2023年2月11日土曜日

ジップとホック

NO CONTROL AIRやFIRMUMのデザイナーであり代表の米永さんは、

芸大で建築の勉強をされていた方なので、お洋服の学校は特に出ていません。

半ば趣味でTシャツを売り歩いていた頃から数えておよそ25年ほどの独学に

よって成されたブランドです。もちろん、工場でのプロの方々とのやり取りが

最も強烈な教材であったことは間違い無いのだろうと想像します。

本人を見ていると、きっと苦労を楽しんできたのだろうとも思います。

そんな彼の元には、もう何十人ものお洋服の学校を出た若者が募り、

ブランドは日々進化を遂げています。スタッフの人たちとの会話で、

「社長、普通はここはこうですが、、」みたいな事を言われると、

「普通そうならそうするな。別な面白い方法を考えろ」って答えているそうです。

だからでしょう。僕らが見ても「??」と思うようなこともたまにあり、

きっと真似をしようとしてもそうはならない大きな癖を持っています。

今日は、NO CONTROL AIRのZIPとホックの洋服をご紹介します。











NO CONTROL AIR
ZIPブルゾン ¥36,850(税込)

展示会で様々なブランドの商品を見ながら半年先をほんの少し想像して

バイイングをしていく僕らが最後に考えるのは、当たり前なことですが

「自分が好きか?」と「そのブランドらしいか?」と「お客様が喜ぶか?」

だいたいこの3つです。ブランドの特徴は、「他にはない」ということにも

つながるので、とりわけ重要視しています。僕の思うNO CONTROL AIRらしさは、

「ちょっとふざけているけどとってもCOOL」なところです。

彼らほどのキャリアがあると、着た時の洋服全てにらしさを放っていますので、

展示会では本当に体力を消耗します。選ぶのが難しい。

このブルゾンもとってもCOOLで、妻は着用しながら鏡の前で

「欲しい欲しいオーラ」を出しまくっていました。












このネックもいいんです。

ボトルネックなのですが小さめなので主張も少ないボトルネック。

まさにCOOLな印象でした。ジップを下げた時の開き具合も

このデザインで決まりますし、その感じがとても好きでした。




















ZIPは大きめでライダースらしい印象ですが、ライトブルーだけ

テープが配色で、可愛らしくセンスを感じます。

こういう付属使いの決定は意外に悩むところで、結局同系色にしがちです。

展示会で見ながら「白にしたんだ、感じいいな。。」と好印象でした。












ZIPの方は裏地付きというところも気に入りました。

何か乗り物に乗る時のことなんかも想定しているのかな?

と勝手に想像して、こちらも好印象だったことを覚えています。

春と秋がとっても長い日本において、このくらいの軽アウターで

お気に入りを持っていると、その活躍頻度は相当なものになってきます。

しかも着丈が長いものが多かった昨今にあって短いライダースタイプは

アナベルの提案として新鮮でした。





















ワンピースに着たり。





















こちらもちょっと新鮮なピンクのストレートワイドなトラウザーズに

合わせてみたり。僕はこんな感じをすごく想像しながらバイイングしていました。

NO CONTROL AIR自体にはテーパードシルエットのパンツがすごく多いのですが、

このライダースはストレートに合わせたら綺麗でかっこいいかな?と。











それとこんな感じ。

妻の好みではないみたいですが、足が長く見えることに

驚き、少し嬉しそうでした。たまにはスタイリングに

取り入れてみればいいのに。





















さりげなく、まさにクールな印象のスタイリングです。

蹴まわしが大きくて、ピタッとしていないライダースというところもいい。















NO CONTROL AIR
ホックロングブルゾン ¥35,300(税込)

もう一つはこれです。カーディガンみたいな、ブルゾンみたいな、コートみたいな。

彼らがすごく昔から得意としている、アイテムが定かではないお洋服。

最近のファッションを見ていて、ようやく時代が彼らとマッチしてきた

ような感覚は、数年前から感じています。だからより一層、彼らのコレクションの

今が気になるのです。












確実に今のファッションの大きな潮流を20年前から作ってきた

ブランドの一つである彼らが、この先どう進化していくのか?

