「変化」とは、とても難しい。
往々にして、、
前例にないような変革は、恐れられる。
うまく変化をつけたつもりでも、、
「変わったよね。。」って言われたりする。
変化がなければ、ないで、、
「つまらない。」と言われたりする。
ブランドの「らしさ」や根底にあるコンセプトを
揺るがすことなく、変化を感じさせるのは、
とても難しいことだが、それは長くブランドを
続けていれば、必ず越えなくてはならない
命題なのだろう。
この3シーズンほどを見てきて、
見事な変化を遂げたと言っていい、
「maison de soil」(メゾン・ド・ソイル)のご紹介です。
maison de soil
cotton silk HAND WOVEN DRESS
生成 ¥30,000(税抜)
インドの手仕事を生かした、
量産が不可能とされる生地作りや、
ハンドブロックプリント。
そこにとことんこだわったこのブランドは、
「大地に立つ工房」という意味がある。
現場にある自然環境や手仕事を
変えることなく、自然体を生かした
モノつくりを大切にしている。
インド中央部、チャンデリ村の手織りの
コットンシルクジャカード。
後にご紹介する、オーバーダイや
パッチワークの素晴らしさが際立った
今回のコレクションの中で、
メリハリを効かすように、、
展示会場のどまんなかに掛けられた
この素材の洋服たちに夢中になった。。
ブラック
生地の生産から特注するこのブランドは、
常に生産管理に気を張っていることだろう。
インドの生産現場はとてもとてもユルユルで、
技術はあるが、とにかく、基本、働かない。。
だから、納期遅れなどが常につきまとう。
今回も、たしか2月納期のモノが揃ったのが
たしか、4月の初旬だった。。
その分、他にはまねできないような
特別な雰囲気を纏ってやってくる。
だからいいのだ。。多少遅れたり、
アクシデントがあっても。
もちろん、納期通りにほしいのだが。
こちらは同じ素材の半袖。
ブラック ¥28,000(税抜)
8分袖、半袖、共にスリップドレスが
付属している。
そして、半袖は実はデザインが少し違う。
ウェストで半身を切り返して、ギャザーが入る。
ボリュームが出過ぎて、横に広がるのを
抑えながら、、でもふんわりとしたシルエットを
出すためのデザインだ。。
最近、僕が大切に大切に、履いていた、、
ゴーーシュの藍染めのパンツを、、
履いたその日に転んで穴を開けた妻に着てもらいます。
でかい穴を、、、
大人ってそんな転び方するんですね、、、
ハーーーー。。
いやらしくない光沢と、
風になびく軽さが美しい素材感。
この形は、ブランドを知っている方にとっては、
もはや定番のワンピース。
季節感を強く感じない素材感で、
インナーに着るものによって、秋口も楽しめる。
8分袖のワンピース。
やや高めの位置から切り返して、
トップスは、見た目ほどのボリュームはなく、
スッキリとした印象だ。
ポケットもある。
こちらは半袖のブラック。
小物にも黒を効かせて、
クラシックでかっこいい、素敵なドレススタイル。
半袖も、高い位置から切り替えて、
なおかつ、ウェストの側面でもう一度
切り替えを入れている。
横へのふくらみをそこで少し控えている。
ハッと、ときめくような生成りと
クラシックなブラック。
どちらもお勧めだが、、
半袖は既に生成りが完売してしまった。
半袖の上から、同じくmaison de soil の
ギンガムチェックのカシュクールドレスを羽織ってみます。
ふんわりとしたリネンのギンガムは、
真夏に着ていても涼しげな印象です。
袖をまくって、真夏も着てもらいたい。
前を閉じると、しっかりとワンピースとしても
活躍し、下にワンピースを着た状態で
このように閉じると、きっと着ている本人は、
薄くて涼しいコートを着ているような感覚だろう。
もちろん、こちらにもポケットが。
この数シーズンで、、
らしさをしっかりと保ちながら、
かすかに感じる変化により、
毎シーズン新鮮さを感じていた
「maison de soil」
ブランドである以上、
そのコンセプトによって、
ある程度の囲いを作る。
その囲いが小さいほどコアなブランドで、
変化を付けるのはとても難しい。
次の秋冬シーズンまで含めて、
この数シーズンの彼らの変化には、、、
苦難を乗り越える努力と、
それを乗り越えたかのような、
心地いい昂揚感があるように思える。
きっとこれからも、
わずかな変化で鮮度を保つような、
強いブランドであり続けるのだろう。