2015年7月25日土曜日

愛しのまる子

晴れた日は、毎日そこを通り抜けて、

宿舎まで帰っていた。

急がずとも、5分程度の軽い山道だ。

少し雪の降った日、、出発直後のこと。

大げさに言うと、あれは「ホワイトアウト」

というものなのか。

一瞬で方向感覚を失い、どこを歩いているのか

わからなくなった。

遠くの方に明かりが見えた。

見え隠れする小さな明かりだけを頼りに進み、

ようやく、わかる場所に到着すると、、

いたずらだったかのように、雪がやんだ。

時計を見ると、40分ほど経っていた。


灯りは消してはならないものだ。

きっと聖火ランナーがつなぐ松明には、

太古より、人の命をつないできた灯り。

後世に伝えたい思い。

そして、つなげていきたい技術や知識。

様々な思いが込められているのだろう。

今日は、そんな思いが込められていそうな、、

愛らしい革の履きもののご紹介です。

















TORCH(トーチ) 

レザーシューズ ¥24,800(税抜)

サイズ展開:35~39


ブランドでは、43まで製作しておりますが、

アナベルでは39までとなります。

また、理由はわかりませんが、40を生産しておりません。

black


靴が歩くための道具だった頃、

きっとこんな風だったのかもしれない。






















そう思わせるほどに、

素朴で丈夫そうで、、なおかつ愛らしい。

















natural

この色を見て、、「あれ?」

R.U. のあれと同じかな?

そう思った人もいるかもしれません。

そう、革はあれと同じ、ヌメ革です。

「痛いの堅いのとんでいく」で、以前ご紹介した、

R.U. のヌメのパンプス。

もちろん作者も厳密には革も違うが、

同じヌメ革です。






















じゃあ、これも痛いのか?

実は、妻も僕も昨年から履いています。

雑誌などを見てくださっている人は、

気づいたかもしれませんが、

秋冬の雑誌掲載でもスタイリングで使っていました。






















僕は、もう冷や汗が出るような痛みが

ありました。。じつは。

ただ、僕は極端な甲高で、だいたい何を履いても、

まずは痛いのです。この靴も例外なく。

だいたい10回程度の着用で、痛みは治まり、

その後は、もう毎日履きたくなるほどお気に入りです。






















従来の、人の足の丸みをしっかりと

残しながら、現在のファッションにも

何食わぬ顔で、良く似合う。。






















妻は今回はちっとも痛くないらしい。。






















履き始めが冬だったので、、

そういえば、最初は靴下が厚すぎて

ちょっと圧迫されるとかなんとか、かんとか。。

言っていた。






















そりゃそうでしょう。

馴染んでから靴下ですよね。

それなら全然違うはず。






















革靴が馴染んでくる感触は、

何度味わっても気分がいい。






















クラス替えで最初はよそよそしかった

お友達と、だんだん仲良しになるあの感じ。
















甲高な人は、仲良くなるのに少し時間がかかる

かもしれない。まる子さんはそんなお友達。






















革の自然な状態を生かしたいという思いから、

表面のシボや、一見傷のような線は、

きれいにせずにそのまま作っている。






















だからね。

「きれいなのがいい」って言わないで

あげてください。






















僕が真面目で無口なのも、

妻がガサツで陽気なのも、

R.U. が素敵で凛々しいのも、

それは、それぞれ大切な個性なのでしょう。






















革肌が少しだけ不揃いで、

すこしコロンとした素朴な表情は、

きっと素敵なまる子の個性なのでしょう。






















凛々しいR.U. も素敵だし、、

素朴なまる子も愛らしい。。


疲れて帰って玄関を開けた時、

















馴染んだまる子が迎えてくれる。

すこし心が柔らかくなる。


履いていて思う。。

作者がこの靴にTORCH(松明)と名付けたのは、

歩くための道具として始まった靴の始まりを、

後世に残したかったのではなかろうか。

今の子供たちの誰かが偶然まる子と出会い、

まる子を真似て靴を作る日がきたら、

それはTORCH の本望なのかもしれません。



※この靴は、製作者の意向により、

通信販売サイトへの掲載やセール販売は、

一切禁止されております。

遠方で手にとって見ることができないお客様で、

ご興味のある方は、メールをいただければ、

ご対応いたします。

ご不明な点などございましたら、何なりと。