とりあえず、やってみる。。
ということは、とても大切なことだと思う。
若い時なんか特にそうだ。
考えてても答えなんか出ない場合のほうが多いんだから。
このブランドのデザイナーさんも14年前そうだったようだ。
美大の建築家を卒業した彼は、洋服が好きだという理由で、
洋服のデザイナーを志す。
作り方はわからなかったが、とりあえずT-SHを作って、
お店に売り歩いていたそうだ。
でもある時、「これじゃだめだ。」
自分の目指すデザイナーにはなれない。。
そう感じたらしい。
独学でパターンをひき始め、ブランドを立ち上げる。
「NO CONTROL AIR」(ノーコントロールエアー)
100/2 スーピマコットン天竺カーディガン
¥11,000(税抜)
実はアナベルオープンの際、最後までお取り扱いを
お願いするかどうか迷ったブランドだ。
非常に魅力的なクセを持つブランド。。
こちらは、目の覚めるようなブルー。
素材は100/2スーピマというだけあって、
トロッとしっとりしていて心地いい。
ライトグリーン。
どの服を見ていても、不思議な感じがするので、
いちいち聞いてみる。
会話を繰り返しているうちに、何となくブランド名の
意味合いがわかってくるような気がする。
初めての展示会で、とても目についたこのボタン。
変わった形だな―と思ってじろじろ見ていると、
「作ったんです。どうしてもその形が良くて。」って。
非常に自己満足度の高いオリジナル釦だ。
天然の貝ボタンなのだが、上に向かってサイズが小さくなっている。
洋服をたくさん見ている人ほどヘンな違和感を覚えるかもしれない。
グレー。
小さな首周りが目につく。
ノーコントロールエアーの特徴の一つだ。
「首周りが開かない方が美しい」
という美学から成り立っている。
開いた方が女性らしいというのが一般的なのだが、
「開かないけど女性らしい首周りを研究した結果です。」
そう言い放つ。
袖付けも変わっているし、他の商品の肩線も特徴的だ。
実際に取り扱ってみて、
そのクセのおもしろさと、素材への探求心、
常識にとらわれない個性に驚かされる。
ある意味、個性では負けてない妻に着てもらいます。
FACTORYのバルーンスカートにシンプルに。
畳んであるのをパッと広げると、
ちょっと大き目かなー、、て感じますが、
着た時の印象はスッキリしています。
でもサイズは大きめです。
でも華奢に見えます。
シンプルながらフワッとさせたい、、、。
この秋冬のアナベルのテーマの一つ。
ノーコントロールエアーはまさにそういう服。
上からゴーシュのロングカーディガンを。
ゴーシュとの相性も抜群です。
ノーコントロールエアーのデザイナー米永さんは、
対外的にはこんな言葉を発しています。
「造形やイメージより、思考とプロセスを大切にしたい」
この言葉と洋服を目の前にした時、こう思いました。
たぶんこの人は、とりあえず作り始めるんだろうな。。
作りながら、あーしたほうがいい、こうしたほうがいいって
言いながら、作り上げていくんだろうな。。
作り始める前に、ゴールをイメージしてないんじゃないかな?
とも思う。。
洋服の基本を頭では理解しつつ、時にはそれを無視して、
自由な発想とモノつくりの工程を経て、この服が完成するのだろう。
何ものにも左右されない自由な発想と手法から生まれる洋服。
それを人が纏う一つの空間としてとらえ、
その創造を可能にする実質的なアトリエという空間を作りたいという
思いが、ブランド名にはあるのかもしれない。