2019年1月26日土曜日

センタクノシカタ

1月20日からスタートしたクリーニング店LIVRERの

開発した洗濯洗剤の販売企画もいよいよ終盤。

1月31日が限定販売の最終日となります。

おかげさまで洗剤はとても好評をいただいております。

そして、3コマ行った茂木さんによる家庭洗濯の講習会も

とてもとても好評でした。

当初は動画を配信しようと考えてもいたのですが、

講習会で撮影したものを見た結果、、

これはライブでこそ理解できる内容だということに気がつきました。

話が様々な展開を見せながら進んでいく講習会は、

楽しいのですが、配信向きではないと感じました。

ということで、、わたくしがブログで代わりに説明します。

今回、通信販売でご購入いただいている方も大勢いらっしゃいます。

少し長くなりますが、ぜひご参考になればと思います。
















この爽やかで私とは正反対な雰囲気の男性が、

今回の洗剤を開発した、クリーニング店LIVRER(リブレ)の

茂木さんです。

今でこそ、様々な場所でサンプリング(試供品紹介)を

したり、メディアにも取り上げられたりしている茂木さんの

洗剤ですが、苦労して完成した当初は、「高い」という理由や、

わかりやすいオーガニックではないという理由で、

あまり相手にしてもらえなかったそうです。

ご自身のクリーニング店でおっかなびっくりで売り始めた

高価な洗剤は、「クチコミ」というシンプルな方法で

広がっていくことになりました。

私も1年ほど前にお客様を通じて、その良さを知った一人です。














まずはこの洗剤を作るに至った経緯と、

自身のプロフィールをお話しする茂木さん。


彼はある大手のテキスタイルを扱う商社で働いていました。

そう、もともとは大きな意味でアパレルの仕事をしていた方なのです。

テキスタイルを現場で勉強しながら、そのうち作った生地の

修整を行う仕事に取り組むことになったそうです。

アパレルで使用する生地は、まず出来上がったら検品され、

A品、B品、C品に分けられます。

A品はすぐに出荷され商品になるのですが、B品やC品は

修整をすることで初めてA品として扱われます。

この修正をする人がいないと、アパレル業界は成り立ちません。

彼は仕事で、テキスタイルの修整を手掛けるようになりました。

様々な修正を行うことで確実に技術を向上させ、

そのノウハウを持って、クリーニング店を始めたのです。















ではなぜ、クリーニング店である彼が、

家庭用洗剤を開発するに至ったのか?

大きな転機は、ある人物のシミ落としにありました。

私の勘違いで、一部の方にはシルクドソレイユの団員の方の

シミ落としと伝えてしまっていましたが、、少し違いました。

正しくは、劇団四季が公演している「アラジン」のアラジン役の

講師の方(海外から来日していた)がお食事中に付けてしまった

エスカルゴのソースのシミを落とせる人は近くにいないか?

という話が、茂木さんのもとに舞い込んできた。

その方のジャケットをきれいに仕上げたところ、

その風合いをとても気に入った彼は、今後のアラジンの

衣装のクリーニングは、LIVRERに依頼するという公式な

話に発展したそうです。

そう、後日知ったそうですが、そのジャケットの持ち主は、

その業界でとってもえらいお方だったそう。

それがきっかけになり、現在はシルクドソレイユ、劇団四季、

ポールマッカートニーをはじめとする、様々なアーティストの

舞台衣装のクリーニングを手掛けています。





















アラジンの衣装をクリーニングすることになった

彼ですが、劇団側からの要求レベルが非常に高く、

戸惑ったそうです。

「最低でも5年は舞台で使える手入れを」

というのが条件だったそうですが、舞台衣装は

一般のお洋服よりもかなりケアが大変で、それを5年もたせる

というのは、そうとう無茶な話だと感じたそうです。

そこで諦めたら、話はそれまでなのですが、

爽やかでスポーツマンの茂木さんはとてもあきらめが悪く、

意地でも彼らを納得させるべく、この洗剤の開発に着手する

事になったのです。

開発のお話はここでは省かせていただきますが、

時間をかけて、開発することで出来上がった洗剤の

素晴らしさは、我々はもちろん、プロの衣装を扱う多くの

人たちが認めるところです。















それでは、実際のお洗濯のしかたに移ります。

まずは、流れをつかんでいただくため、できるだけ

簡潔に、一気にご説明します。














汚れが強い洗濯ものについては、

プレウォッシュ(予洗い)が必要です。

今回は予洗いから始めます。

部分汚れがそこまでない場合は必要ありません。















こちらがLIVRERで開発した予洗いに使用する

プレウォッシュスプレーです。

内容は、弱アルカリの洗剤を水で1:1に割ったものと

同じですが、より威力を強めるために濃縮した商品となります。

皮脂汚れ、ファンデーション、ボールペン、油性マジックなど、

衣装についた脂っこいドウランが落とせるくらいですから、

様々な部分汚れが良く落ちます。















やり方は簡単。

汚れの目立つ個所にシュッとひと拭き。















そしてブラシでたたき洗い。(軽く何度かたたく感じ)

使用しているブラシは、豚毛のやわらか目のものと、

強い汚れ用には硬さのあるネイル用ブラシを使っているそうですよ。

ここまでやったら予洗いはOKです。














いざ洗濯スタート。

実はここが洗濯の最も重要なポイントです。

それは、水に直接衣類を入れる前に、洗剤と水を

しっかり混ぜ合わせるということ。(洗濯機も同じく)

