もう10年以上前になると思うのですが、
僕がセールスの仕事をしていた時、
誰もが知る、全国区の大きなセレクトショップの
トップバイヤーと商談する約束をしていた。
当時のメンズは、長々と君臨したアメカジがおとなしく、
次に台頭したユニセックススタイルもやや下火で、
イタリアンカジュアルと言っただろうか、、
台襟の高い、ナポリ風のシャツをカジュアルに着こなす
スタイルが、数年主流で続いていた。
パンツは細身が流行っていた。
少し感度の高い人が、「Ragged(ラギット)」と呼ばれる、
キレイ目の大人っぽいアメカジスタイルに注目していた。
90年台をアメカジで通してきた30~40歳の大人の男性に向けて、
出現したスタイルだった。
自身もそんなスタイルをしていたことを記憶しているが、
その約束していたバイヤーが、「こんにちはー。」
って軽い調子で現れた瞬間、素直にかっこいいと思ったのを
鮮明に覚えている。
彼は横段ジワだらけのざっくりした麻の太い生成りのパンツに、
白い、襟のヨレヨレになったヘインズTシャツを着て、
黒いユッタニューマンのサンダルにサングラスをかけて現れた。
ファッションスタイルにおける「普遍性」を
考えていた頃でもあったので、より印象深いスタイルだった。
男性目線で見て、普遍性を感じ得るワイドデニムパンツです。
FIRMUM
スーピマコットンワイドデニム
¥22,500+tax
アメリカ原産の超長綿であるスーピマ糸を用い、
シャトル織機で織り上げた、セルビッチデニム。
通常のデニムとは全く違った触り心地です。
そして、5ポケット風の面構えでの
スラントポケット。
ヒップは写真をとり忘れましたが、
ジーンズに見られる大きめのパッチポケット。
大きなポイントは、ベルトループが重なって2つあること。
理由を聞くと、女性がする細いベルトが、
通常のデニムの太いループに通した時に、
上に抜けてくるのがかっこ悪く見えたからという事でした。
あんなに感覚的で個性的なバランスの洋服を作る
デザイナーに、急に親切で論理的なデザイン説明を受けると、
通常の2.5倍ほど腑に落ちる。
確かにタックインした時などはすごくいい。
もう少しロジカルな思考が必要な妻に履いてもらいます。
とはいえ、、もう4回目か5回目のご紹介。
最近また、普遍性について考え続けていたところに、
10年前のあの景色がよみがえり、こんな緩めでハイウェストな
ワイドデニムを履き続けられる大人になりたいなと。。
シャツスタイルにもかっこいいし、、
Tシャツやニットスタイルにもかっこいい。
新品の状態ですと、のりが落ち切っていない、
ワンウォッシュの状態ですので、少しパリパリ感がございます。
洗濯5回程度でしなやかさが出てきます。
縮みも色移りもしませんでしたが、(もう2年履いてます)
一応、新品でのお洗濯は単独で様子見をしてください。
また秋冬はたくさん履きそうです。
この後も秋冬のお洋服と合わせて提案が間に合えば、
そちらもご覧ください。(完売したらごめんなさい)
「普通にならない自然体」なスタイリング。
難しいけど面白い。
その時の自分と向き合う感じ。
いつかできたらいいなと思う。
できないからいいのかなとも思う。