若手と米永さんのコラボが楽しみです。

型にはまらない若者にとっての就職先としてもおすすめです。





















COOLです。





















このスッキリと足が長く見えるデニムも実は米永さんのデザインです。

ブランドはFIRMUM。こちらは定番のデニムの撮影が終わったら

一緒にご紹介しますね。
























この丈のカーディガンだと思ったらスカートやワンピースにも

当然似合いますよね。異素材感を楽しんでいただけたらと思います。

今回このタイミングではご用意がありませんでしたが、

AODRESSやmaison de soil、muniなどのブランドとの合わせをすごく

想像してバイイングした事を覚えています。きっと似合うと思いますよ。





















ブラックはブルーイングリーンのジャンパースカートに合わせて。

ロングワンピースにも似合いますね。

このくらいの着丈のテーラージャケットなども気になっていました。

この洋服は、その雰囲気も併せ持った上に、日常着としての

利便性も兼ね備えていますので、小さくしてカバンに入れてたくさんの

スタイリングに使っていただきたいお洋服です。

ぜひ店頭へ来られる方はご試着をどうぞ。


<ホームページ改修のお知らせ>

11年なんとか運用してきたホームページのリニューアルを昨年から進めており、

いよいよ今月2月14日(火)に完成予定です。それに伴い、14日は通信販売のご利用が

出来ない時間帯が発生いたします。

(早ければ2時間ほど、問題が発生した場合には最大2日間)


私たちも完成が楽しみです。

214日から新しいホームページでお待ちしております。

宜しくお願い致します。












 

2023年2月10日金曜日

これからもずっと

先輩の影響で、20代の頃からずっと思い続けてきたことがあります。

「歳を重ねてもカジュアルにコットンを着こなせる大人になりたい」

古着が大好きでアウトドアウェアにも影響を受けて誰とも被らないことが

正義だった時代に育った洋服好きの大人は、似たような感情を抱きながら

過ごした時期があったのではないでしょうか。

とはいえ、、

昔は着られてたけど今は無理、のような洋服があることも事実です。

大人がかっこよくワークやミリタリーと関わり続けることができるブランド、

それがFIRMUMなのかもしれません。















FIRMUM
コットンライトモールスキンカバーオール
ベージュ ¥41800(税込)

ヨーロッパのユーティリティジャケットを長くして、なおかつスリットまで

入れてある変形ワークウェアです。ワーク好きなデザイナーが捨てきれない

整った枠を容赦なく破り捨てる潔い割り切りが心地よく、大人の女性にも

ぜひ着ていただきたいカバーオールです。












小さく下りのある襟は当時のものを素直に表現しているように感じます。











胸ポケットは向かって左は内ポケット。

右がパッチポケットです。











センター剥の横ダーツは、デザイナー米永さんの名刺代わりのような

デザインとして浸透してきました。初めて見た時は「なんだこれ?」って

思いましたが、当時から「アイコンみたいなものです」って言い切って

やってきたのが素晴らしいと思います。




















色はベージュとブラックの2色展開です。





















ベージュはシャツワンピースに重ねてレイヤーを見せてスタイリング。

パンツにはもちろん、スカートやワンピースにも似合いそう。











大人の女性で、昔はよくメンズワークウェアを着れてたけど、

最近抵抗がある、、みたいなことを感じている方にはぜひお試し頂きたい。











たっぷりしたサイズ感はまさに今な感じです。

しかしこのサイズ感も10年単位で継続しているところをみると、

一つのカテゴリーとして成立する、流行りを超えたところにきたように思います。











春ですからインナーのレイヤーも見せて賑やかに。












ブラックはモノトーンで統一してみました。











着てみると想像通りスリットが軽さを演出してワークウェアの

重厚さやメンズっぽさが抜けて取り入れやすいデザインです。











パンプスを合わせていますが、ヒールなんかでもっと女性らしさを

プラスしても全く違和感がなさそうなワークウェアです。

これからさらに歳を重ねても、我々夫婦はずっとこんな具合で

洋服を着続けたい。アナベルに来るお客様もそうであったら嬉しいな、、

と思いながらこれからも続けていきたいと思います。


<ホームページ改修のお知らせ>

11年なんとか運用してきたホームページのリニューアルを昨年から進めており、いよいよ今月2月14日(火)に完成予定です。それに伴い、14日は通信販売のご利用が出来ない時間帯が発生いたします。(早ければ2時間ほど、問題が発生した場合には最大2日間)


