先月の企画展の時、
小野さんが話してくれたインドのこと。
小野さんが彫金の作品を作るとき、
イメージを頭に浮かべて試行錯誤していたが、
どうやって作ったらそうなるのか、、
困って、インドの熟練の職人に聞いてみると、
彼らも小野さんがやろうとしていることは初めてらしく、
「あーでもない、こーでもない」が始まった。
そのうち何人もの熟練工が集まり、
一つの可能性を示してくれたそうだ。
すべての分野において、手仕事が産業として
残るインドの職人たちのレベルはかなり高く、
仕事へのプライドと、情熱を持っているという。
わからないことや、できないことを目の前に、
素通りできないのだそうだ。
素敵すぎる。
もちろんお洋服の世界でも、インドはすごい。
maison de soil
patchwork & pintuck ブラウス
NAVY
¥34,000(税抜)
なかなかのお値段だが、
その前に、これが商品として量産できているのが
奇跡なのかもしれない。
もちろんここでいう量産とは、「大量生産」の意味ではなく、
1点ものではなく、「工場生産」ができているという意味だ。
そもそも、maison de soil の商品は、手のかかるものしか
ないので、大量生産など絶対にできないものばかり。
上部分は、尋常ではない細さのピンタック。
すべてのヒダで、きれいにミシンが走っている。
そして、パッと見て誰もが「切り替えている」と思える
デザインだが、実はつながっている。
そう、途中でこのピンタックをやめているのだ。
そうして、大分量のふわふわの下部分が誕生する。
しかもよく見ると、太いストライプのように見える。
下の部分をみると、布地が違うことがわかる。
全部で3種類の布地がストライプ上にパッチワークになっている。
コットンのストライプ。
コットンの無地。
リネンの無地。
その3種類だ。
つまり、この洋服は、、、
まず白い状態の3種類の布地をパッチワークで
一枚の大きな反物にする。
次に裁断して洋服にする。
その際に上部分だけおびただしい量のピンタックにする。
そして、最後に洋服の状態で染める。
染めることで、布地の違いが、ストライプという形で
表面化する。
なんだか、作品のような手間のかかりようだが、
着て可愛くなければ、残念なことになる。
そんなわけはないのだ。
ARTEPORVERA のチノパンにシンプルに。
贅沢極まりない布地の分量感。
腕を下すと埋もれてしまいそうなほど。
この洋服の優れている点がもう一つある。
それは、おびただしい数のピンタックが、
まるでシアサッカー素材のような凹凸感を
感じさせ、とてもさらさらして清涼感があり、
なおかつ、一枚仕立てなのに、すごい量の
ピンタックのお陰で、透けないということ。
インドのアルティザンが仕立てる、
豪快で涼しい芸術品のようなブラウスは、
きっと何度も何度も着てしまうのでしょう。