2019年7月6日土曜日

susuri ~姉妹伴 hide onepiece~

「姉妹伴」

中国福建省恵安地区に古くから伝わる文化風習で、

幼いころから数人の女性が寝食を共にし、

お互いの家を行き来し、本当の姉妹のように強い絆で結ばれる。

その絆は硬く、生涯続くと言われています。

その風習になぞらえて、1年先にオープンした、西荻窪の

poefu との特別な別注企画を「姉妹伴」と呼ぶことにしています。

2013年の秋冬シーズンから始まった姉妹伴も7年目を迎えます。

お互いに、残していきたいと思えるあの名作を今年も。















susuri ハイドワンピース

数年前に一度だけsusuri さんから発売されたこちらの

ワンピースは、時を経ても廃れることなく、

我々を魅了します。

そのような名作をすくい上げるのも、我々の役割かと思います。

もちろん、作った本人の意思を尊重しながらということですが。















布地は、タイプライタークロスの「東炊き」を使用しています。

こちらの pinkは、姉妹伴カラーです。

普段のsusuriさんのコレクションでは見られない、

鮮やかな色が表現できていると思います。















袖は半袖に見えて、実は肘の下あたりまでくる

やや長めの設定です。もちろんそれぞれの裄丈などで、

5分袖になったり、7分袖になったりいたします。


面白いのは、袖口のデザイン。

annabelleで毎シーズン別注で提案し続けている、

バルーンマーチスカートと同じ構造になりますが、

袖口がよじれています。















襟ぐりは、多少下がりの付いたボートネック。

開きすぎることなく着ていただける絶妙な開き具合です。















シンプルなフロントに対し、大分量の背面ギャザー。

この大局的なバランスが、susuri の魅力の一つではないでしょうか。















色は、black、stone、pink の3色展開です。

生地の表面は、「東炊き」特有の細かなシワが無数に入り、

時折、折れシワかのような線が、スッと入ることもございます。

しかし、それは高温で炊くように染める、東炊きの仕上がりの

特徴で、アイロンで奇麗にしようとしても消えません。

ですが、だらしなさや、しわを伸ばしたくなる衝動に

かられることもなく、おめかししたい場面でも、

しっかりとその役割を果たす、素晴らしい佇まいです。















もう何度か姉妹伴で提案している、ブラック。

熱い季節を引き締める、夏のクローゼットに

欠かせない黒のワンピース。

お持ちでない方はぜひ。















妻も2年前から愛用するワンピース。

毎回、鏡の前で呟きます。

「かわいい。」

涼しくて、素敵なワンピースです。















hide onepiece

布地に覆い隠されるように着るワンピース。

余白の多いデザインは、着る人の個性に添って、

様々な姿を見せてくれる。















背面の大分量のギャザーもあって、

大迫力のドレープ感。















手を少し上にあげたくらいでは、

まくれ上がらない裾。

贅沢な布量は圧巻です。















着丈もしっかりあって、夏に涼しい高密度な

タイプライタークロス。

本来はシャカシャカと音を鳴らすほどのしっかりした

メンズのシャツ生地のようなタッチであることが多いのですが、

susuri さんが使用する東炊きは、染色方法もあいまって、

とてもしっかりしながら、ソフトな仕上がりが特徴的です。





















鮮やかなpink は、白のふんわりパンツに合わせてみました。

着丈がしかりありますので、見えるか見えないかですが、

涼しい麻のパンツとの重ね着は、安心感にも繋がります。




























姉妹伴を取り組む poefu は、いつも大きな壁のように、

1歩、2歩、いやもっと前を歩く、姉のような存在です。

今でもたまにお店を訪ねると、体の中がざわつきます。

poefu はそんな体験ができる数少ないお店の一つです。


このハイドワンピースも、今見ると魅力あふれる

ワンピースであることは理解できますが、

4年前のわたくしは、そうではなかったみたいです。

「大きすぎるのでは?」「少し提案が難しいかも。」

そう考えていたことをはっきりと覚えています。

しかし、poefu の柿本さんは、全く違うとらえ方をしていた。

「着る人はわずかかもしれないけど、とにかく美しい。」

「お店に置いたら面白い。」

「何ですかこの大きな布? ってなりますよね。」って。

こうじゃないと、面白いお店は作れない、

そう教えてくれる数少ない人でもある。















商業的で、均一化されつつあるファッション業界で、

異彩を放つ小さな光でいたい。

そんな思いで始めた姉妹伴です。