私たちも完成が楽しみです。

214日から新しいホームページでお待ちしております。宜しくお願い致します。











 

入荷のお知らせ


 2月10日(金)

<maison de soil>

・刺繍チュニック(オレンジ、アイスグレー、チャコール)¥27,500













<GASA*>

・"導かれた場所"  羽織ワンピース(ベージュ) ¥81,400












・"導かれた場所"  シャツワンピース(ベージュ)¥74,800、(エクリュ)¥51,700



・"導かれた場所"  ギャザーキュロットパンツ(エクリュ、ブルー)¥44,000






























<NO CONTROL AIR>
・ポリエステルタフタ ボトルネックジップブルゾン(ライトブルー、ダークグレー、ブラック)¥36,850
























・ポリエステルタフタ ホックロングブルゾン(ライトブルー、ダークグレー、ブラック)¥35,200































<HAVERSACK>

・コットンナイロンタイプライター トラウザー(ピンク、ネイビー)¥27,500














・カモフラージュプリーテッドスカート(カモフラージュ)¥41,800











2023年2月7日火曜日

チノパンとシャツ

まるでメンズトラッドのような題名ですが、違います。

アナベルで今シーズンお勧めしたいチノパンとシャツの話です。

 「チノパンとシャツ」というと、スタンダードなカジュアルスタイルを

連想してしまうかもしれませんが、アナベルのお勧めのチノパンと

シャツはこんな具合です。












チノパン:SP(エシュペー) ¥26,400(税込)
ロングシャツ:HAVERSACK ¥30,800(税込)

