2019年8月17日土曜日

共に歩こう~Jill(ジル)~

お店のセレクトで、一番頭を悩ませるのは靴である。

「普遍性のあるスタイルの創造」というテーマで始めた

お店ですので、トレンドとは少し距離を置いた関係性が望ましい。

想像に想像を重ねて、スタイルイメージを頭に浮かべ、

私が考える女性におすすめしたい靴の条件を満たすものを選びたかった。

・履きやすいこと
・重くないこと
・馴染みが良いこと
・修理をしながら長く履けること
・クラシックな風貌を備えていること
・アナベルのスタイルに似合うこと

色々考えた末、6年前からお取り扱いを始めたのが、

「R.U.(アールユー)」でした。

様々な思いをのせて、「共に歩こう」という題目で

ご紹介を続けています。

今回は、ここ最近もっとも出番の多いこちらのモデルを

ご紹介いたします。















R.U. Jill(ジル)

ブラック ¥39,000+tax

靴はスタイルの個性を引き出す重要な存在です。

様々な靴があるなか、条件を満たすための重要な3要素を

念頭に置いて、R.U.を選びました。

それは、「デザイン」「製法」「価格」の3つです。

スニーカーと異なり、革靴ですので「価格」は意外に重要です。

良いものはきりがなく、10万クラスがたくさんあるなか、

お勧めできる良い価格帯のものを選びたかった。















軽くて足馴染みが良いものをお勧めしたいと考えると、

大雑把には、マッケイ製法かセメント圧着のどちらかになる。

女性用のパンプスやヒールは圧倒的にセメントが多いのですが、

それでは、「クラシカルな風貌」はあまり感じない。

マッケイ製法は、イタリアンマッケイとも呼ばれるほど、

イタリアやフランスを中心にしたヨーロッパのファッションに

古くから根付いたクラシックな製法で、アッパーとアウトソールが

直接縫い合わさっているのが大きな特徴です。

写真でも内側にステッチが見えますね。















内側のステッチが外に抜けているのが、

こちらの製法の大きな特徴です。張り出しのコバや

分厚いアウトソールがいらないため、スタイリッシュで軽い。

その代わり、デメリットもある。

それは、ステッチが貫通してアウトソールが薄いため、

履きこんだ際に水を吸うと内側に浸み込んでくる可能性があること。

もう一つは、フルハンドメイドでありながら、フルソール交換は、

靴にもよるが、概ね2回が限界だと言われていること。


逆に考えると、このデメリットを回避する方法があれば、

気になる点はなくなるといっていい。















こちらは色違いのダークブラウン。


マッケイ製法のデメリットを回避する方法は、

アウトソールの前方に、後付けの薄いラバーソールを貼ることです。

薄くて目立ちませんし、滑り防止にもなり水の侵入も防ぐ。

そのラバーソールを2年に1回くらいのペースで張り替えることで、

フルソール交換をしないで済むし、両足で2500円程度の費用で済むので

経済的でもある。

もちろん貼らないで、フルソール交換をしてもいいのですが、

トータルで履ける年数が短くなりますし、フルソール交換は、

平均で15000円くらいはかかります。

水の侵入を防ぐ、アウトソールのケアも必要になります。

ですので、、アナベルではラバーソールを貼ることをお勧めしています。















そうするとどうでしょう。。

デザインはR.U.全体で気に入っているものが多い。

アナベルのスタイルにもよく似合う。

マッケイ製法で軽いし、修理も可能。

裏張りをすることで長く長く履いていける。

クラシックな風貌も備えている。

レザーは柔らかいイタリアのレザーを用い、足馴染みもいい。















ヒール部分はレザーとラバーで構成されたシンプルなもの。















レザーでおおよそ、3層に分かれた1.5cmほどの高さです。

こちらの修理は、どのくらい削れたかで多少の値段の違いは

ありますが、だいたい4000円~6000円程度で新品に交換可能です。

週に2-3回程度の着用で2-3年くらいは大丈夫でしょう。















ヒモは、2種類が付属しています。

平紐タイプか、レザータイプ。

アナベルの撮影では通常レザーヒモを通したものを使用しています。

だいたいが平紐が通った状態で納品されてきますので、

レザーに変えたい方はご自身で可能ですので変えてください。

問題は、そのあと平紐に変えたい場合です。

非常に通しずらいので、先端にセロハンテープを巻き付けて

行ってください。通りやすくなります。















靴は見た目だけではダメ。

いい靴は気分も上がりますよ。





















































































まだまだ素足カバーソックスの季節が続きますが、

冬のタイツとの相性も抜群です。

ヒモの選択はお好みになりますが、私の感覚では、

平紐が可愛らしく、女性らしい印象がより強い。

レザーヒモのほうがその要素が薄い。


アナベルのスタイルは、ややメンズライクな感性が

入っているのが特徴ですので、フェミニンになり過ぎないよう、

レザーのヒモを選んでいます。















まだまだたくさんのスタイリングに使用していますので、

通信販売ページで探してみてくださいね。

R.U.の靴は、だいたい¥35,000~¥50,000程度の価格帯に

収まっています。

安くはありませんが、フルハンドメイドでこれだけ

個性がしっかりとあり、修理の対応も良い靴の値段としては、

決して高くない、皆さんにお勧めできる良い靴だと思います。


アナベルでお洋服を選んでくださる方たちは、きっと適当なもので

済ませたくない、こだわり派の方が多いはず。

靴はとても重要です。

季節の変わり目、秋冬に向けて「共に歩こう」と思える靴を

吟味してはいかがでしょう。



<annabelleでのR.U.のラインナップ>

・Jill(ジル)
・Bess(ベス) Tストラップ
・Abbey(アビー) ワンストラップ
・Thea(テア) スリップオンタイプ
・Anon(アノン) シンプルなヒモ靴タイプ

以上、それぞれブラック、ブラウンの2色展開です。

詳しくはお問い合わせください。