先日の雨の色の素敵なコットンシルクワンピースに、無地のカディーが
欲しいということで、muniさんにお願いして少量で作っていただきました。
デザインは同じですが、生地の違いからか、少し着丈はこちらの方が長めです。
こちらの色はチャイブラウン。
とてもいい色です。
お値段はコットンシルクのドット柄と同じです。
素朴なカディーコットンです。
コットンを綿の状態から手で紡ぎ、経糸を張って横糸を挿して
いくわけですが、機械織の生地と最も違うのは、ちょっとした
異物や節が存在するということ。
また、糸が途中で終わってしまった場合、muniさんの使用している
カディーに関しては、古来からの手法を守り、綿で繋いで糸の
テンションと長さを保ちながら織繋いでいます。
染ムラがある、素朴な仕上がりの生地となります。
あしらってあるところ。
布地の雰囲気を含めてのまとまりに、とても迫力を感じます。
インドの染色だな、、と少しニヤけてしまいました。
通常、流通している生地は、蛍光晒しやソーピングなど、
化学薬品を使用して、とにかく徹底的に一旦きれいにすることで、
その後に染めた場合の色の差が出ないようにしています。
量産品ですから、均一性を求めるのです。当然ですね。
一方で、muniさんを通して、このような素朴な小単位で織られる
生地も、世界には存在するのだということがよくわかります。
インドの本格的なカディーの良いところは、上に書いたような
量産品では絶対に手に入らない素朴さを味わうことができるところ。
洗えば洗うほど少しづつ度杢(どもく)が詰まり、スルッとした
感触が生まれます。丈夫さも兼ね備えています。
デメリットはというと、先ほどもご紹介したような節が目立つこと、
色合いにムラが多少あること、色落ちが通常の染色よりも強いこと。
その3つだと思います。
お洗濯には少し気を使います。ジーンズと同じように、単独の
手洗いで行ってください。洗剤はウールやカシミアなんかを洗う
デリケート洗いの中性洗剤が良いと思います。
干すときは、太陽や蛍光灯から発せられる紫外線が苦手なので、
日陰ぼしがベストです。
デザイナーの武田さんは、初めてお会いした時からこんな
お洋服を着ていました。
どの地域どんな手仕事を得意にしているかを把握しているデザイナーです。
もちろん、機械織の近代的な生地と比べて弱い部分があるのは
承知の上です。
インドに対する愛情の詰まったワンピースです。
デザイナーの代わりに引き続き愛情を注いであげてください。
多少のいびつさは、可愛らしいと思ってあげてください。
近代的な技術を使わないと、こんな風合いの生地が作れるものかと、
デメリットを上回る素敵があります。少しおおらかな気持ちで
付き合える方がたっっぷりと愛情を注いでいってください。
よろしくお願いします。