目も肥えてくるのですが、逆に思い込みも強くなり、
見過ごすことも増える気がしています。
すくい取るようなバイイングをするためには、
そこに対する気づきが必要なのでしょう。
昨年の秋冬のバイイングをしている際、
それを感じさせられた商品を今年もご紹介しています。
yourwear(ユアウェアー)
展示会の際に、初見ではまったく
反応できなかったのですが、
yourwear の佐藤さんに勧められて、
巻いてみて、、「あれ?」って驚いたのを
記憶しています。
決して派手さはないのですが、かかっていたのを
見ていた時と、全く違う印象でした。
身に着けたほうが生えるストールでした。
そして素材も素晴らしい。
羊毛が中心で、アルパカとキャメル(ラクダ)も
入っていますから、ふっくらと滑らかな感触です。
しかも、贅沢に全体に二重になっていて、
縁をかがるようにデザインしています。
長さもボリュームもおとなしい感じですが、
二重になっていることもあり、首元でまとめるように
巻いてみると、意外にも分量感はございます。
ちょうどいいボリューム感で、
扱いやすいサイズかと思います。
大きく一回りさせて巻いても、
余り過ぎることのない長さ。
無地で落ち着いた色合いの多い冬のコートに、
そっと寄り添って、少し華を添えるような感覚の巻物。
自身でも yourwear のストールを使う中で感じていた、
「伝えづらい魅力」は何なのか?
それは、yourwear さんのホームページに書かれた
コンセプトの一文の中に集約されている気がしたのです。
<以下はyourwear ホームページの言葉>
yourwear は、秋冬のためのニットブランドです。
私の生まれ育った北東北は、一年の約半分、
吐く息が凍ってしまうような
寒さと、薄いグレーの空に覆われる冬の季節です。
窓の外、ただただ降る雪を眺め、ストーブにぴったりと
寄り添って静かに過ごす時間の永いこと。。。
春の雪解けや、初夏の芽吹きを待ちこがれながら、
寒さの中でカシミアのセーターやハンドニットの
柔らかなぬくもりに包まれる冬の生活も、
楽しく、美しく、豊かなものです。
yourwearは、「あなたの衣服」という意味。
着る人、使う人の個性を描ける、シンプルで余白のあるデザイン。
そんなニットで、温かな冬を過ごせたら、と思っています。
以上yourwear ホームページより
この最後の2行、「シンプルで余白のあるデザイン」。
ここに、佐藤さんの作るニットデザインの魅力が
集約されているように感じました。
言葉では簡単に書けますが、実際にシンプルでいて、
使う人の個性を際立たせ、寄り添うように余白を
持たせたデザインというのは、とっても難しいと思います。
しかし、使う人の笑顔や、寒さをしのぐ人の様子を
想像しながら、丁寧に丁寧にデザインし、製作する。
これは雪国に生まれ育ち、その厳しさと美しさの
両側面を知っている佐藤さんだからこそのモノつくり
であるようにも感じます。
今年もこちらの商品とともに、定番のアルパカストールも
新色を引っ提げて入荷しています。
あわせてぜひ、ご覧ください。