少し笑みを浮かべながら近寄ってきた野村さんが、
「伊佐さん、、モンゴルに工場を作ります。」
さらっと言った、、。
僕もさらっと書いたが、
これはすごく大変で、すごいこと。
家族経営で始まった彼らの夢でもある、
世界進出が、現実味を帯びてきた。
ロイヤルコペンハーゲンの展示会で、
新人ブランドとして受賞を果たしてから8年。
日本の足利で、誠実なものつくりを続けてきた
彼らの未来は、面白いほうに向いている。
今年もたくさん入荷した彼らのセーターを
代表作からご紹介します。
FACTORY
キャメル裾カーブセーター
¥19,000(税抜)
キャメルベージュ
名前の通り、素材はキャメル100%。
この10年で、何度も何度もモンゴルを訪れることで、
現地での信頼を得てきた彼らは、遊牧民から直接、
手櫛で刈った毛を購入する。
自身の目と手で品質を確かめて。
こちらは、フタコブラクダの毛だ。
彼らは、原毛を晒すことをしていない。
通常は薬品で晒して、きれいな色をつけるのだが、
そうすると、どうしても原毛の良さが半減するという。
その風合いを最大限に生かすため、
彼らのセーターは、すべて原毛に直接染色する。
ネイビー
よって、少しトーンダウンした、
不思議な色味が並ぶことになるのだが、、
それは彼らの個性として、店頭でも際立っている。
他にそんな色がないからだ。
ダークレッド
きれいに紅葉したモミジのような赤。
ほのかにオレンジがかった落ち着きのある赤。
このきれいな放射状の曲線は、
ホールガーメントの中でも特殊な、
「求心編み」という編み方でできている。
裾方向からネックに向かって減らしながら
カーブをつけている。
スミクロ
こちらも原毛に黒を染めているため、
ものすごく濃い焦げ茶のようなスミクロ。
あまり見たことがない色です。
昨シーズン、この形を着まくっていた妻は、
この前の撮影で一通り着て、、
今年買うものは、だいたい目処を付けたようだ。
バルーンパンツにスモークグレー。
ふくらみのあるモノ同士だが、
程よく体に沿ってドレープする
キャメルのセーターは、いいバランスを
つくってくれる。
巻物をたらして、、
コートを着て。
ゴーシュのパンツにスニーカーで、
軽やかに、ネイビー。
一見、春物?
かのような雰囲気のボトムスと
ふんわりとした温かみのあるセーターの
組み合わせは、着ていても新鮮な心境になる。
手に取って見るよりも、
「着たほうがいい」ってよく言われる。
どうやらもっとダブってして大きな印象を
持たれるようだ。
大きいは大きいのだが、
体に沿ってくるからか、
印象としてはとてもすっきりとしている。
贅沢に、、
キャメルの上にカシミアウールのロングカーデを羽織り、
カシミアのストールを巻く。
寒色系ですっきりしたスタイリングだが、
とても優しく、温かみのある印象に整った。
同じ色を白のゴーシュのワンピースの上から。
ワンピースに合わせると、
裾のカーブと前後差が生きてくる。
大判ストールで温かみをプラス。
Honnete のベルベットコートを
豪快に羽織る。
アウターの変化で、また全く違う印象に
なることでしょう。
このセーターの良いところは
たくさんあるのですが、、
僕が気に入っているのは、アームホール。
ゆったりしているけど、
意外と細いアームホールに驚いた。
どんなコートの下にも着ていただけます。
世界へ。