2014年1月31日金曜日

ユニフォーム再来

はじめてこのズボンが入荷した時、

アナベルの二人は少しドキドキしていた。

お客様に受けいれてもらえるかどうか?

はじめは、加工やお値段に戸惑いながらも、

今では、ユニフォームといっても過言ではないくらい、

アナベルのお客様には気に入って履いていただいています。

「貧しい芸術」を意味するArteporvera(アルテポーヴェラ)から、

このズボンが再入荷いたしました。






















Arteporvera クロップド加工チノ ¥19,950(税込)

size XS、S、M

こちらは、KHAKI。






















加工モノが苦手な僕らが、このズボンの

取り扱いを決めたのには、二つの理由がある。

ひとつは、その加工が衝撃的にリアルだったから。

僕も今までで1本だけ、新品の状態からリペアを繰り返して

履いたチノパンがあったが、確かにこうなるのだ。






















Grey






















ポケットはつけから壊れてくる。

そして、端は少しだけポロポロっとする。






















Navy

















小さなコインポケットが付く。






















そして、前回別注したことをきっかけに、

定番化したWhite。

実は、もともとアナベル別注でスタートしたこともあり、

白は他の色と生地が少し違う。

そのため、加工の際の縮み具合も異なり、

他の色と比べて、ハーフサイズほど大きめなのだ。






















さらに、他の色では見えづらいシミのような

加工も、白だけははっきりと見える。






















そして、今シーズンの新色であるBlack。

















後ろの両玉ポケットも端にしっかりリペア加工が施される。


と、、、ここまでは色の紹介と加工技術のご紹介。

正直、これだけではお取り扱いはしていなかった。

決め手になったのは、やはり履き心地だった。

デザイナーやブランドによって、パンツはものすごく癖が出る。

このパンツは展示会で試着した時に、すこし驚いた。

メンズにおいても、ありそうで今まで履いたことのない感覚だった。

ましてやレディースでは、こういうパンツを作っているブランドは、

ないのではなかろうか。

言葉で伝えるのはなかなか難しいが、しいて言えば、、

「古着のいいところをできる限り残した、現代にフィットするズボン」


さらに、アナベルで扱う他のブランドとの相性も抜群だ。

いつものように、これまでの活躍ぶりを振り返りつつ、ご紹介します。






















着丈短めのタイトフィットなブラウスにKHAKI。






















ふんわりしたかなりボリュームのあるタイプの

ブラウスに、NAVY。






















春には増えてくるチュニック丈にKHAKI。
















ワンピースの裾からちらっとのぞかせて、GREY。
















ひざ丈くらいのワンピースにも似合います。NAVY






















なかなかかっこのつけづらい、ショート丈で

ボリュームのあるタイプにも。KHAKI






















女性らしい、クラシックできれい目なフォルムの

ブラウスにも、組み合わせて負けません。WHITE






















ちょうど股下くらいにくる着丈に、GREY。






















女性らしく、クラシックなHonneteのリネンシリーズと

相性は抜群です。






















ロング丈の羽織コートをあわせて、GREY。
















そして何より、、T-SHに合わせただけでかっこいい。。のは、

R.U.のおかげもあるかもしれません。

同じくアナベルでは人気のR.U.との相性も抜群です。


身長155cm、体重48Kg(自称)の妻がXSサイズ。

上から2番目のNAVYは、少し大きめでSサイズを履いてもらっています。


ブラックに関しましては、来週撮影が終わり次第、ショッピングページにて

ご紹介させていただきます。

また、入荷したばかりですが、ご予約を受けていた関係で

現在NAVYのSサイズだけ欠品してしまいました。

他のサイズもなくなりそうな色やサイズは、追加をかけましたので、

週末か来週の頭には再入荷いたします。


アナベルで提案する洋服が、全般的に好きなお客様には、、、

ぜひお勧めのパンツです。

きっとユニフォームのように活躍することでしょう。





2014年1月28日火曜日

お知らせ

アナベルではオープン当初から定番でお取り扱いしている、

テハマナのかばんについて、価格変更がございました。

価格変更直前に押さえたストックを販売してまいりましたが、

上昇前のストックはほぼ完売となりましたので、

順次、販売価格の変更が生じます。

よろしくお願いいたします。

















テハマナ MARU \38,850(税込)→¥40,950(税込)