その理由は、「水」はこの世で最も洗浄力の高い存在であり、

いきなりただの水に衣類を浸すことで、繊維が大きなダメージを受けるから。

とても分かりやすくシンプルな理由です。

このポイントを抑えるだけで、洗いあがりの向上や衣服が長持ちすること

だけでなく、セーターの場合、毛玉が出来づらくなります。















しっかり混ぜている茂木さん。

水と洗剤の割合は、水5㍑に対し5ccというと、わかりやすいようで

ちょっとピンとこない人もいるかもしれません。

一般的な洗面所の洗面にいっぱいの水が5㍑。

そこに小さじ一杯の洗剤を入れる感じです。

洗濯機で最大限の洗濯をする場合は、販売している

洗剤のキャップ1杯の洗剤を入れてください。

日本人は、洗剤を多く入れがちですが、多く入れていいことは

一つもなく、どちらかというと少なめのほうが良いようです。

どのくらいかわからず迷ったら、少なめに入れましょう。















よく混ぜてから衣類を投入。















しっかりと水につかるように、ゆっくりと押し洗い。

だいたい、平均5分程度が目安だそうです。





















5分の押し洗いで、汚れが出てきたと思います。

ここで2つ目の大切なポイントです。

水に汚れも出ていて、すぐにでもすすぎたくなるのですが、

必ずここでネットに入れて脱水してください。

とっても重要な工程です。

目に見えて水が黒くなっていたら、それで汚れは落ちた!

と思いきや、ただ分解された汚れが見えているだけで、

実際に汚れを落とすには、脱水の遠心力が必要だそう。

ここですすいでしまうと、汚れを残したまま

洗濯を終えることになるので、泡の付いた状態で、

すすぎ前に脱水を!















写真では見えませんが、講習会に持ち込んだ、

ミニ洗濯機で脱水する茂木さん。

脱水の目安は1分です。

それ以上長く脱水をかけると、衣類に残したい

うるおい成分(スクアラン)も飛んでなくなります。

1分程度で終わらせてください。















脱水の際のポイントは、1分で終わらせることと、

ネットが大きい場合、衣類が動かないようにしっかり結わくこと。

衣類に摩擦を生じさせないために、これがいいそうです。















脱水が終わったらすすぎます。

だいたい3分程度。(すすぎは1回でOK)

すすいだら、同じ方法で脱水して完了です。

干すときは、平干しネットがベストですが、

ない場合はバスタオルを敷いて干すか、

ハンガーを2本使って伸びないように工夫してください。

ストールをハンガーで干す場合、2本使って

M字になるように干すのがコツだそうです。

ニット製のストールは伸びやすいので特に注意してくださいね。





















今回、手洗いコースで使用したのがこちらの

silk&wool ¥4,000+tax

ほぼ何でも洗える、中性洗剤です。

これが、劇団四季やシルクドソレイユを満足させた洗剤なのですが、

こだわりは、99%天然由来、そして1%のケミカルを用いたこと。

開発当初は、オーガニックのナチュラル洗剤の輸入販売も行っていたほど

オーガニック、ナチュラルにこだわっていたそうです。

しかし、オーガニック洗剤では、彼らの期待する汚れ落としは

不可能であるという結論にたどり着きます。

何社もの薬品会社や洗剤を手掛けるメーカーの開発者と

打ち合わせを重ねた結果です。

たった1%のケミカルが、この最高の洗い心地を実現しているのに

驚きました。香料も天然にこだわることで、長続きはしないのですが、

人工的に作られた香料とは全く違う、爽やかな香りです。

これを可能にしているのも、「洗浄力」があってこそ。

皆さんが梅雨時期によく気にされる、部屋干しの嫌な臭い。

あれは匂い菌が衣類に残ったままになっているのが原因だそうです。

一般的な石油由来の界面活性剤を使用した中性洗剤では、

80%程度の菌しか除去できないそうです。

その除去できない20%の菌が匂いの原因で、どうにもならないため、

悪い言い方かもしれませんが、香りを強くしてごまかす方法で

作られているものが一般的だそうです。

彼らの開発した洗剤は、香りは天然のため持続性はありませんが、

部屋干しの匂いは全くいたしません。

それは、菌を100%除去しているからです。





















こちらは、彼らが開発する日常洗剤で、「弱アルカリ」のシリーズです。

より強い汚れ落としが可能で、なおかつ、通常の弱アルカリ洗剤では

成しえない、しっとりとした仕上がりです。

今回アナベルでご紹介しているのは、

ベルガモットとフォレストの2つの香り。

お値段は、¥2,200+taxです。

洗浄力はsilk&woolよりございますので、水と1:1で割ることで、

部分汚れ落としにもご活用いただけます。


講習会でのお話は、洗濯機の種類に対しての

洗濯方法や世界中で洗濯をして回ってきた彼の

世界の洗濯事情まで幅広いお話が聞けたのですが、

なかなか文字に起こすのも大変ですのでこの辺で。。


限定販売最終日の1月31日は、夕方4時くらいまで

茂木さんも店頭に立ってくださいますよ。

お時間のあるかたはぜひお店へ!