ホワイトにホワイトを重ねてコーディネート。

上からは何を着ても許されるような気がします。











アナベルでは先日ご紹介していたこちらのブルゾンを着ていました。









































チノパンはこちらの3色をご用意しています。

ホワイト、ベージュ、ブラックです。

それぞれいくつかのスタイリングに使用していますので、

少しご紹介します。





















ホワイトのシャツやパンツは、正直何色でも合わせやすいのですが、

唯一、「白白はどうなの?」という疑問が頭をよぎります。

やってみたらこうなりました。僕自身は真っ白のスタイリングを

することがあるので抵抗は全くないのですが、多くの人が抵抗を

お持ちではないでしょうか。

それぞれ、他のどのような色のお洋服とも合わせやすいので、

それは皆様でご想像くださいね。












春らしい様々な色やデザインを重ねて、白を楽しんでいただきたい。












こちらも白白で。

下に着ている小さな襟のクラシックなシャツはklauseのもの。

シンプルで少し寂しかったので、ゴーシュのベストを重ねてみました。




















ゆったりしたパンツとピタッとしたゴーシュのベストの

シルエットバランスがメンズライクでかっこいい。












アームホールのゆとりからくる全体のドレープ感が素敵です。












ベージュです。

ベージュはシンプルなコーディネートを心掛けました。





















トップスは先日からご紹介しているNO CONTROL AIRの

ちび襟シャツ。裾は外に出してもタックインでもいい感じです。












上からSP(エシュペー)の秋冬のコートを羽織って。

秋冬のコートなのですが、リネンとコットンのしなやかな

コートは、春先から4月上旬あたりまで活躍する素敵なコートですよ。



























グレージュっぽいお色のベージュですので、白や黒意外には、

このようなトーンの色は同トーンとなって合わせやすいかと。

ペールトーンというのでしょうか?色があまり強くない、

優しい色合いのものは合わせやすいと思います。












春のレイヤーです。

ベージュ同系でレイヤーを作りました。












一番上はFIRMUMのカバーオールコート。

内側はこんな具合です。












パンツはSPのチノ。

ロングシャツは完売したグランピエのシャツ。

ベストはゴーシュのもの。












お洋服のスタイリングにとって、自身にしっくりとくる

ボリュームや色のバランスを見つけることはとても重要です。

気分に任せて、着たいものをどうにか着てみようとすると、

色々試行錯誤しますよね。それ、すごく大事です。

アナベルでもその参考になればと、たくさんのスタイリング写真を

掲載しておりますので、ぜひ参考にしてください。












ブラックも、黒黒で。

なんとなく、シャツとパンツのセットアップがやりたくて、

先月のNO CONTROL AIRのシャツのご紹介から引き続いての

マイブームです。(今のところすごい小さいブーム)












白と同じくらい合わせるものの振り幅の大きいブラック。

今シーズン目立つスイートなカラー(少し甘めなトーン)を

合わせて。












黒に合わせることで締まりが出て、甘すぎず。

良いバランスなのではないでしょうか。
















HAVERSACK
リネンシュリンクロングシャツ
¥30,800(税込)

先ほど、白白のスタイリングでトップスに着用していたのがこちらです。












およそ半分はリネン素材で、残りの半分はコットンとポリエステル。

表面に縦のシュリンクが入り、キラキラしているのが特徴的。

店頭でも皆さん気になる様子です。












生地の表情も素敵なのですが、この糸巻きボタン、可愛らしい。

台座に糸を巻きつけたボタンですが、柄物をみたのは初めてです。












袖口にも。

着丈は長めですが、ポケットはありません。

とてつもないボリュームをお楽しみください。





















色はこちらの3色展開です。

ホワイト、ゴールド、ネイビー。












白は先ほどのこちらです。

白シャツですから、何にでも合わせやすいですよ。












実はこのご紹介したブルゾンの重ね着の一番下に着ているのが

このシャツでした。ぜひスカートやジャンパースカートにも。












ゴールドは生成りのバルーンパンツに合わせて。

カラーパンツを穿く方は少ないと思いますので、

ベーシックなカラーは大抵こちらも合わせやすい。

ゴールドという色名で、実際にみても納得のゴールドですが、

濃いベージュと思って着ると、白や黒にはもちろん似合いますし、

アーミーグリーンのような色やオリーブグリーン、

グレーブルーなんかも相性は良さそうです。












アナベル的には、「同系でまとめて黒で締める」というのが

一つの必勝法的なカラーコーディネートではありますが、

色々やってみるうちに発見した稀な色合わせができると嬉しいもの。

ぜひ色々お試しいただきたい。












こちらのブルゾンをご紹介した際に下に着ていたのが

こちらのゴールドです。












少しシックな印象もありますが、春らしい茶系のレイヤーです。












室内ではブラックにも見えるネイビー。

意外に最も爽やかなのはネイビーかもしれませんね。












ネイビーには白でしょ、という安易な感じで爽やかにスタイリング。

でもシルエットに少しクセを付けてサルエルを。











ゴールドのポシェットも効いて、爽やかになりすぎない

独自のスパイスをどうぞ。

annabelleにはannabelleの、貴方には貴方のスパイスを。


チノパンとシャツの組み合わせって、10代の頃は一生しないと

思っていました。だから僕がチノパンとシャツを素直に着るように

なったのは、たぶん20代の後半頃。

勤めていた靴屋の先輩に、すごくかっこいい別珍のVANSのスリッポンを

もらったのがきっかけで、「この靴どうやったらかっこよく履けるかな?」

って考えて、その時の僕が辿り着いたのは、チノパンに白シャツ、もしくは

ラコステのポロシャツにブラックの別珍のスリッポンでした。

アウトドアスタイルなんかがまだまだ主流だった頃、自分的にも

すごく新鮮に着ていたことを記憶しています。

スタイリングはどこから入ってもいいと思います。

靴でもいいし、カバンでもいい。

たぶんメガネでもいいのではないでしょうか。

値段で縛りをつけても鍛えられそう。

自分がこれ身につけたい!と思ったものに合わせてはじまる

「あーでもないこーでもない」が面白い。

面白いことをやっている大人はきっとずっと元気です。

ファッションの楽しみ方の一つでした。