現在完売しておりますが、木曜日に再入荷いたします。

その際は上記のとおり価格変更いたします。


また、今月発売の「nid vol.31」をご覧いただいている

お客さまにお知らせです。






















連載を担当しております、こちらの雑誌で

テハマナのMARUをご紹介しております。

価格は、変更前の¥38,850(税込)となっておりますが、

現在は、¥40,950(税込)となります。

よろしくお願いいたします。


アナベルより



2014年1月27日月曜日

いいポケット 2014春

展示会をまわる時、必ず二人で出向きます。

そして、二人が気になった商品は写真を撮ります。

発注する気がない商品は写真は撮りません。

しかし、ごく稀に、、、例外があります。

写真は撮らなかったけど、数日過ぎても気になる商品。

そんなものがたまに出現します。

これを最初に発注したのは1年半前。

その時の情景は、今でも脳裏にやきついている。






















Travail Manuel コットンミニ裏毛チュニック ¥13,650(税込)

オートミール






















生成りベースにメランジ調にグレーの糸が混じっている。






















春らしい、やさしいトーンのグレー。






















こちらも濃淡の付いたグレーのトップ糸。


アナベルでこの商品を最初に発注した時、

確か同素材で、ドルマン袖のジップパーカと

ドルマンスウェットが一緒に並んでいた。

僕らはそのパーカーを写真に撮った。

でも撮った後に、このチュニックを触っていて、

「あー、ポケットが付いてるんだ。。」

そう思ったのを覚えている。

そのぐらいこのポケットの付きかたが気になったのだ。


今日は、「いいポケット」を初代からご覧いただきます。

コーディネートの参考になれば幸いです。






















いいポケット 2013 春

今からちょうど1年前。

冬物のボレロを羽織ります。






















今回よりやや薄いグレーでした。
















いいポケット 2013 秋

妻、くり坊時代。

パンツスタイルには当然よく似合う。

切り替え位置にポケットが付くことで、

ポケットとしては全く存在感を消したまま、

着た時にコクーンのようなシルエットが現れるのは、

このポケットがあるからです。
















こんなコートや羽織りものに良く似合います。






















同じく、いいポケット 2013 秋。

こちらは、ややバルーンシルエットの太身のパンツに

タックインで合わせてみました。


そして今シーズン。。。。






















いいポケット 2014 春。

ギャザーキュロットに合わせてみました。

おそらく、ワンピースに重ねても可愛いと思います。
















切り替えの途中に、何気なく施されたポケット。

何気ないくせに、デザインシルエットを大きく左右するポケット。






















まだ寒いこの季節、、、

インナーには温かいものを着用し、

白いロングシャツを着る。

その上からかぶってみる。

寒いので、、カシミアの大判ショールをかけてみる。

コートは、まだまだWOOLが手放せそうにない。


少し温かくなってきたら、、、






















カシミアの代わりに綿麻のストールを巻こう。



Travail Manuel には、つい着てしまいそうな、

デイリーでいて、かつ特別感のある名作が多い。

ついつい、毎回同じものを発注してしまう。

次回はあるのだろうか?

楽しみだ。



2014年1月26日日曜日

定番中の定番

前回お話しした「定番」。

僕の中では大雑把に2つの解釈がある。

一つは、パーソナルな定番。

もう一つは、代名詞にもなりうる、

絶対的ブランドが存在するもの。

たいてい2~3ブランドはあげられるのだが、

今日ご紹介する「キルトスカート」はどうだろう。。

もし、洋服屋100人に聞いたら、

ひょっとしたら、100人同じブランドをあげるかもしれない。






















O'NIEL of dublin(オニールオブダブリン)

アイリッシュリネンキルトスカート ¥30,450(税込)

