業界からなくなったら嫌だし、

古着が大人の嗜みみたいになるのもちょっと違和感。

僕が子供の頃お世話になっていた古着屋シカゴは

まだ健在で、妻曰くかっこよかったそうです。

でも入ってしばらくして、、娘が言ったそうです。

「親父(おやじ)が持ってるな、、こういうのは」

確実に、僕の古着を狙っています。

ちょっと怖いけど、ちょっと嬉しい。


下北のようにごちゃ混ぜになった中から洋服を選んでいる

若者がいれば、こういう素敵なリメイクが作れるデザイナーが

またその中から出てくるでしょう。

本当によかった。