KHAKI


スコットランドやアイルランドの伝統的男性用衣装である

キルトスカートは、今現在もいくつかのファクトリーが存在するが、

現存する最も古いファクトリーがこの「O'NIEL of Dublin」。

1850年代中頃から、およそ160年以上にもわたり

この伝統衣装を作り続けている。






















本来の伝統衣装は全てタータンチェックで、

家柄などを意味するのだが、こちらはアイリッシュリネンを

贅沢に使った、前面にもタックが入る日本の別注モデル。

確かにこのほうが日本のファッションに取り入れやすい。

本来感じるトラッドな印象が、いい意味で少しやわらぐ。






















梅春らしい、落ち着きのあるブリックレッド。






















端の断ち切りとレザーベルトは、キルトスカートの

目印のようなもの。

同じブランドでも、お値段は様々です。

¥16,000くらいから¥30,000くらいまで。

使用する生地、丈の長さ、プリーツの幅、分量などで

だいぶ変わってきます。

アナベルで扱うタイプは、高額の部類に入るかもしれません。

これからやってくる、「春先」を意識して、

コーディネートしてみました。






















インナーには先日少しご紹介した、

HAVERSACKの太ストライプシャツ。

その上に、pyjama clothing knit のシャギーで

薄手で温かい、アンゴラのニット。






















アナベルで扱うキルトスカートは、前と後ろ

両方にプリーツが入り、ざっくり洗いがかかっているため、

印象が少しふんわりするのが特徴です。

ストールは春先に活躍しそうな糸衣のLINEN混のカシミアストール。
















鞄や靴できれいな色味をプラス。

merijakuuのコットンシルクのレッグウォーマーは、

こんな風にも活躍します。
















ブリックレッドは、白いチュニックシャツをタックイン。






















シャツ一枚では当然寒い春先、

アンティークの布地を使った個性的なベストで、

印象が変わります。
















インナーやボトムスから徐々に春を意識し始める春先、、

秋口にご紹介した、コットンのコートや

糸衣のきれいな梳毛のカシミアは、ここでもう一度活躍します。

冬物と春物をまぜながら、少しづつ春を楽しみましょう。



2014年1月24日金曜日

定番とは

先日、定番にまつわる取材を受けた。

定番と聞いて誰もが想像するもの、、、

デニムといえば、LEVI'S 501。

トレンチといえば、Burberry。

バスクシャツといえば、Saint James。

シェットランドといえば、JAMIESON'SやPeter Blance。

それらは確かに定番で、僕の中では洋服に携わる以上、

生涯大切にしていきたい服たちだ。

しかし、アナベルで重視する「定番」とは、もっとパーソナルなもの。

その人のクローゼットで、5年、10年活躍している洋服があったら、

それがまったくベーシックでもトラディショナルでもない服であっても、

その人にとっては大切な「定番」なのだと思う。

アナベルは、僕らのフィルターを通して、「そうなりうる」、、、

と感じたものを全力で紹介できるお店にしたい。

この秋冬、お店で僕が着ている時にやたらと、、「どこのブランド?」って

聞かれたベストがあった。

素材は昔のブランケットだし、形も野暮ったいし、少し重い。

でも僕は気に入って、7年間毎年着ている。

昔の「Arteporvera」のリメイクベストだ。

今日はArteporveraの春のカーディガンをご紹介します。






















Arteporvera コットンシャンブレーカーディガン ¥12,600(税込)

ご夫婦で営むこのブランドは、男女兼用できそうなものが多い。

このカーデは、形は女性向きで、素材はやや男性的だ。






















ご夫婦でやっているブランドには必ず同じ質問をしたくなる。

「もめないんですか?」

Arteporveraの鹿野さんは、即答した。

「もめます!ケンカです。」

このカーディガンの袖口は少し変わっている。

レディースではあまり見ない仕様だ。

筒袖ではなく、カフス仕立てになっている。

普通に考えると男性の発想だ。。。。もめたのかな?

そんなことも考える。

















そして最も大きな特徴はこの首ぐり。

普通のレディースのボレロカーデは、ここが丸くなってつながっている。

そうすると、下に落ち感が出て女性らしいのだが、

欠点として肩からずり落ちる。

しかし、こうすることで、肩がしっかり収まる。

これもやや男性的な発想だ。。。もめたかな?


先週の大寒波の中、妻がプルプルしながらモデルをしてくれた。






















基本、モノトーンでやわらかい印象に。

妻の顔は寒さでこわばっている。

タイツやバッグで色をさす。






















薄い素材で、立ち上がりからしっかりワンシーズン

着ていただけるカーディガンです。























インナーには、アナベルで3シーズン目のお取り扱いでもある、

「いいポケット」のTravail Manuelのミニ裏毛のチュニック。

今シーズンは、定番色のグレーと、

やさしい印象のオートミールが入荷中です。
















ちなみにTravail Manuelもご夫婦で営んでいる。

こちらも即答だった。

「いや、全然。。。。」

それぞれだ。


何が「定番」になるかもそれぞれだ。